静岡、東京の3日間、そして、高崎の、計5日/8公演に行くことが出来ました。
誤りのご指摘、追加情報等あれば、送って頂けると助かります。
地区 | 公演日 | 開演 | 会場 |
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大阪 | 8月26日(火) | 17:30 / 20:30 | ビルボードライブ大阪 |
8月27日(水) | 17:30 / 20:30 | ||
静岡 | 8月29日(金) | 19:00 | 静岡コンベンションアーツセンター グランシップ 中ホール・大地 |
東京 | 8月31日(日) | 16:30 / 19:30 | ブルーノート東京 |
9月1日(月) | 18:00 / 20:30 | ||
9月3日(水) | 18:00 / 20:30 | ||
9月4日(木) | 18:00 / 20:30 | ||
群馬 | 9月6日(土) | 18:00 | 高崎芸術劇場 スタジオシアター |
ドラマーとして、ハードかつテクニカルなドラミングでトリオを支え、プロフェッショナルの画家としては、今年も手描きの団扇とスケッチブックを販売。さらに、「緑茶マスター」でもあり、美味しいお茶を淹れることもお得意とのこと。
1970年代から変わらぬ姿勢で矢野さんをサポートし続けるベーシスト。今年は、The Fab Faux(The Beatlesのトリビュート・バンド)のメンバーとしての一面も見せてくれました。
来年のレコードデビュー50周年を控え、ついにこのトリオで、ホール公演も実現。さらには、40年以上前のYMOワールドツアーでメロディーを弾かせてもらえなかった鬱憤も、しっかり晴らしていました。
今年のトリオは、クラブ公演以外に、静岡と群馬でホール公演もある。その静岡に出かけてきた。果たして、クラブ公演とは違うのか?
会場の静岡コンベンションアーツセンター グランシップは、東静岡駅(新幹線 静岡駅から東海道線で1駅)から徒歩5分。中ホール・大地は、キャパ 951席。初めて訪れたが、綺麗で、音響も良いホールだ。ロビーには、ブルーノート東京よりも大幅に広い物販スペースがあり、ツアーグッズの他に、Will氏とChris氏のCD、そして、Chris氏手描きのスケッチブックや団扇も売られている。客入れの音楽は、先日の八ヶ岳高原音楽堂と同じ、Kraftwerkの"Trans-Europa Express"。
ステージは、いつも通り、向かって左から、矢野さん、Will氏、Chris氏。矢野さんの使用楽器は、SteinwayとKORG KRONOS。
「CHILDREN IN THE SUMMER」で演奏開始。クラブとは違う、バランスが取れたクリアな音響。やはり、ホールだと、「熱狂する」と言うより、「鑑賞する」という雰囲気になるなと、一瞬、思ったが、2曲目の「ごはんができたよ」、マレットとブラシを駆使するChris氏、キーボードとピアノを両手弾きしながら歌う矢野さん、そして、ノリノリに跳ねるWill氏。この超絶技巧のせめぎ合いには、やはり熱狂せざるを得ない。
最初のMCでのメンバー紹介では、昨年のブルーノート東京で、裏方なのに目立ちまくっていたヒロ・イイダ氏も、しっかり紹介される。そして、「David」。お馴染みの完成度の高い楽曲だが、今回は、間奏のWill氏の抒情的なベースが聴かせる。
曲の背景を説明してから、「Three Rockets」の演奏。ヒロ・イイダ氏も含めた4人のコンビネーションがバッチリ。さびの「ソユーズ」が癖になるのだ。そして、お馴染み、演奏のラストに入るロケット発射音のSEに、見送る小芝居をする皆さん。Will氏は、そのまま小芝居を続け、「怪獣大戦争」になだれ込む! 熱い!! 昨年は、このお約束の展開が無くて寂しかったのだ。2年ぶりのゴジラとモスラの大暴れを堪能。
怪獣の後は、久しぶりの「All The Bones Are White」。Will氏の抒情的なベースとハーモニカ。矢野さんの迫力の歌唱。(タイトルの’”Bones”に掛けている訳じゃないが)骨太の名曲だ。続いては、Will氏がリード・ヴォーカルを務めるコーナー。「"Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band"の曲を演って良いかい?」と言って始めたのは「She's Leaving Home」
2人がはけて、矢野さんのソロで「PRAYER」。先日の八ヶ岳高原音楽堂に比べ、ググッと仕上げてきた感じの歌唱だ。そして、2人が戻り、ファンキーなリズムを刻み始める。矢野さんはスタンディング・マイクで「相合傘」。間奏では鍵盤ハーモニカ(NYで観た松居慶子さんのライヴで使われているのを観て、自分でも、と思ったとのこと)も披露。Will氏がホイッスルで盛り上げる中、ピアノの前に戻り、演奏を続ける。これは、新しくて楽しいアレンジだ!
本編ラストは、大曲2つ。まずは「千のナイフ」。もう、このトリオの定番曲と言って良い完成度。3人とも、キレキレのソロを繰り出し合うが、特にChris氏のドラムスが圧巻。そして、YMOつながりで「TONG POO」。昨年のさとがえると同じ並びだが、The YANOAKIKOの演奏とはテイストが違う、AKIKO YANO TRIOのゴリゴリの迫力、凄まじい。
アンコール は、「ひとつだけ」と「ラーメンたべたい」の鉄板曲。アレンジ自体は、比較的、正統派だが、ここまでで十分に温まっているだけに、熱く、勢いのある演奏。これで、全編終了
19時開演で、終わったのが20時40分頃。クラブ公演よりも30分ほど長く、バラエティに富んだセットリストだった。ブルーノート東京では何曲か削られることになると思うので、静岡まで出かけて大正解だ。と言うか、初期のさとがえるが、ホール公演の他に、渋谷CLUB QUATTROでの白熱のギグも行っていたように、このトリオも、クラブとホールの両建てを継続してくれると嬉しいなと、わがままな事を考えてしまった。
東京での「矢野顕子トリオ 納涼祭り」初日。ここでも、客入れの音楽に、Kraftwerkの"Trans-Europa Express"が使われている。今年のスペシャル・メニューは「おいしいもん蒸し」、デザートに「栗のシュープリーズ 第二章」、そして、カクテルは「昼も夜も、君に会いたいっ。」。今回は、栗のシュープリーズ 第二章をいただいたが、見た目の可愛さ、ナイフを入れた時のインパクト、そして、味。どれも、お見事!
ステージは、いつも通り、向かって左から、矢野さん、Will氏、Chris氏。矢野さんの使用楽器は、C. BechsteinとKORG KRONOS。私は、ステージ向かって右、Chris氏に近い席。
「ごはんができたよ」で演奏開始。ホールとは違う、音圧、密度 & 客席との一体感。やはり、このトリオは、クラブ公演が似合うと思う。と言うか、クラブならではの凝縮感は、正義だ。
「Three Rockets」(今回の来日で録音されている新アルバムに収録されるようだ)の演奏のラスト、例によって、ロケットを見送る小芝居をするWill氏と矢野さん。しかし、静岡と違い、ここで最初のMC(飯田ヒロ氏も、しっかり紹介される)。あ、今回は無いのかもと一瞬思ったが、矢野さんが喋り終わったところで、Will氏が小芝居を再開。で、2年ぶりにゴジラとモスラがブルーノートに襲来! やはり、 熱い!! 演奏のラスト、矢野さんがちょっとバタバタしたようにも見えたが、巧みにサポートするWill氏が男前だ。
怪獣の後は、久しぶりの「All The Bones Are White」。矢野さんの迫力の歌唱とWill氏のハーモニカが泣かせる。(タイトルの’”Bones”に掛けている訳じゃないが)骨太の名曲だ。
昨夜は、Will, Chris & ヒロで、六本木のクラブ ”ABBEY ROAD”に行ったというWill氏がリード・ヴォーカルで、「She's Leaving Home」。静岡の時よりも、グッと声が出ていると感じた。(静岡では、ここで矢野さんのソロ弾き語りがあったが、それは割愛)Will氏とChris氏が刻むファンキーなリズムに乗って、スタンディング・マイクの矢野さんが「相合傘」。間奏では鍵盤ハーモニカも披露。Will氏がホイッスルで盛り上げる中、ピアノの前に戻り、演奏を続ける、新しくて楽しいアレンジ。
グッズ紹介の後、本編ラストは、大曲2つ。静岡では「千のナイフ」だったが、今回は「ライディーン」。大迫力の演奏。つくづく、凄い3人だ。終盤、Will氏が前に出てきてベース・ソロ、それを受けて、Chris氏、矢野さんとつなぎ、最後は、美しいピアノ・ソロで終わる見事なアレンジ。ラストのピアノの響きは、高橋幸宏氏に捧げたようにも聞こえる(超個人的には、Rick Wakemanに似た響きも感じてしまった)。そこから間髪入れずに「TONG POO」。これで、ラストの3曲は、細野さん、ユキヒロ、教授の作品が並んだことになる。YMOのワールドツアーの時には、メロディーを弾かせてもらえなかった矢野さんの逆襲か? とにかく嬉しいラインアップだ。
アンコール は、「ひとつだけ」。そして、ラーメンではなく「YES-YES-YES」。これは嬉しい。Will氏のコーラスが効果的なこのトリオでの演奏が大好きなのだ。ラストに向けて白熱の度合いがどんどん上がり、矢野さんのエレピのソロも凄いことになって、これで、1st Set、終了。ホール公演よりも曲数は少ないが、その分、引き締まった、ストロング・スタイルのパフォーマンスを堪能。(以下、後日追記)なお、その後の公演では、アンコール2曲目は「ラーメンたべたい」に統一されたため、これはレアな機会だった。大いに得した気分だ。
興奮も冷めやらぬまま、2nd Set。今度は、ステージに向かって左。矢野さん側の席だ。本編のセットリストは1stと同じで進むが、やはり、3人とも、パフォーマンスの熱量が高まっていると思う。特に、「怪獣大戦争」でのWill氏の弾けっぷり、「相合傘」での矢野さんのスキャットのノリノリっぷりが楽しい。
アンコール。安定の「ひとつだけ」(Will氏の工夫を凝らしたベースが聴き応え有り)に続いては、静岡と同じく「ラーメンたべたい」。今日のラーメンは、激アツだ。ヒロ・イイダ氏が仕込んだ、オリジナル・アレンジに近いトラックを飲み込んで、グイグイ熱さを増していく演奏、凄かった。これで、全編終了。
ホールの良さ、クラブの良さ、それぞれあるなぁと思いつつ、やはり、クラブの熱さは堪えられないと、再確認したのである。
1st Show & 2nd Show 共通(8月31日の2nd Showと同じ)
トリオとしては、日・月公演の後、1日の休みを挟んで、東京の3日目(私は、月曜は都合が付かず)。
例によって、客入れの音楽は、Kraftwerkの"Trans-Europa Express"。今年のスペシャル・メニュー の「おいしいもん蒸し」、デザートの「栗のシュープリーズ 第二章」、カクテルの「昼も夜も、君に会いたいっ。」のうち、今回は、おいしいもん蒸しをいただく。美味し。
ステージは、いつも通り、向かって左から、矢野さん、Will氏、Chris氏。矢野さんの使用楽器は、C. BechsteinとKORG KRONOS。私は、ステージ向かって、やや右、Will氏に近い席。
「ごはんができたよ」で演奏開始。ライヴの終盤に演奏されることが多い曲だが、マレットとブラシを駆使するChris氏、キーボードとピアノを両手弾きしながら歌う矢野さん、そして、ノリノリに跳ねるWill氏、冒頭からテンションが上がる。続く「Three Rockets」では、ヒロ・イイダ氏のトラックも効果的に使われる。それにしても、この曲のサビ、好きだなぁ。で、ラストは、例によって、ロケットを見送る小芝居をするWill氏と矢野さん。
ここで最初のMC。メンバー紹介があるのだが、今年から紹介されるメンバーに入ったはずのヒロ・イイダ氏を忘れ、次に進もうとする矢野さん。咳き込む振りをして、気づかせようとするChris氏とWill氏。今日は、この後も、Chris, Will & Hiroの仲良しトリオっぷりが微笑ましいシーンが多数。
いつも以上に強引なWill氏の小芝居からの、怪獣大戦争。やはり、 熱い!そして、じっくり聴かせる「All The Bones Are White」。Will氏の叙情性が曲全体を引き立たせる。この振り幅が凄くて楽しい。
Will氏のリード・ヴォーカルで、「She's Leaving Home」。彼のThe Beatles愛がクラブ中に溢れたところで、またまた雰囲気は一転、ファンキーなリズムに乗って、スタンディング・マイクの矢野さんが「相合傘」。間奏の鍵盤ハーモニカも効果的なフレーズを奏で、スキャットで弾け、そして、ピアノの前に戻って見事なタイミングで演奏を続ける。見応え、聴き応えのある、楽しいパフォーマンス。
ここで、グッズ紹介のはずなのだが、またもや忘れてしまいそうになる矢野さん。グッズの扇子をあおいでアピールする3人組。というドタバタの後、Chris氏とWill氏のリーダー・アルバムもあるので、是非、会場で購入を、と矢野さん。「アマゾンだと、利益の30%をアマゾンが中抜きするし、Spotifyの印税なんか、蝉のおしっこぐらい少ない」とのこと…
いよいよ、本編ラストの大曲2つ。まず、「ライディーン」。大迫力の演奏。終盤、Will氏が前に出てきてベース・ソロ、それを受けて、Chris氏、矢野さんとつなぐところの熱さたるや! ヒロ氏のトラックも、控え目ながら、実に効果的。本家の演奏をリスペクトしつつ、完璧にこのトリオの音楽にしている。そして、最後の美しいピアノ・ソロ(ここで、どうしても私はRick Wakeman味を感じてしまう)から、間髪入れずに「TONG POO」。細野さん、ユキヒロ、教授の作品が並ぶのは、やはり大興奮。
アンコール は、「ひとつだけ」と「ラーメンたべたい」の鉄板の組み合わせ。個人的には、日曜日の1stセットで披露した「YES-YES-YES」が大好きなので、ちょっと残念。もちろん、「オーエス オーエス」収録のオリジナル音源に寄せたような音色とアレンジ、そして、終盤の激アツのセッションも、物凄いのだが。これで、1st Set、終了。
2nd Set。私の席は、1stから1つズレただけで、今回もWill氏が良く見える。私はこれで、クラブ公演4ステージ目なので、セットリストにはすっかり馴染んだが、つくづく、隙の無い、見事な構成になっていると思う。そして、1stを凌駕する熱演。「怪獣大戦争」などでメチャクチャ弾けているように見せている3人だが、皆、ステージ毎・曲毎に、色々と工夫していることに感心する。
アンコールは、やはり、「ひとつだけ」&「ラーメンたべたい」の組み合わせ。「YES-YES-YES」の需要は少ないのか…、と軽くガッカリもしたが、結局はラーメンの熱さに、納得&大満足だ。これで、全編終了。
1st Show & 2nd Showともに、 9月3日と同じ。
ブルーノート最終日。雨交じりの天気だが、久しぶりに最高気温が30度を切った(去年も、最終日は雨で気温が下がったな)。
例によって、客入れの音楽は、Kraftwerkの"Trans-Europa Express"。今年のスペシャル・メニュー の「おいしいもん蒸し」、デザートの「栗のシュープリーズ 第二章」、カクテルの「昼も夜も、君に会いたいっ。」のうち、1stではおいしいもん蒸し、2ndでは栗のデザートをいただいた。どちらも極めて美味しいし、お安い(矢野さんのNY基準の物価から見れば…)。
ステージは、いつも通り、向かって左から、矢野さん、Will氏、Chris氏。矢野さんの使用楽器は、C. BechsteinとKORG KRONOS。私は、1stでは、ステージ向かって左。矢野さん側。なお、今日は、撮影用のカメラが入っている。
「ごはんができたよ」で演奏開始。今回も、マレットとブラシを駆使するChris氏、キーボードとピアノを両手弾きしながら歌う矢野さん、そして、ノリノリに跳ねるWill氏、冒頭からテンションが上がる。カメラが入ったのを意識したのか、あるいは、最終日で気合いが入っているのか、はたまた、(後のMCで語っていたが)矢野さんの高校の同級生が観に来ていて緊張したからなのか、矢野さんのライヴでありがちな歌詞が怪しくなるところが無く、極めて明瞭な歌唱が印象的だ(この明瞭な歌唱は、この後も続く)。2曲目「Three Rockets」で、Chris氏がヘッドホンを装着。ということは、ヒロ・イイダ氏の出番。私の席からは、ノリノリで機材を操作する彼の姿がバッチリ見えて、これもまた、テンションが上がる。やはり、この曲のサビ、特に「ソユーズ」の所、私は大好物だ。ラストは、例によって、ロケットを見送る小芝居をするWill氏と矢野さん。
ここで最初のMC。昨日のようなドタバタもなく、スムースに進むのは、これも、カメラの効果か?で、Will氏の小芝居からの、怪獣大戦争。やはり、夏のブルーノートには、ゴジラとモスラの襲来がMUSTだ! 超絶熱い演奏の後は、一転、Will氏の叙情的なプレイと矢野さんの熱唱でじっくり聴かせる「All The Bones Are White」。(タイトルの’”Bones”に掛けている訳じゃないが)骨太の名曲だ。
Will氏のリード・ヴォーカルで、「She's Leaving Home」。彼のThe Beatles愛がクラブ中に溢れたところで、またまた雰囲気は一転、Will氏とChris氏が刻むファンキーなリズムに乗って、スタンディング・マイクの矢野さんが「相合傘」。見応え、聴き応えのある、楽しいパフォーマンス。
グッズ紹介の後、いよいよ、本編ラストの大曲2つ。まず、「ライディーン」。本家の演奏をリスペクトしつつ、完璧にこのトリオの音楽にしている3人の演奏技量が素晴らしく、それを 効果的に支えるヒロ氏のトラックも見事。そこから間髪入れずに「TONG POO」。この細野さん、ユキヒロ、教授の作品が並ぶラスト3曲、つくづく良いなぁ。
アンコール は、「ひとつだけ」と「ラーメンたべたい」の鉄板の組み合わせ。これで、1st Set、終了。
2nd Setも、私の席は矢野さん側。ブルーノート東京の最後のステージだけに、客席にも熱気がみなぎっている。
そして始まったステージは、どの演奏もクオリティ高し。特に、毎回、色々工夫してくる怪獣大戦争でのWill氏のベース、今回の、好きだなぁ
と、見事なパファオーマンスが続くが、終盤の「相合傘」で、矢野さんのギアが一段上がったと感じた。ここからは、「見事」を突き抜けて「圧巻」へ。「ライディーン」も「TONG POO」も、トラックを使った、つまり、クリックに合わせた演奏のはずなのに、とにかく奔放で熱い。
アンコール。「ひとつだけ」では、アイディアに溢れたWill氏のベースが楽しい。そして、締めの「ラーメンたべたい」の終盤の激アツっぷりに、ただただ圧倒されて、全編終了。毎年、「今年は凄い」、「今年こそ凄い」と言い続けている気もするブルーノート東京でのトリオ公演だが、やっぱり「今年が最強に凄い」と言いたくなってしまうのだ。
なお、ステージから去るヒロ・イイダ氏が着ているTシャツに、「テクノ」の文字と「鍵盤を持ったゴジラの絵」が描かれているのを見て、ついニヤニヤしてしまった。
いよいよツアー最終日。会場は、高崎駅から徒歩5分ほど。複数のホールが入ったとても立派で綺麗な劇場だ。その中で、中ホールにあたるスタジオシアターは、可動式の座席になっていて、今回は568席のセッティング。
ここでも、客入れの音楽は、Kraftwerkの"Trans-Europa Express"。観客席だけでなく、手洗いの中にも流されていた。ステージは、いつも通り、向かって左から、矢野さん、Will氏、Chris氏。矢野さんの使用楽器は、SteinwayとKORG KRONOS。ステージの背景には、クラブと同じ、"Blue Note Tokyo"のロゴが掲げられている。私の席は、ほぼセンター。最後に、とてもバランスの良い席で嬉しい。
「CHILDREN IN THE SUMMER」で演奏開始。途中、ガッツリ、ジャズ・トリオらしい間奏を挟むところがお洒落。そして、クラブとは違う、安心・安定のホールの音響だ。続いて、クラブ公演での1曲目「ごはんができたよ」。MC / メンバー紹介(ヒロ・イイダ氏も含む)を挟んで、「David」。静岡と同じ流れだが、ホール公演では緩急を付けて、クラブ・パフォーマンスでは勢い重視で、という組み立てなのだろう。
「Three Rockets」の演奏後、この曲の背景と、来年発売予定のアルバムに収録されること、そして、正式名称に"inspired by 野口ファミリー"が付くということが語られる。そこから、恒例、Will氏の小芝居から始まる「怪獣大戦争」。ホールで聴いても、この勢いと熱さに大興奮。因みに、前日は、Will氏とChris氏にディナーに招待された矢野さん。そこで2人から大量のゴジラ・グッズをプレゼントされたという微笑ましいエピソードも披露。
続いて、静かな力強さに満ちた「All The Bones Are White」。しみじみと良い曲だ。ただ、曲の最後、遠ざかる列車の音を、Chris氏のブラシさばきと、Will氏のハーモニカで聴かせるのだが、実際にマイクから遠ざかりながら演奏するWill氏の姿に(極一部ではあるが)笑い声が起きるのが、私には理解できない。実に効果的な演奏なのに…。
Will氏がリード・ヴォーカルで、The Beatlesの「She's Leaving Home」。矢野さんのソロで「PRAYER」。そして、矢野さんがスタンディング・マイクで歌う「相合傘」。クラブ公演では割愛されるソロ演奏が入ることで、このパートは、ぐっと彩りが豊かになっていると思う。
グッズ紹介の後、いよいよ佳境。今回は、「TONG POO」が先で、本編最後は「千のナイフ」。YMOナンバーの演奏は、クラブでは「ライディーン」、ホールでは「千のナイフ」となった訳だが、勢い溢れる「ライディーン」と、厚みのある聴き所たっぷりの「千のナイフ」を使い分けたということだろうか? いずれにしても、クリックに合わせた演奏とは思えない、3人の奔放なプレイの応酬が熱いし、ヒロ氏のトラックが実に良いスパイスになっている。「千のナイフ」終盤の矢野さんのスキャットに込められた熱量たるや!!
アンコール は、「ひとつだけ」と「ラーメンたべたい」の鉄板曲で、最初から最後まで、極めて高いクオリティのパフォーマンス、全編終了。
18時開演で、終わったのが19時40分過ぎ。最終日にふさわしい、充実した演奏を、クラブよりも多い曲数で堪能。これで、2025年の矢野顕子トリオ 納涼祭りは終了。ありがとうございました! それにしても、3人(&ヒロ氏)が、毎年、自己記録を塗り替えるが如く、進化し続けるのは驚異的だ。気が早いが、来夏が楽しみで仕方ないのである。
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