とにもかくにも、2013年もあと三日のみ。
最近のIN
三菱一号館美術館で開催中の展覧会に行ってきた。
19世紀から20世紀初頭のパリを中心に活躍したルノワール、モネ、ルドン、ロートレックらの作品を集めた展示である。印象派の有名な作品や、当時のフランスの街角の雰囲気が伝わる版画集など、開館三年目を迎えた三菱一号館美術館が収蔵してきたコレクションから149点。
美術館側としては、それなりに気合いが入った企画だったと思うが、正直、私の好きなタイプの作品は少なかった。そんな中で、同時代の印象派とは全く異なるタイプのルドンの一連の作品、モノクロのリトグラフから鮮やかな色彩溢れる作風に転換を遂げる過程が俯瞰できるところが興味深かった。
意地悪い見方をすれば、この美術館は、収蔵品よりも、1894年に竣工した赤煉瓦の三菱一号館を復元したという建物自体と、その雰囲気を巧く活かしたカフェなど、小洒落た感が持ち味な訳で、クリスマス期間は開館時間を20時まで延長したり、カフェでの特別ディナーを設定するなど、商売上手なのである。もちろん、そういうのも、美術館が長く運営していく上では大切だと思う。
Bruce Willis主演のアクション・コメディ映画を観てきた。
Willis以外にも、2010年製作の前作から、John Malkovich、Helen Mirren、Brian Coxらが続投。老人パワーを炸裂させる「引退した元・凄腕エージェント」役を嬉々として演じている。さらに、前作でBruce Willsと恋に落ちたMary-Louise Parker、新たに登場した、Catherine Zeta-Jonesにイ・ビョンホン。豪華出演者それぞれが個性を活かした活躍ぶりで、理屈抜きで楽しめる作品になっている。
というか、理屈を考えちゃ駄目な作品ではある。核爆発により何千万人もの人が犠牲になることを防ごうとする彼らが、何のためらいもなく敵キャラを殺しまくる矛盾など、気にしてはいけない。あくまでも、コミック原作のコメディ作。シリアスなスパイ映画に対するパロディとして観るべき映画だろう。
今回も、Dame Helen Mirrenのカッコ良さは特筆もの。銃撃シーンの凜とした射撃姿勢にほれぼれするし、英国女王役でアカデミー主演女優賞を獲得した彼女が、「自分が女王だと信じ込んだ偏執狂」を装うシーンの毒気は相当なものだ。
監督は、Dean Parisot。あの傑作"Galaxy Quest"を撮った人である。最近はTVの仕事が中心のようだが、こういう能天気な作品には、さすがの手腕を示していると思う。もっと映画界でも活躍して欲しいな。
一年の締めのころになって、色々と失敗すること、自省することも多く、来年はもう少し、大人になりたいと思う今日この頃です。
|