八ヶ岳高原音楽堂で、2011年(ソロ公演)、2017年(石川さゆりさんとの共演)、2019年(ソロ公演)、2022年(ソロ公演)、2023年(ソロ公演)、2024年(ソロ公演)、に続き、弾き語り公演が開催されました。すっかり年中行事です。
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毎年恒例となった八ヶ岳高原音楽堂のライヴ。これまで、土日 2日間の公演が定番だったが、今回はお盆の平日 2日間の開催。やむなく、公休を取得し、2日目の金曜日に日帰り参戦となった(セットリストは、前日に参加していた方から教えてもらえたので、両日とも掲載)。
中央線で小淵沢。そこから小海線に乗り換える。野辺山駅で下車し、送迎バスで八ヶ岳高原ロッジまで15分ほど。ロッジ到着後、山の中の遊歩道をてくてく歩いて音楽堂へ。毎年恒例のプチ・ハイキングという趣きだ。標高1,500mの地に建つ八ヶ岳高原音楽堂。木の温もりを活かした六角形の建物で、キャパは250名。
14時30分、開場。例によって、入場時に、座席番号が書かれた紙を選ぶという抽選制で座席が決まる。今回は最後列。くじ運の悪さを嘆くが、前方の人々の頭の隙間から、ちょうど矢野さんの姿が視認でき、結果的には悪くない席だった。客入れの音楽は、Kraftwerkの"Trans-Europa Express"(私としては、そのカッコ良さに、くじ運の悪さなど吹っ飛んでしまった)。
15時、「風をあつめて」で開演。Steinwayのピアノもヴォーカルも素晴らしい音色だ。後方の席だったおかげで、これまで以上に会場の響きの上質さを実感する。そして、「自転車でおいで」。この2曲でスタートというのは、割に珍しいパターンかもしれない。もちろん、私としては大歓迎だ。
最初のMCでは、これが8ヶ月ぶりの弾き語りライヴだと語る。確かに、春の来日時は、上原ひろみさん、そして、上妻宏光さんとのユニットでの公演だけだった(そのせいか、昨日のパフォーマンスは、かなり弾けていたみたいだ。教えてもらったセットリストも良い感じなので、聴きたかったな……)。
「夢のヒヨコ」は、ピヨピヨピピピのところで口が回らなくなるのを力でねじ伏せての快演。「終りの季節」では、20代の頃の細野さんの心情に思いを馳せ、奥田民生さんの「野ばら」は、シューベルトの「野ばら」のフレーズを合間に挟みつつの演奏。(前日と比べると)渋めのセットリストという印象もあるが、どの曲も、丁寧で素敵なパフォーマンスだ。
宇宙の話が長くなりそうなのを、何とか自制しつつ「透き通る世界」。と、ここで、かなり強い雨が降り出す(コンサートホールとしては異例の大きな窓で、自然の変化を感じられるのも、この音楽堂の魅力だ)。そこで、雨に関する歌ということで「仕事を終えたぼくたちは」。高橋幸宏さんに詞を提供した、矢野さんのライヴでは演奏される機会が多くはない名曲だけに、雨に感謝である。なお、この後、矢野さんは「このコンサートが終わる頃に止んでいれば良いのよね。承知した!」と、雨を降り止ませる宣言。果たして…
チャーミングな「春咲小紅」、しっとりした「LOVE LIFE」、そして「Home Girl Journey」仕様の「在広東少年」と続けた後、来年で「Japanese Girl」発売から50周年であることを紹介し、ご自身の健康と、聴いてくれるファンへの感謝を語る。そして、本編ラストは「ひとつだけ」
アンコールで再登場した矢野さん、まずはステージ後ろの窓を指す。宣言通り、雨は止んでいる!そして、「PRAYER」。8ヶ月ぶりの弾き語り公演でも、この難曲を清々と歌い上げる。今回は、しっとりパターンのアンコールなのかと思ったが、やはり、ラストは「ラーメン」で締め。これで全編終了。
この素敵な環境と音響。リゾート地ならではのリラックス感と昂揚感。やはり、矢野さんのライヴの中でもユニークな位置づけの公演だと思う。以前は、開演前にワイン、ジュース、サンドイッチのサービスがあったのだが、コロナ禍以降は水だけになり、今回は、ついにフリーのミネラルウォーターも無くなったことに、世知辛さも感じてしまうが、それでもスタッフの方々のホスピタリティは変わらず素晴らしいと思う。八ヶ岳高原音楽堂での公演が今後も続くこと、そして、それに自分も参戦できることを、強く願う。
池田さん、ありがとうございました。
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