IN/OUT (2019.3.17)

会社で使っているキーボードをメカニカル方式の物に切り替えて約一ヶ月。小型のキーボードなので、一部のキー配列が独自で、初めはちょっと苦労しましたが、慣れてくるとやはり打鍵感が心地よい。ハマってくると延々と打ち続けたくなる中毒性が有ります。


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「Yellow Magic Chidren 40年後のYMOの遺伝子」@新宿文化センター19.3.14

Yellow Magic Orchestraと新宿文化センター。どちらも40周年なのを記念したイベントを観に行ってきた。

演奏は、Yellow Magic Children Band。メンバーは、バンドマスターの高野寛、ギターの高田漣、ホーンとマニピュレーターのゴンドウトモヒコ、ベースの沖山優司、ドラムスの白根賢一、キーボードの網守将平。いかにも、という感じのメンツであるし、しっかりした演奏力の持ち主ばかりだ。YMOのトリビュートと言っても、アナログ・シンセを壁のように積み上げて当時のサウンドを再現するのでは無く、YMOの音楽の薫陶を受けてきた彼らが奏でるバンド・サウンドでカヴァーをするというスタイルになる。

ここに、さらに豪華ゲストが入れ替わり登場するという趣向。まず、冒頭、13歳のシンガー HANA嬢が「Cue」を歌唱。次は、高野寛が自身の曲「夢の中で会えるでしょう」。そして、坂本美雨。「美雨さんにとってYMOとは?」という質問に「親!」との回答で笑いを取った後、歌ったのが「The Other Side of Love」。彼女が"Sister M"名義でフィーチャーされた教授の曲だ。さらに、YMOの「Ongaku」。この歌詞のモデルは彼女自身(美雨さんは、ずっと、母親=矢野顕子のことが歌われていると思っていたそうだ。「だって、母ってピアノに昇りそうでしょ」)。この曲を美雨さんご本人が歌うのを聴けるという有り難さ。

次に登場したのは、細野さんのお孫さん!(名前を失念)。彼が奏でる"Tighten up"に会場も大盛り上がりだ。

野宮真貴とカジヒデキが登場。まずは「東京は夜の7時」。曲名が紹介された時は、当然、あの曲かと思ったのだが、バンドが弾き始めたイントロは、矢野顕子の(私にとっては、こっちが本家)「東京は夜の7時」。ビックリしていると、そのまま野宮真貴がワンフレーズ歌って、それから、ピチカート・ファイヴの「東京は夜の7時」に切り替わるという、ニヤリとさせる趣向。続けてもう1曲「君は胸キュン」。このゲストの二人にピッタリの選曲だ。さらに印象的なのは、白根賢一の演奏が、高橋幸宏のドラムスのテイストに実に良く似ていること。彼とユキヒロが共演するライヴは何度も観ているが、このように真っ正面からYMOの曲を演奏している姿を見ると、改めて、その腕前に驚嘆。

次は、事前に取ったリクエストでNo.1だったという"Mad Pierrot"をバンドだけで演奏。さすが、コアなファン達から募集したリクエストという感じだが、カッコ良い曲、カッコ良いアレンジ(一番若い網守将平が担当したそうだ)、そして、カッコ良い演奏。

次なるゲストは片寄明人×DAOKO。まずは、DAOKOの「高い壁には幾千のドア 」。そして「在広東少年」。これが凄かった。素晴らしかった。驚愕だった。現在では、YMOのメンバー達も矢野顕子も、絶対に演奏しないであろう、YMOのワールド・ツアーで披露されていたヴァージョンの「在広東少年」完全再現。白根賢一のユキヒロばりのドラムスも凄いが、さらに驚くべきはDAOKOのパフォーマンスだ。若い頃の矢野顕子の奔放さに全く引けを取らない歌いっぷり・弾けっぷり。見事だ。まさに度肝を抜かれた。因みに、彼女のお父様は、奥村靫正のデザイン事務所(アルバム「BGM」のアートワークなどでお馴染み)で働いていて、幼少期からYMOの音楽に馴染んでいたそうだ。素晴らしい。

興奮冷めやらない中、宮沢和史が登場。YMOの「Lotus Love」。そして、彼の代表曲「島唄」とYMOの「Absolute Ego Dance」のマッシュアップ。これまた楽しい。

本編ラストは、バンドのみで「中国女」。そしてアンコールもバンドだけで「Fire Cracker」。どちらも良い演奏。結局、皆、一枚目のアルバム、好きなんだなぁ(私もだけど)。そして、ゲストも全員舞台に再登場して、皆で記念撮影して、全て終了。今週もまた、自分の音楽嗜好の一部に、確実に深く刷り込まれているサウンドをたっぷり堪能したのである。


"Captain Marvel"19.3.16

Marvel Cinematic Universeの新作を観てきた。"Avengers: Infinity War"のラストで、その登場が示唆されていたCaptain Marvelの単独作。予想通り、若き日のNick Furyと出会うことになる。

ただし、予告編などで想像していたのとは、かなり違う始まり方で、ちょっと戸惑うと同時に、巧みな広告戦略だなと感心。また、敵と味方の設定が上手く、色々と予想外の展開で楽しませてくれる。いつもながら、隙の無いMCUらしい作品だ。

ただし、これだけスーパーヒーロー映画が量産されている今、新鮮味があるとは言えない。お楽しみは、これまでの作品の伏線回収と、散りばめられてきた謎に対する答え合わせ。そして、MCUの第三フェーズの区切りとなる次回作"Avengers: Endgame"への前振りな訳だが、それらすべてを、きっちり満足させてくれるのが憎い。映画が終わった後、後ろの席の女性が「彼女が来れば勝てるんじゃない?」と話しているのが聞こえてきたが、私と同様、まさにMarvelの思う壺にはまっているようだ。

冒頭のクレジットでは、昨年11月に亡くなった原作者Stan Leeへの感謝が表される。そして、本編の中では、実に良い感じで彼が恒例のカメオ出演している姿を見ることが出来る。この映画の裏のクライマックスは、このシーンだ。


"LEE RITENOUR's SIX STRING THEORY COMPETITION -Winners' Circle-"@ブルーノート東京19.3.16

Lee Ritenourが主催している"Six String Theory Competition"の2018年度最優秀賞受賞者による公演を観に、ブルーノート東京に行ってきた。

このコンペティションは、タイトル通り、ギターが中心だが、今回からは枠を拡げ、ギター6部門(ジャズ、ロック、ブルース、アコースティック、クラシック、リズム)に、ピアノ、ベース、ドラムスを加えた合計9名が最優秀賞受賞者となり、バークリー音楽大学への推薦やアルバム・レコーディングの機会が与えられるという。そんな彼らの中から8名(ジャズ・ギター部門の受賞者のみ不参加)が東京公演を開催。Lee Ritenourと共にステージに上がるという趣向。

受賞者は、18歳から26歳。米国、スウェーデン、チェコ、エストニア、スコットランド、フランス、セルビアと、世界中から若者が集まっている。クラシックギターの独奏から、ブルーズの熱唱、ハードロックのギターワークまで、それぞれのジャンルでの演奏が続くので、音楽的な一貫性ではなく、彼らの瑞々しいプレイそのものを楽しむことになる。皆、当たり前だが、とても上手い。特に、この幅広い音楽のほとんど(アコースティック・ギターと、クラシック・ギターは独奏)で、的確なリズムを刻んでいたベースとドラムスは大したものだと思う。まだ、強烈な個性が前面に出るという演奏では無いが、聴いていて気持ち良いライヴだ。

このようなプロジェクトを、地道に続けているLee Ritenourも大したものだと思う。たまには、このような思い入れ薄く聴けるライヴも良い物だな。



ただ、普通のノートPCよりは、確実に打鍵音は大きいので、もしかしたら周囲からは顰蹙を買っているのかも。皆、気を遣って黙っているのだとしたら、ちょっと辛いな、とも思う(でも、キーボードを替える気はないけど)今日この頃です。