IN/OUT (2014.1.5) |
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今年は、曜日の並びが絶妙で、一週間ぶち抜きの年末年始休みになりました。思えば、昨年は、ノートPCを持って帰って元日も仕事をしていたのですが、今年はきっぱりと休み。 最近のIN"HIROMI THE TRIO PROJECT featuring Anthony Jackson & Simon Phillips" @ブルーノート東京 (13.12.29)上原ひろみトリオの公演を観に、ブルーノート東京に行ってきた。先週、2013年の"IN"の総括をしてしまったが、これ、追加です。とんでもなく凄いライヴだった。 自由席だった私の整理番号は28。狙い通り、一番後ろのスツール席を確保。距離はあるが、全体が見渡せるポジションだ。もちろん、もっと前の番号なら、鍵盤が見えそうな席にしたいところだが…。開演前は、この公演のために用意された特別メニュー「ちゃんぽん」と「ごま団子」の、ひろみ嬢自ら出演する小芝居CMが流れるというリラックス・ムード。 しかし、演奏が始まると、いきなり熱い。既発表曲はほとんどなく、大半が新曲という意表を突くセットリストだったが、どれも素晴らしく盛り上がる曲だ。ひろみ嬢は、つい先日までヨーロッパ公演をしていたはずなのに、いつ書いて、いつ練習したんだよ。とにかく、ピアノを弾きまくる弾きまくる。圧倒的な指使いの速さと正確さ。全身でピアノと格闘するひろみ嬢の姿は、まさに天才。 そして、彼女を支えるリズム隊もまた、強力無比。特に、Simon Phillipsのドラムは、その手数の多さとスピードが圧巻。ここに、名手、Anthonyのコントラベース・ギターが加わると、もう、これはロックである。元々、ひろみ嬢のバンド演奏は、所によって技巧派プログレっぽく聞こえるところがあると思っているが、このトリオが完全燃焼しているところは、ヘヴィ・メタルも顔負けの熱さだ。 本編終了するや、フロア総立ち。アンコールも新曲だったが、これは国立新美術館の「アメリカン・ポップ・アート展」のために書かれた曲。私はちょっとだけ、展覧会のオーディオ・ガイドで予習済み(自慢!)。アンコール後も、当然、スタンディング・オベーションである。 このブルーノート公演は、12月28日から始まり、今日が二日目。この後、1月3日まで休み無しに毎日二公演、この演奏を続けるとは、恐るべき体力だ。 年またぎ公演ということで、31日の2nd showではカウントダウンがあったり、1月1日には鏡開きがあったりするらしい。今回は、チケット争奪戦に完全に出遅れたが、次回は、是非、年越しライヴを狙いたい。 「国民の叔母・清水ミチコの『ババとロック』in日本武道館」 (13.12.30)清水ミチコによるイベントを観てきた。会場は日本武道館!元々、大晦日一日前のこの日、別の大物が会場を押さえていたのが、急にキャンセルになり、代役(!)として清水ミチコに声がかかったそうだ。結果、EGO-WRAPPIN'、グループ魂、スチャダラパー、マキタスポーツ、MAX、椿鬼奴、黒沢かずこ(森三中)、レイザーラモンRGら、スケジュールが空いていた(?)清水ミチコ派の、お笑い寄りのミュージシャンと、音楽寄りの芸人が集結するという希有なイベントが実現したのである。 冒頭、例によって作り込まれたオープニング・ヴィデオに続き、林英哲の和太鼓演奏。彼の演奏は2012年のThe Chieftains来日公演でも観ているが、今回もまた、迫力のある見事な演奏だ。彼のことを知っている人が非常に少ないと思われるアウェイの会場でも、確実に観客を虜にしたと思う。そして、セグウェイ操る(嘘)清水ミチコ登場。ここは武道館。まずは国歌斉唱。歌うは松崎しげる。真面目なんなだか、人を食ってるんだか分からないオープニングだ。 ここからは、通常の音楽イベントと同じように、ミュージシャン組によるパフォーマンスが始まるのだが、コミックバンド(といっても、テクニックも音楽性も、かなり高い)のマキタスポーツ、お笑いをふんだんに織り込んだグループ魂(この日、総集編を放映していた「あまちゃん」関連者が多数在籍しているが、阿部サダヲは「嫌いだ」とばっさり。「やられたら、バイセクシャル」など下ネタのオンパレード)から、音楽度の高いEGO-WRAPPIN'まで、幅広い。そして、どれも、とても楽しい。唯一、毛色が違って心配だったMAXも、お馴染みのヒットメドレーに続き、今年話題の「Tacata'」を椿鬼奴を加えて披露するという、ある意味「おいしいネタ」で会場は大盛り上がり。 さらに特筆すべきは、清水ミチコのプロデュース能力だ。こうしたイベントの最大の課題、セットチェンジの間に場内がしらけることを回避するための工夫がしっかりされている。黒柳徹子や松尾スズキが出演するお楽しみヴィデオを流したり、芸人組=レイザーラモンRG、椿鬼奴、黒沢かずこを使ったりで、全く飽きさせない。 どのミュージシャンも、どの芸人も、すばらしいパフォーマンスばかりで、とにかく楽しい時間が過ぎていったのだが、ラストの清水ミチコ本人のステージだけは、彼女のファンとしては物足りなかった。持ち時間の制約からか、わかりやすい物まねネタばかりで、彼女の本領であるマニアックな音楽ネタが無く、また、最後に演った矢野顕子&忌野清志郎バージョンの「ひとつだけ」は、緊張のせいか、ピアノも歌詞も、ミスが多く、残念。 アンコールでは出演者全員が舞台に再登場。最後にみんなでどうしても歌いたかったと清水ミチコが選んだ曲は「サライ」。全員での大合唱の中、24時間TVのごとく、マラソン・ランナー姿の黒沢かずこが走ってきてゴールテープを切って、4時間近いイベントは終了。 急ごしらえという感じもあるイベントではあったが、これだけ楽しませてもらえれば、大満足。 「吉岡徳仁−クリスタライズ」 (14.1.4)東京都現代美術館で開催中の、吉岡徳仁の展覧会を観てきた。 彼の作品は、2010年の森美術館「ネイチャー・センス展」でも印象的だったが、今回も、圧倒される展示物が並んでいた。まず、透明のストローを大量に積み上げたオブジェが通路を形成するという展示室自体が美しい。中空のストローだからこその軽やかさは、雲のような不思議な質感で、その中を歩くという行為が楽しい。その中に展示されているのは、彼の代表作とも言えるガラスのベンチ「Water Block」、結晶の生成過程で音楽を流し、その振動によって自然結晶の形状を変化させたという「白鳥の湖」、バラの花を結晶に封じ込めた「ROSE」、7本の糸を椅子の形に張り、そこに結晶を育てた「蜘蛛の糸」など、タイトル通り結晶化された世界。J. G. バラードが描いた「結晶世界」の行き着いた先が、現実化したようだ。 東京都現代美術館の特徴である、大きな吹き抜けには「虹の教会」。500個のクリスタル・プリズムを積み重ねたステンドグラスが、外光を虹色に分離した神々しい空間を作り出す。その横の展示室には、「虹の教会」内部に置かれることを想定した、やはりプリズムを使った彫刻が並ぶ。 実際の所、展示物の量は、少し寂しいのだが、見事に作り込まれた結晶と光が作り出す空間は、何とも素敵である。さらに、最後の映像コーナーでは、吉岡氏の作品の紹介ビデオ(上映時間 50分!)が流されているのだが、ここでは美術展の作品だけで無く、彼が携わったプロダクト・デザイン(AUの携帯電話「MEDIA SKIN」やヤマギワの照明「ToFU」など)や、店舗デザイン(「SWAROVSKI GINZA」や「Hermès」など)も紹介されていて、その幅広い活動に、改めて驚かされる。「FANCL」のロゴや、ISSEY MIYAKEの「PLEATS PLEASE」のロゴも、彼だったのか。 ついでに、同時開催の「うさぎスマッシュ展 世界に触れる方法(デザイン)」も鑑賞した。「高度に情報化された現代社会の様々な要素や出来事を取り上げ、私たちの手にとれる形にデザインして届ける」というコンセプトの作品が並んでいるということだが、こちらは、私にはピンと来なかった。しかも、困ったことに、オーディオ・ガイドを借りたら、ヘッドフォンの上に可愛いウサギ耳が付いている。思わず、係員に「これは罰ゲームですか?」と訊いてしまったが、「いえ、展覧会のタイトルがウサギですから」ということで、ウサギ耳を装着しての鑑賞となってしまった。 帰省時に、実家のPCを新調。液晶一体型でキーボードもマウスも無線の物にしたので、繋ぐのは電源とLANだけ。セットアップも、ネットワーク経由で最新の更新ファイルを延々とインストールし、最終的にWindows 8を8.1にするところまで、時間はかかるけど、それ以外は、あまり頭を使う必要なし。楽ちんになったものですな。ただ、デスクトップ・アプリとストア・アプリの違いとか、やっぱり説明しづらいな。 |