献血ルームに、「初めての人カード」をつけた若い人が多数(有楽町献血ルームの場合、初めて献血する人は、識別用のカードを首からかける)。何だか、4月っぽいなぁと思う、今日この頃です。
最近のIN
ASIAの最新ツアーを観に、ビルボードライブ東京に行ってきた。
と言っても、中心人物のJohn Wettonは2017年に亡くなっている。さらに、Carl PalmerとSteve Howeも不参加。昨年、再始動したラインナップは、
・Geoffrey Downes(Key)
・Virgil Donati(Dr)
・Harry Whitley(Ba, Vo)
・John Mitchell(Gt)
唯一のオリジナル・メンバー Downes以外は、私には馴染みが無い…。しかし、行かざるを得ないのだ。
まずは、”Don't Cry”から演奏開始。ラメラメのジャケットをまとったGeoffrey Downesは(歳は取ったが)YESの時よりも活き活きと自分の色を前面に出しているようだ。新メンバーも、皆、オリジナル・メンバーへのリスペクトを感じさせながらも、単なる懐メロ・カヴァー・バンドに堕さないよう、個性を主張しているように感じる。Harry Whitleyは、ベースもヴォーカルも、John Wettonの後継者として十分な実力。最初は、微妙な声質の違いに、Wettonほどの存在感は無いかなと感じたが、尻上がりに調子を上げていったと思う。Virgil Donatiのトリッキーなスティック捌きも見事な迫力あるドラムスと、John Mitchellのテクニック炸裂のギターも素晴らしい。ただ、John Mithcellは、見た目が小太りのおじさんで、Steve Howeとは対極なのが何とも…(因みに、ステージ上で飲むドリンクが、マグカップ入りの紅茶というのも、ある意味、良い味を出している)。
”Rock and Roll Dream”、”An Extraordinary Life”と演奏は続き、そして、ここから1st Albumの完全再現! "Heat of the Moment"、"Only Time Will Tell"、"Sole Survivor"、"One Step Closer"、"Time Again" と、アルバムA面の曲を収録順に演奏。いやぁ、カッコ良し! 1982年にこのアルバムが出たときには、「YES、EL&P、King Crimsonのメンバーが集結したのに、こんなにもポップなアルバムになるなんて……」と、ガッカリした記憶が強烈だ。しかし、良い曲揃いなのは間違い無い。(尖っているのがカッコ良いと信じていた)若い頃は受け容れがたかったが、歳を重ねた今なら堂々と言えるのだ「産業ロック、最高!」
そして、B面の"Wildest Dreams"、"Without You"、"Cutting It Fine"、"Here Comes The Feeling"を演りきって、本編終了。燃えた!
アンコールは、”Opne Your Eyes”。演奏後、新メンバー達が、Geoffrey Downesを改めて”Legend”だの"Myth"だの盛り上げて紹介。そして、やっぱり演ってくれましたThe Bugglesの”Video Killed the Radio Star”!!(かつてのAsiaのライヴでは、各メンバーが出身バンドの名曲を披露するコーナーがあったのだ)。文句なしの超絶名曲だ。これで、全編終了。
ラストで、ASIAの興奮をThe Bugglesが上書きしてしまって良いのか? という気もするが、無問題。オリジナル・メンバーが一人しかいない点も、結果的には無問題。最初から最後まで、名曲揃いのライヴを堪能。
先週、原美術館ARCで観た「40声のモテット」が印象的だったのだが、ちょうど、その作者、Janet Cardiffと、同じくカナダ出身のGeorge Bures Millerが共同制作した小品を集めた個展が開催されているというので、銀座のギャラリー小柳に行ってきた。
ぱっと見、子供の工作のようなサイズ感の作品が11点。その多くは、作品内のボタンを押すと、音や動きを楽しめる仕掛けが施してある。
右の写真は、"Unprepared Piano"。サイズは、27cm×30cm×28cm。Janetが「refuse collage(ガラクタのコラージュ)」と呼んでいるタイプの作品だ。キッチュな造形だが、ボタンを押すと、4つのスピーカーからそれぞれ異なる音色が出てくるところは「40声のモテット」と共通したセンスを感じる。
”Suitcase Thatre”と名付けられた作品は、スーツケースの中に6体の人形と小道具、そしてステージが収められていて、この中で人形劇が演じられる(その様子は、iPhoneの動画再生で観ることが出来る)という趣向。何とも人を喰った感じのシュールな人形劇だ。
11点、それぞれのアイディアは面白いと思うのだが、いささか、作家によるコンセプト先行という感じで、私にはあまり刺さらなかったかな。
ただ、右の作品 ”Shoe in the Wall”は、Ellery Queenの”The Dutch Shoe Mystery(オランダ靴の謎)”を引用している。うむ、エラリー・クイーン好きには悪い人は居ない、という極私的思い込みで、一気に印象が良くなった。
Rami Malekの主演作を観てきた。
彼が演じるのは、テロの犠牲になった妻の復讐に燃えるCIA分析官。CIAと言っても、分析官なので、格闘や銃とは無縁のインドア頭脳派。そんな彼が、どうやってテロリストに立ち向かうのか。一方、CIAの中に渦巻く陰謀もあって、彼はCIAからも追われる羽目に陥る…。というお話。
復讐の意思は固いが、武闘派とは真逆の主人公。人を殺すことには躊躇しまくりだし、敵を追い詰めても詰めが甘い。プロのスパイではあり得ないような失態を繰り返しながら、それでも、自分の得意分野の能力を活かして、着実に目的を果たしていく姿は、中々に痛快。肩の凝らない娯楽作として、良い映画だと思う。
ただし、演出のテンポが鈍重だと感じてしまうことと、主人公の周りで、彼に関わったばかりに悲惨な目に遭ってしまう人達がいることに心が痛むのは、減点だ。彼に協力する情報提供者とか、良い人なのになぁ…
<清水ミチコのライヴを観に、 相模原市民会館に行ってきた。このツアー、正月の武道館公演、2月の浦安市文化会館に次いで、三度目の参戦である。ツアー中もアップデートされ続けるネタが楽しみで、複数回、通ってしまうのは、ジャズ系のライヴと同じと言えるかもしれない。
会場は、相模原駅から徒歩20分ほど。1,270席のホールは、チケット発売直後に完売したということで、満席だ。
15時30分開演。ネタは、これまでと同じものが多いが、新たにオンライン・カジノとトランプ関税の時事ネタを取り入れた新作や、今後のスケジュールを全て「大谷翔平さんの娘さん誕生からXX日後」で紹介するなど、旬なアップデート有り。さらに、久々「目マン」ネタにも爆笑。そして、今回も、坂本龍一のトリビュート・ネタの出来が素晴らしい(残念ながら今回は、歌詞付き「Spain」は無し)。
VTRのコーナーを挟んでの後半戦、今回のゲストは、U-zhaan。これで、武道館の木村充揮、浦安市文化会館のはたけやま裕と、私が観た3回とも違うゲストということになる。まずは、U-zhaanのソロ。そして、ICHIRO氏のピアノが加わり、荒井由実メドレー。本日は、完売御礼のおまけで(松任谷由実になってからの曲だが)「中央フリーウェイ」も追加。
そして、4人目のメンバー、「充血(シンバルを叩くお猿のおもちゃ。目が真っ赤なので、この名前)」も加わっての「ミッちゃん道々」。4人の超絶カッコ良いフュージョン・サウンドの中、展開する「ミッちゃん道々」の旋律。そして、コードとリズムをキープしながら他の曲も挟み、ソロ回しもしっかり(もちろん、充血も!)。前回のはたけやま裕ヴァージョンも凄かったが、今回のU-zhaanヴァージョンも大充実の演奏だ。
そして、偽・矢野顕子、偽・細野晴臣、U-zhaanによる、矢野顕子ナンバー「津軽ツアー」と「TONG POO」。3人と完璧!
ゲストが退場し、1970年代歌謡メドレー、そして、B'zとサザンの作曲法で本編終了。アンコールは、忌野清志郎の訳によるBob Dylanの「Blowin' in the Wind」。前半のお笑い要素多めから一転、後半で高度な音楽ネタを展開し、最後はプロテスト・ソングで締める。構成も素晴らしい。
ということで、今回も大満足。本編最後に清水ミチコが口走った「気持ち良かったです! 気が済みました!!」は、演者だけでなく観客も共有した感慨だ。
通勤時に見かける新入社員らしき人達が、制服の如く、男性は紺、女性は黒のスーツ姿なのも、4月っぽい。この横並び意識は、意外にも、時代が進んでも変わらないものですね。 |