IN/OUT (2013.12.15) |
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毎年、1月から連番で付けている、ここのHTMLのファイル名。ついに50番台に。 最近のIN"Gravity" (13.12.14)Alfonso Cuarón監督の新作を観てきた。主演はSandra Bullock。共演にGeorge Clooney。出演者はこの二人だけという異色作である。邦題は、何故か「ゼロ・グラビティ」。この映画の感動的なラスト・シーンを観たら、タイトルにふさわしいのは、あくまでも"Gravity"であって「ゼロ・グラビティ=無重力」ではないと分かりそうなものだが? 配給会社の人間、ちゃんと映画を観て邦題を考えたのか?? 邦題は馬鹿だが、映画そのものは、素晴らしい傑作だった。ストーリーは、きわめてシンプルだ。宇宙空間の船外活動中に事故が発生。放り出され、漂流するSandara Bullockが、地球に生還するために奮闘するというだけ。上映時間も91分間というコンパクトな作品だ。しかし、無重力という、もどかしいまでに自分の動きをコントール出来ない状況をリアルに描写していることと、Sandra Bullockの存在感で、観客は、絶望的な状況に置かれた主人公と一体化して映画に没入するのだ。 Sandra Bullockが本当にはまり役だ。もはや若手では無く、美人と言うよりは個性的、華奢というよりはがっちりした彼女だからこそ、役柄に説得力があると思う。共演のGeorge Clooneyも、一見、軽そうで、実はナイスガイという、まさに彼らしい役どころ。台詞は最小限に抑えながら、二人の個性がしっかり伝わってくるのも、彼らの演技の素晴らしさ故だろう。 さらに、青く輝く地球を背景にした宇宙空間の美しい映像が特筆もの。無重力空間での水滴、炎、生き物のように絡みつくケーブルなど、意味深なイメージも溢れ、今回、IMAXの大画面で観たのは大正解だった。 Alfonso Cuarónは、どちらかと言えば寡作な監督だが、前作の"Children of Men"も、印象深い傑作だった。今後も、目が離せない監督だ。 まあ、仕事上は年度末の方が意味がある訳で、年末だからと言って、何がある訳じゃ無し。なのに、この「色々、ケリを付けなきゃ感」は、何なのですかね。 |