大阪と東京に行くことが出来ました。
スケジュール | |
メンバー | |
2025年5月6日 | フェスティバルホール |
2025年5月11日 | NHKホール |
公演日 | 開演 | 会場 |
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2025年5月6日(火) | 18:00 | フェスティバルホール |
2024年5月8日(木) | 18:30 | 愛知県芸術劇場 大ホール |
2024年5月11日(日) | 17:30 | NHKホール |
童謡+ジャズ・スタンダードの合体曲の命名担当。共演を重ねるにつれ、矢野さんの無茶振りに対するいなし方が、上手くなっているように感じます。
会場は、大阪中之島、高級感溢れる佇まいと豊かな音響で高名なフェスティバルホール。キャパ 2,700席。客入れのBGMは、Pat Metheny Groupの「Speaking of Now」。舞台上は、例によって二台のピアノが向かい合わせに置かれている。向かって左は、矢野さんのSteinway。右が、上原さんのヤマハ CFX。ピアノの真上には鏡が吊されていて、観客はピアノを俯瞰する角度からも楽しむことができる。ただ、今回の私の席は前方右端。ここからだと、鏡にピアノは映らない。それどころか、矢野さんの姿が全く見えないポジションだ。しかし、上原さんの超高速指さばきを左斜め後方から見られる、嬉しいアングルでもある。
まずは、2017年版の「ラーメンたべたい」。このコンビで、3パターン、レコーディングされているが、私が一番好きな高速ヴァージョン。1曲目から、お二人とも飛ばしまくりだ。続いて、「Step Into Paradise」の1曲目「変わるし」。このまま、新アルバムの収録曲が続くのかと思いきや、童謡+ジャズ・スタンダードの合体曲の新作。「夏も近づく八十八夜」でお馴染みの「茶摘」とイングランド民謡「Greensleeves」で「Green Tea Sleeves」。因みに、「Greensleeves」は、2022年の上原さんのライヴで矢野さんが共演したときには、童謡「雪」と合体させた「こんこんスリーヴス」が披露されていた。いじり甲斐がある曲なのだろう。
「Just the Two of Us」の後半のピアノの熱量が凄いことになっていたが、さらに、"後先考えずに、矢野さんが再演を熱望した"という難曲「DREAMER」も凄まじいまでにドラマチックな展開だ。そして、お二人の初期の最大のヒット曲(?)「そこのアイロンに告ぐ」で、第1部終了。既にこの時点で、聴いてる方も、半端ない体力の消耗だ。
休憩後、上原さんのソロ「Spectrum」。超高速連打に唸り声と肘打ち。上原さん、フル・スロットルだ。一方、矢野さんのソロは、会場を巻き込んでの「いもむしごろごろ」。
矢野さんのソロ終了後、ツアーグッズのトートバッグを持って上原さん再登場。グッズ紹介の後は、宇宙の2曲。「ドラゴンはのぼる」から「Polaris」へのスムースな繋がりからのエモい展開。レコーディングの時も思ったが、実に素敵な組み合わせだ。
「Pendulum」は、矢野さんがスタンド・マイクで歌う。二人の馬鹿テク合戦のようなライヴの中で、静謐なひととき。この曲のパフォーマンスに、お二人の信頼関係が溢れているようだ。そして、「ラッパと娘」で盛り上がって、本編終了
アンコールは、替え玉のラーメン。2024年版の「ラーメンたべたい」。終盤、「あんたがたどこさ」のフレーズを織り込む遊び心も見せつつの演奏、2017年版のスピード感の代わりに、奥行きと味わいが深い。そして、オーラスは、このコンビ、中期のヒット曲「飛ばしていくよ」。私の席は、この曲での上原さんのスーパー超絶ピアノ演奏が、バッチリ見える角度。(矢野さんの演奏姿が全く見えないことはさておき)自分の座席運に、ガッツ・ポーズである。いやはや、凄かった。当然のスタンディング・オヴェイションで全編終了。
ということで、遠征の甲斐のある素晴らしいパフォーマンスに大満足だ。しかし、それと同時に、今回はツアー初日。まだまだ突き抜ける伸び代があるはず、という気もしているのである。
いよいよ最終日。さとがえるでもお馴染み、キャパ 3,601席のNHKホールは、3階まで満員だ。客入れのBGMは、Pat Metheny Groupの「Speaking of Now」。舞台上は、例によって二台のピアノが向かい合わせに置かれている。向かって左は、矢野さんのSteinway。右が、上原さんのヤマハ CFX。ピアノの真上には鏡が吊されていて、観客はピアノを俯瞰する角度からも楽しむことができる。今日の私の席は、やや左寄り。フェスティバルホールでは全く見えなかった矢野さんの姿が、鍵盤を弾く手元も含め、良く見える。上原さんの方の手元は見えないが、演奏中の表情が見えるのが楽しい。そして、ピアノの上に吊された鏡に、ちょうど上原さんの手元が映っている。中々好位置である(もっとも、鏡に映る鍵盤は、左右反転しているので、ちょっと感覚がおかしくなるが…)。
冒頭の曲順はフェスティバルホールと同じ。まずは、2017年版の「ラーメンたべたい」。私の大好きな高速ヴァージョン。もちろん、今回も、上原さんは1曲目から飛ばしまくりだ。矢野さんも、しっかり食らいついている。続いて、「Step Into Paradise」の1曲目、「変わるし」。上原さんの軽妙なブルーズのプレイが心地よい。そして、童謡+ジャズ・スタンダードの合体曲の新作。「夏も近づく八十八夜」でお馴染みの「茶摘」とイングランド民謡「Greensleeves」で「Green Tea Sleeves」(今回は、曲名紹介は無かった)。因みに、「Greensleeves」は、2022年の上原さんのライヴで矢野さんが共演したときには、童謡「雪」と合体させた「こんこんスリーヴス」が披露されていた。いじり甲斐がある曲なのだろう。それにしても、いきなり、全く違うタイプの曲を3曲つなげてくる、憎いセット・リストだ。
ここで、フェスティバルホールと曲順が変わる。矢野さんの歌唱の迫力が半端ない「ドラゴンはのぼる」から、スムースにつながり、エモく盛り上がる「Polaris」(ここでの、北極星を模した照明効果が秀逸!)。矢野さん曰く「宇宙組曲」。上原さんは、それを聞いて爆笑していたが、私を含め、多くの観客は、レコーディング・ライヴの時から、宇宙繋がりの素敵な2曲セットだと思っていたはずだ。そして、お二人の初期の最大のヒット曲(?)「そこのアイロンに告ぐ」。これまで以上にアバンギャルドに尖った演奏で、第1部終了。
休憩中、いつもなら、ヤマハのピアノに対して念入りな調律が行われるのだが、今回は、ライバル心に火が点いたのか、Steinway側も、しっかり調律していた。
そして、休憩後、上原さんのソロ「Spectrum」。唸り声を上げながらアクロバティックな超高速連打に肘打ち。途中に、Gershwinの「Summertime」や、Edvard Griegの「Peer Gynt〜 In the Hall of the Mountain King(山の魔王の宮殿にて)」のフレーズが顔を出したりしていたと思う。やはり、上原さん、フル・スロットルだ。
一方、矢野さんのソロは、会場を巻き込んでの「いもむしごろごろ」。ただ、フェスティバルホールと違って、会場とご一緒に歌うところで、大きな手拍子が起きてしまった(フェスティバルホールでは、起こり掛けた手拍子を、矢野さんが即座に制止したのだが…)。大会場に響く手拍子が、微妙にズレているようで、私には不快。恐らく、矢野さんも乗り切れなかっったのではないだろうか? フェスティバルホールほどの盛り上がりにならずに終わってしまったように感じたのは、残念。
矢野さんのソロ終了後、ツアーグッズのトートバッグを持って上原さん再登場。ツアー最終日に在庫を残してはいけないという使命感か、お二人とも、いつも以上にノリノリのショップ・チャンネルのコーナーだった。そして、フェスティバルホールと曲順が変わったので、演奏されなかったらどうしようと不安に思っていた「Just the Two of Us」と「DREAMER」。特に、お二人の共演作の中でもエモーショナルな盛り上がりではピカイチだと思っている「DREAMER」を、情感たっぷりに演奏してくれて、良かった。曲順は、今回の方がしっくりくるような感じもある。
「Pendulum」は、矢野さんがスタンド・マイクで歌う。二人の馬鹿テク合戦のようなライヴの中で、静謐なひととき。この曲のパフォーマンスに、お二人の信頼関係が溢れているようだ。
次が本編最後の「ラッパと娘」。その演奏前に、矢野さんが、レコーディング・ライヴの時に手拍子をした人の話を持ち出す。大会場での手拍子は、演者にとっては、自分が出している音と、時間差で返ってくる手拍子の音が重なって、とてもやりづらいのだと釘を刺してから、演奏開始。やはり、矢野さんも、先ほどの「いもむしごろごろ」で不完全燃焼感を持ったのだろうか。もちろん「ラッパと娘」は、(手拍子無しで)大いに盛り上がって、本編終了
ツアーTシャツに着替えてのアンコールは、替え玉のラーメン。2024年版の「ラーメンたべたい」。今日の演奏は、特にコクが深い。そして、オーラスは、このコンビ、中期のヒット曲「飛ばしていくよ」。とにかく、凄い。上原さんの超人的なピアノは鬼気迫る勢いだし、それに乗せられて、というか、それを乗りこなすかのような矢野さんのピアノ&歌唱も、とんでもない領域に突入している感じだ。これで、全編終了!心地よい疲労感に包まれたようなお二人を、満員のNHKホール、全員でスタンディング・オヴェイションである。
ツアー最終日。疲れが蓄積したのか、ごくたまに、矢野さんのタイミングが少しズレたような気がした箇所もあったのだが、それを上回る楽しさがお二人をドライヴし、結果、突き抜けた感のある、凄みすら感じるパフォーマンスだった。初日から仕上げてきた完成度の高いフェスティバルホールに対し、勢いが弾けたNHKホールという印象だ。アンコールでのMCで、矢野さんとの共演の感想を訊かれた上原さんは「まだまだ、やり足りない」と仰り、それを受けた矢野さんは「この共演は、時々、ここで死ぬんじゃないか、と思うこともあるのよ…」と仰っていた。が、最後には矢野さんも、今後の再共演に、ちょっと前向きになったような印象がある。是非とも、実現していただきたい!上原ひろみさんと一緒にやるときの矢野さんは、歌唱もピアノ演奏も、数段、ギアを上げている(上げざるを得ない?)印象なのだ!!
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