IN/OUT (2019.12.29)

2019年、終盤は、何やかんやでドタバタと忙しいことになってしまいました。


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「上原ひろみ JAPAN TOUR 2019 "SPECTRUM"」 @ すみだトリフォニーホール19.12.26

東京公演のチケット争奪戦にことごとく敗退し、大阪 ザ・シンフォニーホール岡山市民会館 まで観にいった「上原ひろみ JAPAN TOUR 2019 "SPECTRUM"」 だが、すみだトリフォニーホールでの追加公演が決定。ついに私もチケット取得に成功。結果的に、Japan Tourの最終公演を観ることができた。もっとも、ゲットできた席は三階の後方。かなり高くて遠い座席ではある。

セットリストは、これまでと同様。"Kaleidoscope"から演奏開始。曲名に合わせて、万華鏡のような照明が、舞台奥のパイプオルガンに反射して美しい。演奏も、流石、最終公演はノリが違うと思っていたが、その後が、想像を遙かに超える凄さに展開していくことになる。2曲目”Yellow Wurlitzer Blues”で、遊び心たっぷりのアドリブを延々と繰り出してくる楽しすぎる演奏に喝采。同時に、そのあまりにも強靱な指の筋力に驚嘆する。

MCでは、Japan Tourに帯同してくれた調律師、米澤裕而氏への感謝をたっぷりと語る。アルバム”SPECTRUM”の録音でも調律を担当しており、アルバムと同じ調律師を擁したライヴを観られるのはJapan Tourだけの特典とのこと。また、すみだトリフォニーホールのような良い音響のホールは、「音が観客席に向かって、ポーンと弧を描いて飛んでいく」と表現されていたのも印象的だ。

そこからも、大阪・岡山とは、また一味違う演奏が続く。第一部最後の”SPECTRUM”は、今日は特にロックっぽいと感じるカッコ良さだ(因みに、今回のツアーの客入れ時の音楽は、The Whoの曲だった)。

第二部の二曲目が、今回のツアーのセットリストで、唯一、アルバム”SPECTRUM”以外からの曲を演奏することになっていて、曲は、会場毎に変えている。今回は、矢野顕子との共演でもお馴染み”Green Tea Farm”。これは、嬉しい。もちろん、矢野顕子と一緒に演る時とは全く違うアレンジだが、自由奔放なピアノの奔流の中に、馴染みのメロディーが顔を出す瞬間が鳥肌モノだった。

そして、本編ラストの"Rhapsody in Various Shades of Blue"。30分近い大熱演。どの会場でも、大いに盛り上がる演目だが、今回は特に、終盤の怒濤の迫力に圧倒され、聴き終えた時には、ボコボコに打ちのめされた感覚すら覚える、とにかく凄い演奏だった(因みに、翌日、発熱してしまったのだが、仕事の疲労では無く、これが原因だったのかも)。当然のスタンディング・オベイション。ただ、悲しいかな、3階席は意外に冷静に聞いている人も多いようで、立ち上がっている人は多くない。願わくば、1階席で、一体感を感じたかった…

アンコール。ツアーTシャツに着替え、全力疾走で舞台に登場。”Sepia Effect”で、しっとり締めて、全編終了。いやはや、大阪、岡山の感動を超える衝撃だった。チケットをゲットできて、本当に良かった。


2019年を振り返る19.12.29

まず、印象に残った映画から。
新旧大河シリーズ、それぞれの完結編
"Avengers: Endgame"
"Star Wars: Episode IX - The Rise of Skywalker"
が公開された記念すべき年だった。どちらも、コアなファンが多いだけに賛否両論はあろうが、見事に着地させた製作陣の手腕には感服する。中でも、一貫した制作ポリシーを貫きつつ、商業主義的な成功と両立させた"Avengers"は、凄いと思う。

インド映画の上映回数が増えて来たのも嬉しい傾向だ。そんな中で、
"Petta"
”Andhadhun”
前者は、Rajni兄貴のカッコ良さが炸裂。後者は、新しいタイプのインドの娯楽映画。どちらも見応えがあった。

映画鑑賞を超えた体験として
"Bohemian Rhapsody" ライブスタイル上映@立川シネマシティ
The Best of Italian Rock Vol.9 Claudio Simonetti's Goblin" @ CLUB CITTA'
この他にも、映画に生オーケストラを組み合わせる趣向の上映会には何度か足を運んだが、正直、商業主義が前面に出たイベントが多かったと思う。そんな中、上記2本は、映画愛の熱量が高かった。

他に印象深かったのは、
"Suspiria" Dario Argento版
"Suspiria" Luca Guadagnino版
"Spider-Man: Into the Spider-Verse"
"Beside Bowie: The Mick Ronson Story"
"Godzilla: King of the Monsters"
"Happy Death Day"
"Once Upon a Time... in Hollywood "


ライヴでは、
"YES - CELEBRATING 50 YEARS OF YES, Tokyo 3 days"@東京ドームシティホール
「上原ひろみ JAPAN TOUR 2019 "SPECTRUM"」 @ すみだトリフォニーホール
の2本が圧巻だった。

他に
「Yellow Magic Chidren 40年後のYMOの遺伝子」@新宿文化センター
「KRAFTWERK 3-D Concert」@Bunkamuraオーチャードホール
"The Final Tour Ever KISS The End of The Road World Tour" @ 東京ドーム
なども印象深い。

王道派の美術展には、ほとんど行けなかったのだが、
「シド・ミード展 未来のリハーサル」@ アーツ千代田3331
「information or inspiration? 左脳と右脳でたのしむ日本の美」 @ サントリー美術館
「富野由悠季の世界」@ 兵庫県立美術館
と、変化球気味の展覧会に見応えのある物が多かった。


そして、2019年は、新作の発表こそ無かったものの、矢野顕子の活動は「EAST MEETS WEST 2019」@東京国際フォーラム ホールCAKIKO YANO TRIOによるブルーノート東京公演さとがえるコンサート八ヶ岳高原音楽堂でのソロ鎌倉芸術館でのソロ、塩谷哲のイベントに出演した"Saltish Night vol.23" @ 中野サンプラザ など、良質のライヴが多く、それを追っかけることが出来て幸せだった。

ということで、今年も、中々良い年だったな。



来年も、ドタバタはしばらく収まらないような気もしますが、とりあえずは年末年始休暇に突入です。