IN/OUT (2008.2.3)

シンガポールのMRTやバスで使用するez-link。JR東日本のSUICAと同様、非接触式のICカードです(中身はやはり、SONYのFeliCa)。自動券売機でお金をチャージするのはSUICAなんかと同じですが、注意しないといけないのは、カードを取るタイミング。SUICAのように自動券売機にカードが吸い込まれて、チャージが終わると吐き出されるのと違い、カードを機械上に載せるだけなので、チャージが終わっていなくてもカードを取れちゃう。うっかりすると、自動券売機に入れたお金は宙に消えてしまうのです。以上、シンガポール旅行時の豆知識。


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"Cashback"08.2.2

VogueやHarper's BAZAARなどのファッション誌で活躍する写真家、Sean Ellisが監督したイギリス映画を観てきた。邦題は「フローズン・タイム」。私が大嫌いな、原題とは全然違う英単語を使ったカタカナ邦題。

最初は、ガールフレンドに振られた美大生が不眠症となって悶々と悩む姿が、あまりにもナイーヴでイライラする。この映画はハズレだったかと思ったのだが、観ているうちに、その独特の語り口と、ハリウッドとはひと味違う笑いのセンスに引き込まれていった。

その語り口は、徹底した一人称。全編に主人公のモノローグが流れるだけでなく、回想と現在がクロスする独特の編集など、リアルな現実よりも主人公の意識の中のリアリティを重視しているようだ。そのため、主人公が身につける、周囲の時間を止めるという特殊能力が、客観的な事実なのか、それとも彼の意識の中だけの出来事なのか、気にすることなく受け入れることができるし、監督もそんなことは気にしていないようだ。止まった時間の中で女性の美しさを心行くまで描くというのは、写真家でもある監督の夢なのかもしれない。

主人公が夜勤で働くスーパーマーケットの個性的な店員達が巻き起こすお笑いの部分が楽しく、挿入される楽曲のセンスも好ましい。主人公が新たな恋に踏み出す相手が、シーンを追う事に綺麗になっていくのも、ファッション誌で活躍する監督らしい。

結局、見終わった後、とても幸せな気分になれる小品だった。今、私が、主人公の美大生と同じぐらいの年齢だったら、どっぷり感情移入して、好きな映画ベスト・ワン!と叫んでいたような気がする。ただ、現在の私には、このラストは、あまりにも甘過ぎる。そういう意味では、自分が歳と共に失ったナイーヴさを思い知る映画でもあった。

なお、一瞬だけ登場した犬の名前が、"Kubrick Ellis"だとエンド・クレジットに出ていたが、監督の名字と、やはり写真家出身の映画監督 Stanley Kubrickと組み合わせた名前。何か意味があるのか、気になるのである。



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"Ils"08.2.2

実話を題材にしたという、フランス製ホラー映画を見てきた。邦題は、英語タイトルと同じ、「ゼム - Them」

この日は、レイトショーでの上映に先立って、岩井志麻子と中瀬ゆかりのトークショーが20分ほど開催された。岩井さんの小説も、中瀬さんが編集長を務める「新潮45」も読んだことはないが、TVのコメンテーターなどでは見たことのある両女史のトーク。まぁ、映画評論家じゃないし、上映前にネタバレする訳にも行かないので、他愛のないオバサン・トークだった(いくつかの衝撃の事実が明かされた対談ではあったのだが、「ネットには書き込まないでね」とのことだったので…)。

しかし、その後で上映された映画の方は、トークショーよりも遙かに盛り上がらない出来だった。林に囲まれた孤立した家に住む夫婦が、不気味な音を立てる何者かに襲われる。77分という短い作品だが、これなら、半分の時間でも十分だろう。それぐらい、内容が乏しい。米国産スラッシャー・ムービーのような派手でスケベな演出だったら、まだ許せたかもしれないが、そこは、おフランス製。勿体付けてるだけで無駄なカットが多すぎる。冒頭、「ラストは誰にも明かさないで欲しい」との監督のメッセージが表示されるのだが、殺人鬼の正体は、意外でも何でもなく、途中で想像できてしまうものだ。

こんな映画のために、夜中に時間を割いてそれなりのトークを披露した両女史のプロ意識に、むしろ感銘を受ける。その程度の映画だった。



昨年末、シンガポールに行った際、その失敗をやらかしました。駄目元で駅の窓口に行って、クレーム用紙を記入。先日、その回答がエアメールで到着。誠意はありがたいが、結果はやはり、証拠が無いので何とも出来ないとのこと。在住時には無かったミスなのになぁ…