IN/OUT (2019.12.15)

野辺山駅冬の矢野顕子強化月間の一環で、八ヶ岳高原音楽堂へ行ってきました。

最寄り駅のJR小海線 野辺山駅は、JRの中で最も標高が高い所にある駅ということで、それをアピールするポスターや看板が、あちこちに掲げられています。が、その多くが、「JR東日本」ではなく、「国鉄」の最高地点という表記のまま。推している割にはメンテナンスしていないなぁ、と思いながらも、これに関しては、敢えて「国鉄」の方が味が有る、という気もします。


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"The Final Tour Ever KISS The End of The Road World Tour" @ 東京ドーム19.12.4

東京ドームKISSの来日公演を観に、東京ドームに行ってきた。1973年結成。初来日は1977年のベテラン・バンド。ついに、今回が最後の来日公演、という触れ込みである。

チケットに印刷された私の座席は、「地獄の1階3塁側」。わざわざ地獄と付けるセンスが、KISSである。舞台の背景に巨大スクリーンがあるのは先週観たU2と同じだが、開演前に「詩」を投影するなんて面倒くさいことはしない。流れているのは商業主義のCMだ。

実際の所、KISSのメンバー、特に、Gene Simmonsは、相当、頭が良いと思う。ミュージシャンとしてだけでなく、優秀なビジネス・パーソンとして、KISSを巨大ビジネスに仕立ててきた。優秀な頭脳を意識高い系の活動に費やすU2のBonoとは真逆だ。

ライヴは、代表曲"Detroit Rock City"からスタート。彼らは、数多くのヒット曲を持っているが、いずれも、分かりやすいロックだ。ロック史に残る名曲というタイプでは無いと思う。また、演奏技量も、至って平凡。音楽的には、(勿論、優れているが)飛び抜けて凄いということは無いと思う。しかし、そのサービス精神が尋常じゃ無い。冒頭からステージ上に鳴り響く爆音と火炎。派手な照明。そして、あのメイクと衣装。いかにもロック・スターという雰囲気のステージ上の所作。どこを切り取ってもインスタ映えしそうな舞台は、当然、スマートフォンでの撮影OK(ただし、静止画のみ)。Paul Stanleyは、サービスに「上を向いて歩こう」を歌い、アリーナ席の上空を飛翔し、中央の鉄塔の上で"I Was Made for Lovin’ You”を観客と大合唱。ここまで来ると、商業ロックを突き詰めた、と言うか、突き抜けた爽快感がある。そして、御年70歳のGene Simmonsが、相も変わらず、血を吐き、炎を吹き、宙を舞う姿は、もはや、伝統芸能だ。

”Black Diamond”で、本編終了。そして、アンコールには、「日本のロックスターがゲストに来た」と言う。YOSHIKIである。ネットでは噂になっていたようだが、公式には発表されていない「シークレット・ゲスト」だ。彼のピアノで、Eric Singerが”Beth”を歌い上げる。鳴り止まない拍手と歓声の中、さらにもう1曲。今度は、YOSHIKIがドラム・セットへ。なんと、彼のドラムで、最後の曲”Rock and Roll All Nite”。会場大合唱の大団円なのだが、個人的には、「最後の来日公演の最終曲で、正規ドラマーの座をゲストが奪って終わり、というので良いのか?」と思ってしまう。本来のドラマーEric Singerは、YOSHIKIの横に立って太鼓を叩いている…("Beth"をEricが歌ったのは、これがあるから気を遣ったのか?)。まあ、殆どの観客は、KISSのライヴというイベントを楽しみに来ているわけで、KISSの楽器演奏力に期待して観に来ている訳では無い。むしろ、YOSHIKIとKISSが共演しているという祝祭感を喜んでいるのだろう。YOSHIKIというミュージシャンに全く興味が無い私には、有り難みは感じられなかったが…

ということで、色々、お腹一杯という感じのライヴだった。正直、音楽自体は、先週のU2の方が好みなのだが、ライヴとしては、圧倒的にKISSが高評価だ。ライヴ・パフォーマンスにお説教臭さを持ち込まず、徹底してエンターテインメントを追求した彼らに喝采である。



そう言えば自分も、大阪と神戸の間の鉄道事情を関西の事に疎い人に説明する際は、「阪急」・「国鉄」・「阪神」と言ってしまいがちであることに気づく、今日この頃です。