IN/OUT (2008.12.28)

ということで、2008年も終わりです。


in最近のIN

"El Orfanato"08.12.28

昨年度のマイ・ベスト、"El Laberinto del fauno(パンズ・ラビリンス)"のGuillermo del Toroがプロデュースしたスペイン映画を観てきた。邦題は「永遠のこどもたち」。

かつて孤児院だった屋敷を舞台にしたホラー映画である。幼い頃、そこで育った女性が、再びその屋敷を子供のための施設にしようと、夫と息子を伴って戻ってくる。その息子は、孤独を紛らわせるためか、空想上の友達と遊ぶようになるのだが…、という発端は、欧米の幽霊譚では定番とも言えそうな設定だが、その後の展開が良く工夫されている。

特徴的なのは、カメラワークと音響だ。直接的なショック・シーンが多いわけではないが、敢えて変わった角度から撮られる映像や、不気味な音響効果が、観ている者の神経をジリジリ刺激する。これは、かなり怖い。

ラストに向け、それまで張り巡らされていた伏線が、見事に収まり、物語の全体像が現れる構成も巧み。よく練られた脚本をセンス良く映像化した、素晴らしい心理的ホラー映画だと思う。ただ、深い余韻を残すラストは、賛否両論あると思うが、私としては、やや居心地の悪いものだった。



2008年を振り返ると、

yanokamiを観にシンガポールに行ったのと、英国・米国周遊出張と、シンガポール出張があったが、旅行面ではかなりおとなしい一年だった。来年も、海外旅行/出張の機会は、さらに減りそうだ。

映画では、やはり"The Dark Knight"が強烈だったが。他は、ハリウッド映画よりもむしろ、インド映画 "DON"、イスラエル映画 "Bikur Ha-Tizmoret(迷子の警察音楽隊)"、イギリス映画 "Cashback(フローズン・タイム)"あたりが印象的だ。

コンサートでは、ASIAMike SternRick Wakeman東京JAZZA-MeiSheryl Crowなどが思い出深い。

しかし、何よりも2008年は、矢野顕子が新アルバムにして大傑作「akiko」をリリースした年として記憶されるべき年だろう。春の「JAPANESE GIRL全曲弾き語りライヴ」、Blue Note TokyoでのMarc Ribotとの共演と、年末のさとがえると、質の高いライヴも多く、矢野関連ではお腹一杯の一年だった。

来年、仕事方面のことを考えると、心配事が山積み過ぎで困ってしまいますが、INネタが沢山ある一年になってもらいたいものです。