矢野顕子 リサイタル2025〜ピアノ弾き語り〜


2本とも、行くことが出来ました。
誤りのご指摘や追加情報等あれば、送っていただけると助かります。

*8月14日、15日の八ヶ岳高原音楽堂公演は、(「リサイタル」名義では無いため別ページに記載しています。


button スケジュール

公演日会場
12月17日(水)神奈川県立音楽堂
12月19日(金)日経ホール

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button 12月17日(水)/ 矢野顕子リサイタル in 音楽堂 2025 @ 神奈川県立音楽堂

buttonセットリスト

  1. BAKABON
  2. ひとりぼっちはやめた
  3. 夕焼けのなかに
  4. 横顔
  5. たいようのおなら
  6. 潮騒のメモリー(天野春子(小泉今日子) / 連続テレビ小説「あまちゃん」劇中歌
  7. PRAYER
  8. 透き通る世界
  9. 生きものたちへ
  10. Green Tea Farm
  11. いい日旅立ち
  12. ひとつだけ
アンコール
  1. ごはんができたよ
  2. ラーメンたべたい

buttonレポート

年末恒例の神奈川公演。長年(23回!)続いた鎌倉芸術館ではなく、今年は神奈川県立音楽堂。15年前の 矢野顕子2010「ここが音楽堂!」弾き語りツアー以来だ。

このホールは、1954年に開館。ロンドンのロイヤル・フェスティバル・ホールをモデルに、前川國男が設計。開館当時は「東洋一の響き」と言われていたそうで、2021年に神奈川県指定重要文化財(建造物)に指定されている。キャパ 1,106人。座席の狭さに時代を感じる。

ピアノはSteinway。客入れの音楽は、今年のさとがえるの休憩中に流れていたのと同じ、John Leventhalの曲(”That's All I Know About Arkansas”が聞き取れたので、アルバム”Rumble Strip”かな)。

開演。1曲目「BAKABON」。ホールの素直な響きに、15年ぶりに驚く。そして、2曲目「ひとりぼっちはやめた」。ピアノの音の端正さも良いが、とにかく、ヴォーカルの響きが美しいことに改めて感嘆。ということで、ここからも、ホールの素直で美しい音響と矢野さんの好調な歌唱&ピアノが見事な相乗効果を発揮するパフォーマンスが続く。

一方、ピアノをつま弾きながらのMCもたっぷり。今年は、ソロ公演の本数が少ないので、こういう自由でリラックスした雰囲気を、矢野さんも楽しんでいるのだろうか。「仕事論」から、「『矢野顕子、小田和正を歌う』というアルバムを作りたいなー」、そして「朝ドラ」と、話が次々と脱線していくのが、聞いているこちらも楽しい。そうしたMCを挟みながらの、久々の「たいようのおなら」や、「潮騒のメモリー」。名演奏だ。そして、ホールの音響の良さが最大限の効果を発揮していたと思う「PRAYER」の美しさに痺れる。

終盤2曲は、ここで収録されたアルバム「音楽堂」のラスト2曲(録音した当時と、ピアノは代替わりしているそうだ)。特に「いい日旅立ち」の弾けっぷりが見事。そして、「ひとつだけ」で本編終了。

アンコールは、炭水化物セット。「ごはん」から、シームレスに「ラーメン」につなげ、最後でまた「ごはん」に戻る、血糖値を上げるべく工夫されたアレンジ。これで全編終了。

正直、今年の年末は鎌倉芸術館ではないと知った時には、少々、がっかりしたのだが、それは、全くの杞憂だった。ピアノもヴォーカルも本当に美しく響く音響の素晴らしさ。矢野さんのリラックスした雰囲気と、クオリティの高いパフォーマンス、そして、ちょっとマニアックな選曲。鎌倉芸術館ならではの良さと思っていたものが、全て、超高いレベルで、神奈川県立音楽堂にも詰まっていた。大満足の年末である。

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button 12月19日(金)/ 大手町座第39回 矢野顕子リサイタル2025 〜ピアノ弾き語り〜

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  1. SUPER FOLK SONG
  2. Home Sweet Home
  3. しようよ
  4. 昨日はもう
  5. Nothing In Tow
  6. ニューヨーク・コンフィデンシャル
  7. わたしのバス(Version 2)
  8. 生きものたちへ
  9. ごはんができたよ
  10. Rydeen
  11. ひとつだけ
アンコール
  1. いい日旅立ち
  2. ラーメンたべたい

buttonレポート

東京のビジネス街の中枢「大手町」でエンタテインメントを届けるというコンセプトで、日本経済新聞社が主催する「大手町座シリーズ」。5年連続で矢野さんのリサイタル開催である。会場の日経ホールは、大手町・日経ビルの3〜5階に位置し、キャパは 610席。客席に背面収納型の机と手元ライトが装備されていて、講演会やシンポジウムにも対応。一方で、クラシック系のコンサートにも対応できる音響を備えているという、日本経済新聞社らしいホールである。

ピアノはSteinway。客入れの音楽は、John Leventhalの曲(アルバム”Rumble Strip”と思われる)。私の席は、前後左右、ほぼ中央。客席の傾斜が良い案配で、視界良好かつ、音のバランスも良いポジションだ。

「SUPER FOLK SONG」で開演。通常よりも、かなり、ゆったりしたテンポの演奏だ。歌唱の方は、歌詞をしっかり届けようという意思が感じられる。その傾向は、2曲目「Home Sweet Home」でも同じ。コアなファン以外も多く訪れるであろう日経ホールを意識した、丁寧なパフォーマンスという印象だ。

しかし、5年連続となると、もはや、矢野さんのホームグラウンド。どんどん、自由度が増してくる。特に、(最初の2曲も嬉しかったが)ここからの選曲が渋い。”急にやりたくなった”ということでSMAPのカヴァー「しようよ」。作詞の石川セリさんのことも話されてから「昨日はもう」。演奏後に歌詞の背景説明付きの「Nothing In Tow」。安井かずみさん・加藤和彦さんコンビの「ニューヨーク・コンフィデンシャル」。今年のさとがえるで演奏されず残念に思っていた「わたしのバス(Version 2)」。演奏される機会が少ないものも多いが、もろに、私の偏愛する曲ばかりだ。

「生きものたちへ」〜「ごはんができたよ」で、安定の鉄板曲モードで終盤か、と思ったのだが、次の曲、ピアノをポロポロつま弾いている感じから、耳馴染みのあるフレーズが浮かび上がってくる。ピアノ・ソロでの「Rydeen」! 出だしのかなり崩した演奏から、グイグイ盛り上がっていく。ブルーノート東京では、ヒロ・イイダ氏が仕込んでいたトラックのあたりも、1人力で再現。超絶カッコ良いピアノ・アレンジだ。いやはや、凄いものを聴くことが出来た。そして、本編ラストは「ひとつだけ」

アンコール。”みんな、知っている曲だから一緒に歌って”と呼びかけ(岡崎体育氏が、ライヴでの新曲初披露なのに「皆も一緒に歌って!」と呼びかけることを、ご自分もやってみたいそうだ)、演奏し始めたのは、矢野版「いい日旅立ち」…。そりゃムリだ…。もちろん、矢野さんも、皆が歌うことなど想定せずの、弾けた熱演。そして、いつもより低音を強調した「ラーメンたべたい」で全編終了。とても良いライヴだった!

これで、2025年の(公式の)ライヴは終了。今年は、ソロ公演が少ないなと思っていたのだが、最後に音楽堂と日経ホール、大充実のパフォーマンスが続き、不満は一掃された。年末の風物詩として、バンド公演のさとがえると共に定着してきた神奈川と日経ホールでの弾き語り公演。リラックスした雰囲気と自由度の高さが共通しつつ、お馴染みさんへの信頼感を感じる神奈川、一見さんも引き込もうという意思を感じる日経ホール、というのが私が受ける印象だ。どちらも素晴らしい。今年もありがとうございました!(この後、クローズドなイヴェントは予定されているが、私は参加出来ない。が、これで悔い無し)。

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