2008年10月22日発売
YAMAHA MUSIC COMMUNICATIONS YCCW-10089 / English Version: YCCW-10103
Produced by T BONE BURNETT
T Bone氏が確信を持って一曲目に持ってきたのは、しみじみとした歌詞の、美しい曲。矢野さんも最初は驚いたと言うことですが、なるほど、見事な選曲です。矢野さんの左手を活かすために、ベーシストをバンドに加えなかったというT Bone氏の選択にも納得のサウンドです。
重たくうねるようなリズム。ハードボイルド風とも言えそうな歌詞。アルバム中、一番「癖になる」曲です。ヴォーカルの音響処理に、T Bone氏のセンスを感じます。
プロデューサー、T Bone Burnett氏のソロ作品「The Criminal Under My Own Hat」(1992年)収録作のカバー。アメリカのルーツを感じさせる曲です。
太陽の優しさ、大らかさに満ちた曲。題名を見るまでは、この歌詞が太陽のことだとは気づきませんでしたが。これまでのキャリアで初めて、ソフト・ペダルを使ったレコーディングを行ったそうです(*)。
Led Zeppelinの2nd Album「Led Zeppelin II」(1969年)収録曲をカバー。2007年ブルーノート東京公演での、さとがえるトリオによる演奏を最初に聴いたときには、サビの部分になるまで「胸いっぱいの愛を」だと気づきませんでした。その独創的なアレンジに、Jay Bellerose氏の独特のドラムスの音(キック・ドラムには1940年〜50年代のマーチング・バンドの大太鼓を使っているとのこと。*)と、Marc Ribot氏の切れまくったギターの響きが加わり、これぞ矢野カバーの魔術と言うべきカッコ良さ。
インパクトの大きな歌い出し。ギターとドラムの独特の音色と、そこに絡むブルース調のピアノ。まさに、このバンドでなければ出せない、うねるようなサウンドです。
ライヴでは、この歌詞は「based on true stories」だと語られていました。前半は笑いを誘うものの、ヘビーな内容ですね。
The Doorsのアルバム「Strange Days」(1967年)収録曲のカバー。以前からライヴでは取り上げていましたが(私は2005年のブルーノート東京が初めて)、Led Zeppelinといい、The Doorsといい、このアルバムでカバーされたのは、かなり意外性があるミュージシャンです。
この曲がアルバムの中で一番、従来の矢野ポップスに近い響きを感じます。"Google"が、「グルグルッ」に聞こえるところが可愛いような。
ノリの良いアップテンポの曲をアルバムの最後に持ってきて、すっぱり切り上げる潔さ。それにしても、若造には歌いこなせない歌詞ですね。
* 「ROCKS OFF Vol.06(シンコーミュージック・エンタテイメント)」の長谷川博一氏の記事を参考にさせていただきました。