IN/OUT (2008.1.20)

オフィスのフロアが変わったのですが、今度の場所は、休日出勤の際、暖房の効きがきわめて悪いことが判明。手がかじかんで、仕事にならん…


IN最近のIN

"Bikur Ha-Tizmoret"08.1.7

2007年の東京国際映画祭で東京サクラグランプリ=最優秀作品賞を受賞したイスラエル映画を観てきた。邦題は「迷子の警察音楽隊」

エジプトの警察に所属する音楽隊が、文化交流のため招かれたイスラエルで手違いが重なり、目的地とは全く違う、ホテルすら無い小さな町に着いてしまう。すでに最終バスも無くなり、困り果てた彼らは、食堂の女主人の好意で一晩の宿を提供してもらう。その一晩に起こる、音楽隊の人々と地元の人々とのささやかなふれあいが描かれる。

エジプトとイスラエル、アラブ人とユダヤ人。複雑なバックグランドを持つはずの彼らだが、映画の中でそれらがあからさまに語られることはない。また、両者の交流が必要以上に感動的に描かれることもない。気の利いたオチを付けられそうなエピソードは沢山出てくるのだが、決して大袈裟な展開にはならない。まるで、劇中で語られる未完成の協奏曲の予告されたラストのように、静かな余韻を残すだけ。少しのユーモアと温もり、そしてほろ苦さ。万事、控えめな描写に徹しているが故に、チャーミングさが際だつ映画になっている。登場人物が皆、少しずつ不器用さを抱えている姿も共感を呼び、小品なのに、素敵な印象が長く深く残る、すばらしい作品だった。



まぁ、暖房が効きすぎて、喉やらドライアイやらが辛くなるのもあれだし、あれこれ、困り事には不自由しない今日この頃です。