IN/OUT (2020.1.5)

新年になりました。三が日が水・木・金というカレンダーのおかげで、休みはしっかり。


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"Long Shot"20.1.4

Charlize TheronとSeth Rogen主演の映画を観てきた。

Charlize Theronが演じるのは、超有能かつ美貌にも恵まれた米国国務長官。一方、Seth Rogenは、所属会社がメディア王に買収されたことに怒り、失業中となったジャーナリスト。この二人の「格差恋」を描く、ハリウッドお得意のラブコメではあるが、社会的地位も、名声も、容姿も、全てにおいて優れているのが女性の方というのが、現代的。役柄によって、全く印象を変えてくるCharlize姐さんのカメレオン俳優ぶりが全開だ。一方、男性の方は、良い人だし、正義感溢れるジャーナリストではあるけど、イマイチ押しが弱い。こういう役にSeth Rogenは、まさにハマり役だ。ということで、この二人の会話の妙を観ているだけで楽しくなる映画である。

物語の展開は、「格差」による悩みよりも、アメリカの政治情勢をシニカルに描くことに重きを置いているような印象だ。そして、その描き方は徹底して「リベラル」寄り。また、コメディ要素は、ほぼ全て「下ネタ」(ここでも、Charlize姐さんの弾けぶりが凄い)。さらに、劇中で効果的に使われる音楽がBoyz II Menの"Motownphilly"。Charlize Theronが好きな映画に挙げるのが”Encino Man(原始のマン)”。ハマる人にはハマる要素が満載だ(町山智浩のコラムが好きな人には、確実に刺さると思う)。もちろん、私も、しっかりハマってしまった。



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”Mard Ko Dard Nahin Hota”20.1.3

インドのアクション映画を観てきた。英語タイトルは"The Man Who Feels No Pain"。邦題は「燃えよスーリヤ!!」

主人公のスーリヤは、生まれつき痛みを感じない体質。そのため、子供の頃からイジメに遭ってきた。そんなスーリヤは、祖父に見せられたカンフー映画に夢中になる。やがて、成長した彼の前に、子供時代、イジメから守ってくれた幼なじみの女性が現れる。彼女は、スーリヤが観たカンフー映画に登場していた片足の空手マスターの元で、空手道場を経営しているのだった。一方、空手マスターの弟は、悪党になっていて、兄弟の抗争は激しさを増している。スーリヤ達もその抗争に巻き込まれ、一大カンフーファイトが繰り広げられることになる、というお話。

設定は、悪くないと思う。痛みを感じない主人公と、彼を導く祖父。スカーフを武器にしたアクションも華麗な彼女。そして、片足の空手マスター。正義側のチーム編成は、良いと思う。しかし、ストーリー展開が、あまりにも、もたついている。やたらと寄り道の多いインド映画に、ある程度慣れているという自負のある私も、この作品のリズムには全く乗れなかった。また、随所に挿入される主人公の独白が、正直、ウザく、感情移入出来ない。アクション・シーンの演出にも工夫が足りず、ガチャガチャしているだけ。

ということで、2020年、一本目の映画は、残念ながらOUT。ただ、製作陣のカンフー映画愛というのは伝わってくるのが救いではある。Bruce Leeは偉大なのだ。



元日はともかく、2日・3日の祝祭感が、最近、減ってきたという気もします。その内、「三が日」というのも死語になるのかもしれないと思う年の初めです。