IN/OUT (2008.5.18)

連休明けぐらいから、誰か呪われているんじゃないかと思うほど、職場でトラブル続きの今日この頃です。


out最近のIN

ASIA at 東京国際フォーラム08.5.12

ASIAのライヴを観に、東京国際フォーラムに行ってきた。

1982年の彼らのデビューは、衝撃だった。YES、KING CRIMSON、EL&Pのメンバーが集結したスーパー・バンド! デビュー・アルバムのジャケット・デザインは、Roger Dean!! しかし、超期待して針を落とすと、聞こえてきたのは、圧倒的なテクニックと大袈裟なアレンジで聴かせる3分間ポップス…。産業ロックに魂を売り飛ばした彼らには大いに失望したものだ。結局、一番地味なメンバーと思われたGeoffrey Downesのキーボード・プレイヤーとしての才能を認めたぐらいで、その後、彼らのアルバムを買うことは無くなり、また、ASIA自体もメンバー・チェンジを繰り返し、失速していった。

2006年、オリジナル・メンバーが再集結した彼らは、今年に入って新アルバムを発売。来日は昨年に続いて二年連続。なんだかんだ言っても、やはり、あのメンバー。観に行くことにした。

平日夜の東京国際フォーラム。観客には、背広姿のサラリーマンが目立つ。仰々しいファンファーレに続いて登場した四人。最年長(61歳)、Steve Howeの外見はすっかりおじいさんだ。John Wettonは、昨年、心臓の手術をしたらしい。高齢者バンドだけに、どんな演奏になるか心配だったが、なかなかどうして、力強いパフォーマンスが始まる。一曲目では、半分ぐらいが立ち上がった観客も、二曲目では総立ちに。

新アルバムが出たばかりだというのに、そこからの演奏は二曲だけ。あとは、初期のアルバムからと、各メンバーが所属していたバンドの代表曲が続く。オリジナル曲よりも、むしろ、他バンドの曲が楽しい。

  • Steve Howe=Yesからは、"Roundabout"(このメンバーだと、コーラス・ワークに無理があったが、個人的には今日の一番!)と、"The Clap"。
  • Carl Palmer=EL&Pからは、"Fanfare for the Common Man"(Howeのギターの絡みが格好良い)。
  • John Wetton=King Crimsonからは、何故か"The Court of the Crimson King"(これは、Wetton加入前の曲だ。名曲だから聴けて嬉しかったけど…。どうせなら、メタル・クリムゾンの時期の曲とか、いっそ、UKの曲とか演ればなぁ)。
  • そして、Geoffrey Downes=The Bugglesからは、"Video Killed the Radio Star"(場違いとも言えそうなポップ・ナンバーだが、会場、大盛り上がり)。

節奏が無いと思える選曲だが、彼らは、ASIAのアイデンティティを「有名バンドのメンバーが集結したスーパー・バンド」だと十分に自覚しているのだろう。どの曲もそれなりに弾きこなしてしまうのが、さすが強者揃い。とは言っても、各自の演奏テクニックは、客観的に見れば、衰えもあるだろう。特に、Steve Howeのギターは、危なっかしく感じる箇所が何度かあった。しかし、ベテランなのはバンドだけでなく観客も然り。懐かしの名曲が続くので、少々演奏に粗があっても、脳内で自動補正し、暖かく見守るのである。むしろ、コンサート終盤になってからアクロバティックなドラム・ソロを披露したCarl Permerの体力や、全く衰えていないJohn Wettonの声量(残念ながら、繊細さは失われているが)など、驚異的とも言えるだろう。

リアル・タイムでは産業ロックと馬鹿にしていたASIAの初期の曲も、実はしっかり耳に染みついていて、結局、プログレ風味の産業ロック、上等!と叫びたくなるほど、お腹一杯楽しんだのである。これを、歳と共に素直になったと考えるべきか、堕落したと断ずるかは難しいところだが。



そんな中、海外のカウンターパートからのメールに
Demo.. Dai-jobu yo (^_^)
とあって、和む。あるいは、萌えメールの書き方のようなHow Toが、海外女性の間で出回っていて、まんまと乗せられているのか?