IN/OUT (2008.9.14)

自宅向かいに出来た24時間オープンのスーパーマーケット。深夜に行ってみると、日頃、通勤等で顔を合わせるご近所の人達とは明らかに違ったタイプの人が多く、結構色々な人が住んでいるんだなぁと実感する今日この頃です。


in最近のIN

「DON」~ ボリウッド・ベスト08.9.13

ボリウッド映画、「DON」を観てきた。

ボリウッド=Bollywoodとは、ハリウッド + ボンベイ(現在のムンバイ)の造語で、インドの商都、ムンバイで隆盛を誇る映画産業のことだ。現在、シネマート六本木で「ボリウッド・ベスト」と銘打ち、三作品を上映しているのである。いずれも、主演にボリウッドを代表する大スター、Shah Rukh Khan(以下、SRK)を起用したヒンディー語映画だ。今回観た「DON」は、2006年製作のアクション&サスペンス系の作品。

SRKが扮するDONは、マレーシアを拠点にする犯罪組織の若頭的な人物。裏切り者は躊躇なく殺す冷酷な男だ。そこに、DONを兄の敵として付け狙う美女、DONを執拗に追う刑事、その刑事に恨みを抱く男、DONになりすまし組織に潜入する青年と、多彩な人物が絡む。3時間近い大作で、途中に休憩時間が挟まる本場インドと同じ形式での上映となっている。

決めのポーズと殺し文句で、やたらとカッコをつける主人公。良く言えばスピーディー/悪く言えば意味不明なまでにせわしないカメラ・ワーク。落ち着いて考えれば辻褄の合わない箇所続出の、強引かつご都合主義のストーリー展開。そして、(アクション&サスペンス映画なのに)随所に挿入されるご陽気な歌と踊り。インド映画のお約束てんこ盛りだ。そして、驚愕の大どんでん返しが待つラスト。とにかく、恋もダンスもアクションも、観客が喜びそうな物を全部詰め込むという製作姿勢が貫かれていて、観ているこちらの脳内麻薬濃度は高まる一方。インド映画好きには至福の168分だ。

ただし、主にヒンディー語で製作されるボリウッド作品は、インド映画の中では全国区のメジャー作品だ。一方、私がこれまで好んで観てきたインド映画は、タミル語作品(タミル語が公用語の一つとなっているシンガポールでも、ヒンディー語映画よりタミル語映画を観る機会の方が多かった)。ボリウッド作品を在京の民放キー局制作のTV番組とするなら、タミル語映画は関西ローカルのTVバラエティのような感じだろうか。比べてみると、SRKがスマートなアクションを決める「DON」は、やはり垢抜けている。しかし、私としては、暑苦しいオヤジ顔の"SUPER ☆ STAR" Rajinikanth をカッコよく見せてしまう、異常なテンションに充ち満ちたタミル語作品の方が楽しいと感じてしまうのも事実だ。

なお、イベントの一環として、上映後のロビーでボリウッド・ムービーダンスショーが開催された。ボリウッド映画音楽に合わせて生でダンスが披露されるのだが、踊り手はダンススクールで学んでいる日本人。プロの踊りを巧みな編集で見せる映画の中のダンスとは、残念ながら大違い。なんだか、OL達が平日に溜め込んだストレスを、週末、踊り狂って発散させているような感じなのである。ラジカセから流れる大音量のインディアン・ポップスに合わせ踊りまくる一団と、それを取り巻く観客達(こういう上映会に集まる人達は、やはり「普通のおしゃれ」とは異質の雰囲気だ)。インド映画以上にシュールな光景が繰り広げられた真っ昼間の六本木だったのである。



イベントの一環と言えば、もう一つ、館内でお楽しみ抽選会も行われました。スポンサーのエア・インディアが提供してくださった景品の中で、キャラクターのフィギアには、思わず失笑が漏れる不人気ぶりだったのが、申し訳ないような。しかし、このキャラクター=マハラジャ君を紹介するサイトの文章、いかにもインド的誇張に満ちてますな。