IN/OUT (2013.11.17)

久しぶりの海外出張。初めて訪れる都市、大連へ。


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大連を巡る13.11.16

大連木曜の午後に大連に到着。もっと寒いかと思っていたが、東京と気温はほとんど変わらない。しつこく声をかけてくる白タクの運ちゃんを掻き分け、正規のメータータクシーに乗り込んで、そのままオフィスへ。金曜も丸一日、仕事。土曜の13時30分発の飛行機で帰るので、自由に使える時間は、土曜の午前中のみ。せっかく、初めての土地に来たのに、オフィスとホテルの往復しか知らないのは悔しい(まあ、大連の大渋滞と、横断歩道や信号を全く無視して道路を横断する歩行者の姿を見るだけで、十分、異国感は堪能できたが…)。とはいえ、土地勘の無いところなので、半日で要領よくあちこち行く自信も無く、ホテルの窓から撮った味気ない写真一枚で帰ることになるかなと思っていたのだが、現地スタッフの一人が、土曜のガイドを申し出てくれた。休日の午前中を潰してもらうことになり、恐縮しつつも、しっかり厚意に甘えさせていただくことにする。以前は、単独行動に拘っていた私も、日和るようになってしまった。

この辺りで時間があれば、旅順などが観光名所になるのだろうが、ちょっと遠い。ということで、まずは星海広場へ。海沿いのだだっ広い公園だが、石炭暖房が始まったこの時期、PM2.5の指標は200近く。全体に空気が霞んでいて、景色が悪い。時期が良ければ、気持ちよさそうな所なのに、残念。

大連そこから、大連老虎灘海洋公園に続く海沿いの道を行く。歩道も整備されていて、市民の格好のハイキング・コースになっているようだ。ただ、PM2.5の影響で、やはり空気が霞んでいる。晴天のはずなのだが、太陽・海・空を撮影しても、左の写真のような、「ターナー風」になってしまう。途中、北九州市と友好都市を結んだ際、北九州市の投資によって作られたという北大橋を通ったりしながらたどり着いた大連老虎灘海洋公園は、文字通り、連なった虎の石像がシンボルの、有名な景勝地らしい。しかし、「景勝」の方は、やはり霞んだ空気で、ぱっとしない。大連イルカやアシカのショーをやっている観光施設などもあるらしいのだが、長居はせず。

それにしても、件の虎の石像。五頭の虎がダイナミックに連なっている大きな石像なのだが、その正面を何故か木立が塞いでいる(右の写真。カメラを構える私の後ろに、結構、大きな木が何本も植えてあって、海はその向こう)。本来なら、海に向かって勢いのある勇姿を強調すべきだと思うのだが…。以前のマーライオンのような不遇な扱いである。

大連大連市内に戻り、中山広場(ロータリーの周囲に、旧大連ヤマトホテルなど、歴史ある建物が残っている)や労働公園を軽く見物して、旧ロシア街へ。帝政ロシア時代の行政区跡地ということだが、それほど広いエリアでは無く、基本的にはストリートが一本。その両脇にロシア風の建物が軒を連ね、さらに露店が並んでいる。露店で売られているのは、ロシアのチョコレート、たばこ、マトリョーシカなど。ロシアと中国の折衷感が面白い。スタッフによれば、地元の人が訪れることは少なく、もっぱら観光客が来るところらしい。

大連これで、8時から11時過ぎまでの観光は終了。スタッフは、あと一箇所ぐらい行きたかったらしいのだが、道路が渋滞し始めたため、空港の近くに向かい、そこで大連の中華料理をいただく。前々日が、当地の日本人出向者と和食。前日は、オフィスのメンバーと四川料理屋だったので、最後は大連らしい料理ということで。もっとも、海鮮以外、特に特徴的なメニューが有るわけでは無いらしい。全体に、塩気が強めだが、美味しい料理が多い。日本の中華料理屋では、まず見かけそうにない、シャキシャキした食感の海藻サラダなど、来てみないと味わえない料理だ。そして青島ではなく、ちゃんと大連ビールもいただく。

すっかり半日付きあっていただいた現地スタッフ(と、その夫)に、大感謝。共に日系企業にお勤めなので、二人とも、日本出張の機会はある。次は、是非、私が、と約束して、空港へ。何が、というよりも、知らない街を巡ること自体が、つくづく楽しい。



大連の空港で、お土産を物色するも、チョコレートなどお菓子類は、「中国汎用」のお土産という感じのものばかり。「大連らしいお土産は?」と訊いても、「海産物以外は何も無い」。確かに、空港ビルの柱に、ずらっと貼られた写真は「海参」。ナマコの写真は、国際線で訪れる観光客には、あまりアピールしないと思うのですが…。中国の人、商売っ気が強いんだか弱いんだか。