IN/OUT (2025.12.28)

2025年も、最後の更新となりました。


in最近のIN

”Sew Torn”25.12.27

ヒューマントラストシネマ有楽町スイスの田舎町を舞台に、潰れかけの刺繍店を営む女性が犯罪に巻き込まれ、針と糸を武器に立ち向かうという、「お裁縫クライムサスペンス」を観てきた。邦題は、「世界一不運なお針子の人生最悪な1日」。最近のラノベのような長いタイトルだが、原題が分かりにくいので、悪くはないと思う。

主人公は、車の運転中、麻薬取引の現場に遭遇する。何らかのトラブルがあったようで、撃たれて倒れている売人と、大金の入った鞄が路上に…。周囲に人はいない。彼女は、「完全犯罪を狙い、お金を奪う」、「警察に通報する」、「そのまま通り過ぎる」という選択肢を考えるのだが…。

ここから、話は次から次へと意外な方向に転がっていく。主人公も、周囲の人物も、麻薬の売人達も、クセ強の曲者揃い。彼らが織りなす皮肉の効いたストーリーが、(途中、語り口がもたつくところはあるが)飽きさせない。”if”で分岐するところをやり直したらどうなっていたのか?というところの見せ方も上手い。

そして、オチも、中々に気が利いている。結局、彼女が選択を間違えたポイントは、そこじゃなかったんだよなぁ。コメディ要素のあるクライム・サスペンスとして、好印象の作品だ。


「アール・デコとモード 京都服飾文化研究財団(KCI)コレクションを中心に」 @ 三菱一号館美術館25.12.27

三菱一号館美術館今年は、1925年に開催された「現代装飾美術・産業美術国際博覧会」(通称 アール・デコ博覧会)から100周年。アール・デコ期の服飾の展覧会を観に、三菱一号館美術館に行ってきた。

三菱一号館美術館当時のモードの状況について、この展覧会を通して私が理解したところだと

コルセットが強要する曲線によって特徴付けられていたアール・ヌーヴォー期のファッションから、

三菱一号館美術館コルセットの束縛から解放し、シンプルな裁断が生みだすアール・デコ期のファッションへと流行が移り、Gabrielle Chanelや、Jeanne Lanvinなど、今も、そのブランドが生き続けているデザイナーが活躍する。という流れ。

三菱一号館美術館ということで、世界的な服飾コレクションを誇る京都服飾文化研究財団(KCI)が収集してきた、約100年前の服飾作品が並ぶ。それだけでなく、当時の絵画や工芸品(日本の漆芸を応用した服飾小物など、興味深い)も、たっぷり。全310点の展示品は見応え十分。

ただ、宝飾品やRené Laliqueのガラス工芸などは、先日観た、東京都庭園美術館でのVan Cleef & Arpelsの展覧会が圧倒的だったので、そこは見劣りするのは仕方ない。我ながら、使い途のないところで目が肥えてしまったか…


2025年を振り返る25.12.28

さて、今年もいよいよ終わり。1年を振り返る。

例によって、矢野顕子、上原ひろみ & 清水ミチコのライヴには、たっぷりと楽しませていただいた。









こうやって振り返ってみると、今年も、良い"IN"が多い、充実した年だったな。



来年も、沢山の"IN"を見つけたいと思う反面、もう少し、経済的合理性を考慮した動き方にシフトしなければとも考える年の瀬です。