IN/OUT (2008.12.14)

冬の矢野顕子強化月間で訪れた和光市では、縁の詩人、清水かつらに因んだ「全国『叱られて』歌唱コンクール」が毎年開催されているとのこと。もちろん、その童謡は知っているけど、それをコンクールのタイトルにしてしまうネーミング・センスに大笑い。


in最近のIN

Sheryl Crow at JCB Hall08.12.3

Sheryl Crwo Detours Pin BadgeSheryl Crowの公演を観に、JCBホールに行ってきた。

1993年のデビュー以来、9回のグラミー賞受賞。アメリカを代表する女性シンガー・ソングライターにして、姐御系ロックの第一人者であり、圧倒的な実力と人気を誇る、というのが彼女に対する私の認識だったのだが、定時で仕事を片付けようとし、今からSheryl Crowのコンサートだと言っても、職場に彼女のことを知っている人がいない…。そういえば、JCBホールというのも、3,000人の収容人員があるとはいえ、彼女クラスのミュージシャンにしては、手狭なのではないか? もしかしたら、日本での一般的認識は、私のそれとは大きく食い違っているのか?

とにもかくにも、JCBホールへ。席は、ステージをほぼ真横から見下ろす位置。距離は近いが、やはり正面から見たかった。また、場所のせいか、音響もよろしくない。歪んだ楽器の音がこもり、肝心のヴォーカルが沈みがち。さらに、目の前の席の女性二人組が「踊る人」。単に体を揺らすなんてものじゃなく、あたかも自分たちがステージ上のコーラス・ガールだと勘違いしているような踊りっぷり。こういう人がいてこそライヴが盛り上がるとは分かっていても、目の前だと、ちょっとキツイ。

しかし、そうした不満は、彼女のステージ・アクトで全て帳消し。Album "Detour"のジャケット写真を思わせる白の衣装で登場するや、一人でアコースティック・ギターをかき鳴らして、まず一曲。とにかく、その佇まいに、姐御系ロッカーのカッコ良さが溢れている。続いて、ギター二人、ベース、キーボード、ドラムス、パーカッション、女性コーラス二人のバックバンドとの演奏が始まる。ミディアム・テンポでへビーな、これぞアメリカン・ロックというプレイを、外連味無しに押しまくる。Sheryl姐は、アコースティック・ギターとエレキ・ギターを持ち替えつつ、時には、肩から下げたギターを背中に回してマイクを手にするのだが、長身の彼女がやると、なんとも様になる。

今日が、2008年最後のステージということで、アンコールでは、バンド・メンバーだけでなく、スタッフもクリスマスの被り物(サンタ帽とかトナカイの角とか。Sheryl姐はウサギの耳。似合っているかどうかは別にして…)を被って、舞台に上がってご挨拶。

彼女のライヴを観るのは今回が初めてだったが、"My Favorite Mistake"、"Everyday Is A Winding Road"、"Steve McQueen"、"If It Makes You Happy "、"Soak Up The Sun"と、是非ともライヴで聴きたかったお気に入りの曲も全て聴くことができ、非常に満足度の高い公演だった。



と思いきや、意外にも、その筋では有名なコンクールらしい。由緒ある童謡タイトルで笑ってしまうのは、こちらの心が汚れているのかしらん?