IN/OUT (2019.12.8)

毎年恒例、冬の矢野顕子強化月間です。この時期に、さとがえるコンサートが開催されるようになって、23年経ちました。


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"U2 The Joshua Tree Tour 2019" @ さいたまスーパーアリーナ19.12.4

U2の来日公演を観に、さいたまスーパーアリーナに行ってきた。

今回のツアーは、1987年の傑作アルバム"The Joshua Tree"の再現を目玉に2017年に行われたツアーをバージョンアップして、ニュージーランド、オーストラリア、シンガポール、韓国、そして日本で行うというものだ。来日公演は13年ぶりである。

私にとってU2は、白い旗をステージで振っていた初期の印象が強い。一番好きなアルバムは1983年の"War"だ。しかし、その後、U2は世界有数のセールスと観客動員数を誇るモンスター・バンドに成長。そのターニング・ポイントとなったのが、"The Joshua Tree"だと思う。ただ、個人的には、それ以降のU2の活動に対しては、巨大商業ロックというネガティヴな印象を持つと同時に、Bonoの意識高い系言動が鼻について、やや距離を置いてきたのが正直な所である。

開演前。ステージ横のスクリーンに「詩」の字幕が延々表示されている。英語だけでなく、萩原朔太郎や、和泉式部や、宮沢賢治などの日本語の詩も多い。既に、意識高い的面倒くささが漂っているような…

開演。まずは、前方ステージではなく、アリーナ中央の出島ステージで、"Sunday Bloody Sunday"から、初期の作品が続く。これらの作品には、映像効果など付けず、シンプルなステージだ。3曲目で、早くも私が一番好きなU2の曲"New Year's Day" 。やっぱり良いなぁ。

中盤、いよいよ"The Joshua Tree"再現。ここから、前方ステージに移動して、背後の巨大・高精細スクリーンをフル活用した映像効果付きのパフォーマンスとなる。このアルバム収録曲は力の有る楽曲揃いで、名盤であることを改めて実感する。

アルバム再現が終わると、新しめの作品をド派手映像効果付きで披露するパートになる。私があまり聴かなくなっていた頃の作品だが、中々聴き応えがある。もっと、ちゃんと追っかけていた方が良かったかな、とも思ったが、Bonoがステージ上で、平和を訴え、中村哲医師へ言及し、女性の権利向上を歌い上げ(背後のスクリーンには、世界中の著名な女性に混じり、草間彌生、川久保玲らの写真も投影される)、温暖化への警鐘を口にするという姿に、やはり苦手意識を覚えてしまう(我ながら、偏狭だとは思うが)。ただ、唐突に、Joan Jett 姐さん("I Love Rock 'n Roll ")に言及したのは何だったのだろう?意外と、Bonoと私、趣味が合う所も有るのか?

最後は、スクリーン一杯に巨大な日の丸が映し出されて終了。アンコールは無し。

恐らく、日本だけでなく、ツアーで回る各国の、詩人を調べ、女性活動家をリストアップし、映像を仕込んでいるのだろう。その取材力と努力には驚くばかりだ。まぁ、なんやかんや言っても、The Edge のギターの音色は最高。これををライヴで堪能出来たのだから、十分である。


「上原ひろみ JAPAN TOUR 2019 "SPECTRUM"」 @ 岡山市民会館19.12.7

岡山市民会館上原ひろみの公演を観に、岡山市民会館に出かけてきた。東京公演のチケット争奪戦に連敗し続けた結果、先々週の大阪 ザ・シンフォニーホールに続いて、遠征することにしたのだ。ザ・シンフォニーホールは2階の後方席だったが、岡山のチケット取得は楽勝。後ろの方とはいえ、一階席(このホール、1,718席のキャパだが、1階が782席、2階が936席と、2階の方が席数が多いという造り)。舞台向かってやや左の、鍵盤が見える良い角度の席だ。しかも、会場に着いてみると、「当日券」を売っている…

さて、開演。ツアーを重ねたからか、あるいはご本人の体調か、はたまた会場の雰囲気か、大阪の時より、演奏の自由度が大幅に高まっているように思う。アドリブ増量でアクションも大きめ。まぁ、私の座る位置が、大阪の時よりも遙かにひろみ嬢に近かったせいで、印象が強かったのかもしれないが…。いずれにせよ、トリオ等の公演と違い、ピアノ1台のみで、PAも使っていないことで、会場・観客との化学反応が、より鮮烈になっていると思う。ブルーノート東京ぐらいの小さなハコで演ってくれることを切望(が、チケット争奪戦はさらに熾烈だろう

MCの話題は、ラーメン。セットリストは、新アルバム"Spectrum"から全曲演るのは同じ。休憩後の2曲目が、会場毎に異なる、"Spectrum"以外からの曲。今回は”Place to Be”。嬉しい。

ということで、ザ・シンフォニーホールとは、また違うSpectrum を堪能。これだけ違う印象を受けるのだから、遠征は楽しいのだ。



コンサート会場で顔なじみになった常連ファンの方々とも長い付き合いになりました。が、最近では、話題が病気自慢に偏りがちのような気もする、今日この頃です。