IN/OUT (2013.11.10)

出張先で泊まったホテルの近く。「定食にはサラダ・バーが付きます」の看板に惹かれてトンカツ屋へ。

カウンターの一角に、5つほどの大皿を並べた「サラダ・バー」はありました。キャベツの千切り、マカロニ・サラダ、ひじきの煮物、切り干し大根の煮物。もやしのおひたし。高崎のサラダは、守備範囲が広い。


in最近のIN

「ターナー展」@東京都美術館13.11.4

東京都美術館18世紀末から19世紀の英国を代表する風景画家、Joseph Mallord William Turnerの展覧会を観てきた。

英国、テイト・ブリテンから運び込まれた116点の展示物は、油彩画だけでなく、水彩画、さらにスケッチブックに及び、その質・量とも素晴らしい物だ。この時期、ターナー目当てにテイトを訪れた人はがっかりするのでは?と心配になるほど。特にスケッチブックは、よくも保存されていたものだと思う。

ほぼ年代順に並べられた展示は、彼の作風の変遷が分かって、興味深い。今まで、ターナーというと、風景画でありながら、事物の輪郭が光の中に溶け出した、ほとんど抽象画のような作品を思い浮かべていた。そうした絵画は、確かに、彼が晩年にたどり着いた境地の一つではあるが、いくつかの作品は、もしかしたら書きかけの状態だった可能性があるというのを、今回知ることができた。ターナーは、ある程度まで仕上げた作品をギャラリーに飾り、その場で書き足して完成させることが良くあったらしい。そのため、それが作者にとって完成形だったのか、その後、手を入れるつもりだったのか、議論が分かれる作品があるということだ。また、その作風から、落ち着いた人格の持ち主かと漠然と想像していたが、かなり出世欲が強い人物だったらしいのも意外だった。やはり実際に観てみるものである。

彼の作風は、水墨画を愛でる日本人に合うところがあるのかもしれない。場内は大混雑。いささか疲れる展覧会でもあった。


"Eddie Jobson "Four Decades" Special Concert"13.11.9

プログレ畑のヴァイオリン & キーボード奏者、Eddie Jobsonの40周年記念公演を観に行ってきた。会場は、今や、日本のプログレの聖地となっている川崎、CLUB CITTA'。

Eddie Jobsonは、1972年、Curved Airに参加。以降、Roxy Music、Frank Zappa & the Mothers 、U.K.などを渡り歩き、正式メンバーでは無いが、King Crimson(ライヴ盤"USA"に、彼がスタジオでオーバー・ダビング)やYES("Owner of a Lonely Heart"のヴィデオ・クリップに出演したが、結局、加入せず)とも縁があるミュージシャン。今回は、彼のプロ生活40周年を記念した公演である。

30分ほど遅れた始まったステージは、まず、後ろのスクリーンに、彼のこれまでのキャリアが映し出される。そして、トレードマークとも言える透明のヴァイオリンを持って、ご本人登場。

バックを務めるのは、現在の彼のプロジェクト、UKZとU-Z Projectの、ドラマー、ベーシスト、ギタリスト。そこに、ゲストでCurved Airの女性ヴォーカリスト Sonja Kristinaが登場。Curved Airは、可憐な女性ヴォーカルと、ヴァイオリンをフィーチャーしたフォーク調の曲が特徴だったプログレ・バンドだが、その可憐だったSonjaの劣化ぶりが、私には痛々しく見えてしまった…。そんな中、代表曲の一つ"Melinda"の演奏後、技術トラブルで、ギターの音がちゃんと入っていなかったことが判明し、再演奏。この日は、TVカメラが入っていて、後にDVD化されることが決まっているのである。

Curved Airの曲が一通り終わると、今度は、U.K.の一枚目のアルバムのあの音が! そして次のゲスト、John Wettonが登場。アルバムをかなり忠実に再現する演奏に興奮。というか、この公演のチケットを取った直後、彼らから追加公演が発表されたのだが、それが、U.K.の二枚のスタジオ・アルバム完全再現ライヴ。それを、この前日に行っていたのだ。そっちの方が観たかったなぁと、彼らの後出しジャンケンを恨めしく思っていたのだが、大好きな一枚目のアルバムの冒頭を飾る"In the Dead of Night"からの三曲をほぼ完璧に演奏してくれたので、OK。このギタリストとドラマー、相当巧い。ここでも、機材トラブルがあり、ドラマーが場つなぎのためにドラム・ソロを披露してくれたのだが、これがまた、良いソロだった。

John Wetton退場後は、最近のナンバーなのだが、これは、正直、聞き込んでいないため、あまりピンと来ない。Eddie Jobsonは、もちろん、才能豊かなミュージシャンではあるが、バンドのフロント・マンになるよりも、二番手ぐらいでサウンドを支える方が似合っていると思う。U.K.の解散も、彼が前面に出すぎるようになったからじゃないかなぁ

アンコールは、Sonja KristinaとJohn Wettonも再登場して三曲。最後に、"Caesar's Palace Blues"も聴けたし、良かったかなぁと思いながらスタンディング・オベーション。と、鳴り止まない拍手に応えて出てきたEddieから、「実は前日のU.K.としての公演もDVD化するのだが、時差ぼけもあって、納得できない演奏があった。今日、ここで録り直しても良いか?」。もちろん、観客、大喜び。まさかの追加演奏。U.K.の"Nothing to Lose"と"Rendezvous 6:02"。P.A.のセッティングを変えたのか、Wettonのヴォーカルが、先ほどよりも前に出てきていて、本編よりもむしろこちらの追加演奏の方が熱くなってしまった。申し訳ないけど、Eddie Jobsonのソロ名義の公演よりも、U.K.印の方が燃えるなぁ。



以前は愛読していたけど、最近はすっかり手に取ることも無くなっていた「ハヤカワ ミステリマガジン」を久々に立ち読みしてみたら、なんと特集が「あまちゃんとローカル・ミステリの魅力」。自ら「コバンザメ商法」と自嘲しながらの、円堂都司昭、日下三蔵、豊崎由美による座談会が、なかなか良い記事でした。私も、久々に「ミステリ読み」としてのスタンスを思い出したり。