IN/OUT (2025.11.30)

Candy Dulferの日本ツアー。行く気満々で、高崎芸術劇場のホール公演とブルーノート東京のクラブ公演を押さえていたのですが、前日になって「Candyのご家族の事情により、11月24日以降の全公演の開催を中止」との連絡が…。残念。

先月のSamantha Fishの公演は、私が観た直後から、ご本人の体調不良で急遽中止になり、この時は、私としてはギリ・セーフという感じでしたが…。自分のツキが落ちてしまったのか、周囲の人を不幸にする負のオーラが出ているのか…


in最近のIN

「大絶滅展―生命史のビッグファイブ」 @ 国立科学博物館25.11.24

国立科学博物館Candy Dulferの予定がいきなり飛んでしまい、その穴埋めに訪れたのは、国立科学博物館。現在開催中の特別展は、地球上に生命が誕生してから40億年の間に5回起きた「大量絶滅」に関するもの。

5回の大量絶滅とは、
・約4億4400万年前「O-S境界」(海の環境の多様化
・約3億8000万年前~約3億6000万年前「F-F境界」(陸上生態系の発展
・約2億5200万年前「P-T境界」(史上最大の絶滅
・約2億100万年前「T-J境界」(恐竜の時代への大変革
・約6600万年前「K-Pg境界」(中生代の終焉

国立科学博物館展示室の中央に大きな球体のスクリーンがあり、その周囲に5回の大量絶滅の前後の生物の様子を解説した展示が並んでいる。O-S境界前後の、カンブリア紀あたりのアノマロカリスやエーギロカシス、ウミサソリなどの実物大模型と本物の化石は、その異形っぷりにワクワクさせられる。国立科学博物館

国立科学博物館他にも、気合いの入った展示が多いのだが、やはり、恐竜の全身骨格(クリオロフォサウルスと、レドンダサウルス)は、迫力十分。

国立科学博物館K-Pg境界を超えると、いよいよ哺乳類が栄えてくる。

大規模な絶滅でリセットしながらも、進化が続き、今に繋がっているというのは、なかなかにロマン溢れる話である。また、地層や化石に残された僅かな手掛かりから、過去に起こった出来事を明らかにしていく研究者の努力にも感嘆。

オーディオガイドの福山雅治も、えぇ声で分かりやすい解説。

ということで、最近の国立科学博物館の特別展の中でも、かなり見応えがある展覧会だった。が、その分、混雑具合も半端なかった。確かにこれは、お子様も興奮する内容だよなぁ。


「モーリス・ユトリロ展」 @ SOMPO美術館25.11.29

SOMPO美術館20世紀初頭のパリの風景を描いた風景画家 Maurice Utrilloの展覧会を観に、SOMPO美術館に行ってきた。

SOMPO美術館展示されているのは、パリの風景というか、本当に、建物と通りの絵ばかりだ。

SOMPO美術館その分、見せ方に工夫を懲らしている
例えば、異なる時期に描かれた「キャバレー Le Lapin Agile」を並列することで、構図や色調、筆致、質感の違いを明らかにするとか。

SOMPO美術館私が好きなのは、若い頃の「白の時代」と呼ばれる時期の作品だと分かった。展示の後半、後期の「色彩の時代」は、分かりやすく綺麗なんだけど、あまり刺さらないかな。

年表によれば、何度も精神病院への入退院を繰り返し、アルコール依存症でもあったようだ。それでも、1955年、71歳まで生き、後年はフランスの国民的画家として人気を博した(晩年に出演した映画の一部が、ヴィデオ上映されていた)というのは大したものだ。

なお、Wikipediaによれば、『同世代の多くの画家が依存性の強いアブサンを痛飲した中で、彼は赤ワインのみをひたすら飲み続けたためか、精神はともかく肉体的にはほぼ健康であり、71歳の長寿を全うした』とのこと。ここにも好感が持てるな。


「髙田 安規子・政子 Perspectives この世界の捉え方」 @ 資生堂ギャラリー25.11.29

資生堂ギャラリー双子のアーティスト・ユニット 髙田 安規子・政子の展覧会を観に、資生堂ギャラリーに行ってきた。

資生堂ギャラリーこのギャラリーは、賑やかな資生堂パーラーと同じビルにありながら、地下への狭い階段を降りて行くところから、ワクワクが始まるのが良き。

資生堂ギャラリー広めの踊り場のようなスペースから、既に展示は始まっている。床に積まれた大量の本?

資生堂ギャラリー地下1階の展示スペースに入ると、まずは、「Timepiece」。

ここで、受付の方から、作品解説の紙をもらう。これが必読。作者の意図を知ると、滅茶苦茶面白くなってくるのだ。この、「Timepiece」という作品は、花崗岩と砂と砂時計によって、時間の可視化を試みたという。なるほど。

資生堂ギャラリー壁を覆う217枚の大小の鏡。「Relation of the parts to the whole」。観る者は、鏡に映る個々のイメージをつなぎ合わせ、全体を掴もうとする。その体験に、作者の深い意図が仕掛けられている。

資生堂ギャラリー「Spectrum」。ベッドカバーの色は、人間の可視光の範囲を示していて、赤から紫へエネルギーが大きくなるに従って、ベッド自体も大きくなるように並んでいる。

後ろの壁に見えているのは、「Electromagnetic wave」。ヴィンテージのパッチワーク・キルトを使って、電場と磁場が互いに影響し合いながら空間を伝わる性質を模式図にしている。

資生堂ギャラリーそして、展示室の奥にあるのが「Strata」。六角形の書棚を地層に見立て、下から上へ、生物の誕生から完新世まで、関連書籍や化石、鉱物を並べている。そして、それは踊り場まで通じ、最初に見た、大量の本=人新世に関連する書籍の山へと繋がっている。

どの作品も、単に眺めるだけでもそれなりの見応えがあるのだが、解説を読んで目から鱗!となるのが、とても楽しい。そして、資生堂ギャラリーのスペースを活かしきった展示方法も見事。小規模ではあるが、素晴らしい展覧会だ。

なお、髙田 安規子・政子は、2014年、東京都現代美術館の「フラグメント―未完のはじまり」で観たときにも好印象を持ったはずなのだが、今回、改めて自分のhtmlファイル群を検索するまで、すっかり忘れていた…。我ながら情けない。


仙台うみの杜水族館25.11.30

仙台うみの杜水族館10年ぶりに、仙台の水族館に行ってきた(10年前も、上原ひろみ絡みだった)。

仙石線、中野栄駅から徒歩20分ほど(バスもあるが、本数は多く無い)。1階が東北の海、2階が世界の海の展示。2階にはイルカ・ショーのスタジアムもある。規模は大きいとは言えないが、展示のバランスの良い水族館だ。

仙台うみの杜水族館特に、1階の地域に密着した展示が素晴らしい。大水槽に泳ぐのは、派手な熱帯魚ではなく、三陸の海の魚達。

仙台うみの杜水族館地場産業、カキの養殖にもスポットライトを当てている。

仙台うみの杜水族館ダンゴウオの繁殖に取り組んでいるのも、カワイイ。

一方、2階の世界の海の展示は、綺麗で、要所を押さえていると思うが、この水族館ならではという驚きが無く、印象は薄いか。

今回も、1時間程度の駆け足の鑑賞だったが、規模は追わず、過度にエンターテインメント化することもなく、的確なラインナップと見せ方、そして、居心地の良さを醸し出すホスピタリティ。良い水族館だ。次の機会があれば、もう少し、時間を取りたいところである。


「上原ひろみ Hiromi's Sonicwonder JAPAN TOUR 2025 “OUT THERE”」 @ 仙台電力ホール25.11.30

仙台電力ホール上原ひろみのプロジェクト” Hiromi's Sonicwonder”の公演を観に、仙台電力ホールに行ってきた。

メンバーは
・上原ひろみ(piano & keyboards
・Hadrien Feraud(bass
・Gene Coye(drums
・Adam O’Farrill(trumpet
このメンバーによるツアーは、一昨年昨年、に続いて3年連続。私にとっては、矢野顕子のさとがえると同じく、年末の風物詩だ。

仙台電力ホール昭和35年に竣工したビルの7Fにある電力ホール。ロビーには、"フォトスポット"が設置されていた。日頃、ツアー・グッズの類いは買わないのだが、トートバッグの使い勝手が良さそう(マチが付いていて、A4横が入るサイズ。左右にスマホとか入れるのに便利そうなポケット付き)だったので購入し、17時の開演を待つ。私の席は、舞台向かって右。ひろみ嬢とは反対の、ドラムス側。

このプロジェクトの1st Albumのタイトル曲「Sonicwonderland」でスタート。曲者揃いのこのバンドの音にもすっかり馴染んできた。特に、AdamのトランペットとGeneのドラムスは、他に類を見ないタイプだと感じる。一見、正統派ベーシストのHadrienも、ちょくちょく変態プレイを入れてくるから油断できない。そんなメンバーに絶対の信頼を置き、皆の唯一無二の音色を引き出すひろみ嬢の差配ぶりが見事。もちろん、ご自身のプレイも、冒頭から何かに取り憑かれたかのような集中ぶりで、超絶テクを繰り出す(つまりは、彼女にとっての通常運転だ)。

続いては、2nd Albumのタイトル曲「OUT THERE」。4曲構成の組曲を一気に演奏。「箱根駅伝のようにたすきを繋げていくので、沿道で声援してください」とのこと。実にエモーショナルな組曲構成に没入。ここで、20分間の休憩。

第2部も、このプロジェクトの2枚のアルバムからの選曲。どれも、聴き応え有り。そして、本編ラストは「Yes! Ramen!!」。ライヴ映えする曲だ(個人的には、Geneのドラム・セットの後ろに、銅鑼を置いて欲しいな)。

アンコール。ひろみ嬢のソロで「Pendulum」。そして、バンドで「バルーン・ポップ」。これで全編終了。第1部のガッチリした構成から、第2部からアンコールにかけてはヒット・パレードのような楽しさ。エンターテインメントとしても良く出来たショーだと思う。

ひろみ嬢のツアーは、あと2度ほど参戦予定。何度聞いても、その度に新鮮な驚きがあるライヴなので、次回も楽しみだ。



成分献血に行ったら、返血する段階で皮下出血して、そこで即、中止になってしまいました(成分献血は、採血 → 遠心分離機で血漿を取り出し → 赤血球などを返血。を繰り返すのだが、その最初のサイクルで、返血が皮膚の下で漏れた)。肘の内側に赤紫のアザが広がっている以外、実害は無いのですが、献血の達成感が無いし、平謝りの看護師さんに、逆に申し訳ない。やはり、ツキが落ちているのか、看護師さんに負のオーラを浴びせてしまったのか…