1995年10月21日発売
SONY MUSIC ENTERTAINMENT ESCB-1627
Produced by 矢野顕子
宮沢氏の優しさが満ち満ちたきれいな曲。いつもながら、このシリーズのピアノ及びヴォーカルの録音の良さには驚かされますが、一曲目だけに、とくにその印象が鮮烈です。
薬師丸ひろ子さんへの曲提供に当たって、「星の王子さま」を読んだことがなかった矢野さんが、大貫さんに作詞を依頼したそうです。
鈴木祥子さんは、このシリーズで取り上げられた中では若手の方だと思いますが、矢野さんのアルバムでバック・コーラスを務めたりもしていますね。
こちらは、矢野さん自身が、かつてバックを務めていたことがあるアグネス・チャンさん。歌謡曲というにはもったいない佳曲です。
Mike Stern氏の曲に矢野さんが詞をつけたもの。前年の「ELEPHANT HOTEL ツアー」で最初に披露されました。
フロッタージュとは、1925年、Max Ernstが創出した絵画における技法で、木などの凹凸面に紙を置いて上から鉛筆などでこすり、図柄を写し取るものだそうです。まぁ、そんな解説は野暮と思える、実になんとも、シュールな世界です。
DNPのサイト内にある陳岡めぐみ氏による解説を参考にさせていただきました。
一般には望郷の念を切々と歌うという解釈が多いこの曲ですが、矢野さんのこの軽快なアレンジは、はるばる見知らぬ国に旅してきたことのわくわく感がでているようで気持ち良いです。個人的には、「とんでったバナナ」を思い出したりします。
ストレートなタイトルに反して、ちょっと変わった詞です。それなりの人生経験が無いと歌えないだろうな、と感じます。
さらっとした、フォーク・ロックの調べです。因みに、オリジナルのJames Taylor氏は1968年デビューのシンガーソングライターです。1980年代後半から活躍するAcid Jazz系のプロデューサーとは同名異人です。
矢野さんが、こういう作り込まれたフィクション風に大人の恋愛を描いた詞を歌うのは珍しいかな。
1978年発表のアルバムに収録されたものですが、大貫さんのファンの間でいまだに強い支持を受けているというのもうなずける名曲です。
アルバムタイトルは、英語大文字表記を使いました。