IN/OUT (2008.6.22)

素人や芸能人のブログをまとめただけの安直な書籍が次々と発売される状況には、携帯小説の隆盛と同様、出版界の低脳化を感じてしまう訳ですが、それがまた売れるというのもねぇ…。そんな中、この度めでたく書籍化されたヒグマニアのセンスの良さは別格と確信するのは、依怙贔屓かしらん。


out最近のIN

Mike Stern Band at Blue Note Tokyo08.6.20

ギタリスト、Mike Sternの公演を観に、ブルーノート東京へ行ってきた。

Mike Sternを知ったのは、矢野顕子のアルバム「ELEPHANT HOTEL」収録の「てぃんさぐぬ花」でのギター・プレイ。さらに、矢野は、翌年のアルバム「PIANO NITHTLY」の中で、彼の作品「WHAT I MEANT TO SAY」をカヴァーしている。それらがきっかけで、彼のソロ・アルバムも聴くようになったが、ジャズ・フュージョン系のミュージシャンの中では、とても気に入っている一人だ。

今日のバンドは、トランペット、ドラムス、ベースを加えての四人編成だが、トランペットのRandy Breckerは、やはり矢野顕子の「CHILDREN IN THE SUMMER」で印象的な演奏をしている。さらに、ベースのChris Minh Dokyは「ねこがかくしているもの」に参加している他、ニューヨークのライヴで何度か矢野顕子と共演。ということで、出演者の内、実に3/4が矢野顕子縁のミュージシャンだったのである。

もちろん、Mike Stern Bandとしての演奏に、矢野色は無い。と言うより、演奏が始まると、そんな予備知識は吹っ飛んでしまった。先月観たKaki Kingなどは、どこか「頭」で聴いていた部分があったが、Mike Stern Bandの演奏は、直接「肉体」に響いてくる。Mike Sternのギターは、ソロが熱いのは言うまでもないが、トランペットやベースがメインを取っているときのバッキングがまたかっこいい。激しいプレイの応酬の中に、暖かく親しみやすいメロディ・ラインが出てくるところが、彼の作品の持ち味だと感じる。Randy Breckerのトランペットは、上手いの一言。Dave Wecklのドラムスだけは、最初、ちょっと好みの音じゃないと感じたのだが、終盤の激しいプレイにはすっかり釘付けに。そして、最高にクールだったのが、Chris Minh Dokyのベース。エレクトリック・アップライト・ベースを中心に、音数が多く図太いサウンドで、バンドをしっかり支えているという感じ。

最初から最後までテンション高い演奏に完全に没頭していた。スタンディングではなく座りっぱなしだったにも関わらず、終わってみれば、良い汗かいたという心地よい疲労感を覚えるほど、印象的なライヴ体験だった。



ヒグマニアの購入には、セブンアンドワイの通販を初めて利用したのですが、セブン-イレブンで支払いと受け取りが出来るというのは、うまく考えたシステムですな。