地区 | 公演日 | 開演 | 会場 |
---|---|---|---|
福岡 | 12月5日(日) | 17:00 | メルパルクホール福岡 |
愛媛 | 12月7日(火) | 19:00 | 愛媛県民文化会館・サブホール |
滋賀 | 12月8日(水) | 18:30 | 滋賀県立水口文化芸術会館 |
東京 * | 12月11日(土) | 18:00 | NHKホール |
12月12日(日) | 15:00 | ||
愛知 | 12月14日(火) | 18:30 | 愛知県勤労会館 |
大阪 * | 12月17日(金) | 19:00 | フェスティバルホール |
* さとがえるコンサート2004 スペシャル<with くるり>
ソロ・バージョンでは、ピアノとヴィブラフォン。with くるり・バージョンでは、ピアノとハモンド・オルガンを演奏。
アルバム「ホントのきもち」でも活躍した、岸田繁(guitar & vocal)、大村達身(guitar)、佐藤征史(bass)からなる京都出身のロックバンド。サポートメンバーとして臺太郎(drums)が参加。
NHKホールとフェスティバルホールでの公演に出演。
* は、rei harakami氏と共演
# は、くるりと共演
* は、岸田繁氏と共演
* は、rei harakami氏と共演
# は、くるりと共演
* は、岸田繁氏と共演
* は、rei harakami氏と共演
# は、くるりと共演
* は、岸田繁氏と共演
新機軸。各会場の演奏曲を比較できるように並べてみた。
横スクロールが長くなるのは好きではないが、どちらが見やすいか、試行中。
さとがえるコンサート2004
メルパルクホール福岡 12月5日(日) |
愛媛県県民文化会館・サブホール 12月7日(火) |
滋賀県立水口文化芸術会館 12月8日(水) |
愛知県勤労会館 12月14日(火) |
|
1 | BAKABON | BAKABON | BAKABON | BAKABON |
2 | Watching You | 自転車でおいで | Watching You | ひとりぼっちはやめた |
3 | 行かないで | 行かないで | Happiest Drummer | SOMEDAY |
4 | House of Desire (Burnin' Down) | Nobuko | Nobuko | さようなら |
5 | Our Lives | 春風(くるり) | House of Desire (Burnin' Down) | Our Lives |
6 | Nobuko | Our Lives | ニットキャップマン | Nobuko |
7 | 椰子の実 | 風をあつめて | 行かないで | 愛について |
8 | Home Sweet Home | おいてくよ | かぜのひきかた | グッドモーニング(くるり) |
9 | おいてくよ | Too Good To Be True | おいてくよ | おいてくよ |
10 | Too Good To Be True | Night Train Home | Too Good To Be True | Too Good To Be True |
11 | Night Train Home | すばらしい日々 | Night Train Home | Night Train Home |
12 | ばらの花 | グッドモーニング(くるり) | ばらの花 | ばらの花 |
13 | また会おね | ラーメンたべたい | また会おね | GREENFIELDS |
14 | David | - | ラーメンたべたい | David |
アンコール | ||||
e-1 | グッドモーニング(くるり) | LOVE LIFE | おぼろづきよ | カンナ(岸田氏との共作。新作) |
e-2 | ひとつだけ | ごはんができたよ | ごはんができたよ | ひとつだけ |
さとがえるコンサート2004 スペシャル<with くるり>
NHKホール 12月11日(土) |
NHKホール 12月12日(日) |
フェスティバルホール 12月17日(金) |
|
1 | 風来坊(はっぴいえんど) | BAKABON | ひとつだけ |
2 | 椰子の実 (曲中、"Bullet with Butterfly Wings" by The Smashing Pumpkins 挿入) |
Watching You | SOMEDAY |
3 | Nobuko | こどもたち | Nobuko |
4 | 塀の上で | 雷が鳴る前に | Hard Times, Come Again No More |
5 | Our Lives | Our Lives | 春風(くるり) |
6 | グッドモーニング(くるり) | ニットキャップマン | 無風状態 |
7 | David | さようなら | すばらしい日々 |
8 | * Too Good To Be True | * Too Good To Be True | * Too Good To Be True |
9 | * Night Train Home | * Night Train Home | * Night Train Home |
10 | # まっ赤なビー玉 | # まっ赤なビー玉 | # まっ赤なビー玉 |
11 | # 窓(くるり) | # 窓(くるり) | # 窓(くるり) |
12 | # House of Desire (Burnin' Down) | # House of Desire (Burnin' Down) | # House of Desire (Burnin' Down) |
13 | # N.Y.C. | # N.Y.C. | # N.Y.C. |
14 | # 行かないで | # 行かないで | # 行かないで |
15 | # おいてくよ | # おいてくよ | # おいてくよ |
16 | # カンナ(岸田氏との共作。新作) | # カンナ(岸田氏との共作。新作) | # カンナ(岸田氏との共作。新作) |
アンコール | |||
e-1 | ** ばらの花 | ** ばらの花 | ** ばらの花 |
e-2 | LOVE LIFE | PRAYER | PRAYER |
* は、rei harakami氏と共演
# は、くるりと共演
* は、岸田繁氏と共演
ツアーは中盤だが、くるりとの共演ということでは今日が初日である。ステージ左側にピアノとハモンドオルガン。右側にドラムセットやギターアンプなどがセットされている。また、NHKのTVカメラが入っている。私の席は、二階のLブロック。なお、ツアーグッズは、パンフレット、携帯ストラップとクリーナー。それらを収納するトートバックの4点(セット販売も有り)。携帯クリーナーは、糸井画伯による、カエルではなくて犬の絵(ほぼ日の「Say Hello!」絡み)。
まずは、ピアノ・ソロ。後のMCで矢野さん自らが「皆さんの期待を裏切る」と言った、意表をつく選曲でスタートした。ピアノ・アレンジのあちこちに、新しい試みが施されているようだが、前半は、やや、肩に力が入った演奏のように感じられた。
「David」が終わると、事前にはアナウンスされていなかったゲスト、ハラカミ氏登場。この共演が素晴らしい。夏の公演で共演された時には、ハラカミ氏のようなタイプのミュージシャンがライブでプレイすることの意義がもう一つピンと来なかったのだが、今日の演奏は、矢野さんのピアノ&ボーカルとハラカミ氏のサウンドとの間に、ライヴならではの呼吸感のようなものが詰まっているという感じだ。特に「Too Good To Be True」の演奏は、美しく、奥深く、緊張感もあり、鳥肌が立ちそうだ。
ハラカミ氏と入れ替わりにくるり登場。服装は皆、白のドレス・シャツ。「ホントのきもち」収録曲に、くるりのナンバーと、さらに「本番開始10分前に、歌詞の最後の一行が完成した」という出来たてほやほやの新曲を演奏。ギター・バンドとの共演に矢野さんはとても嬉しそうだが、くるりの方は一杯一杯、という感じがしないでもない。ソング・ライティングにおける岸田氏の才能と矢野さんとの相性の良さは素晴らしいと思うが、くるりというバンドとしての演奏能力自体は、可もなく不可もなく、というところだろうか。「ホントのきもち」のくるり参加曲では、Cliff Almond氏がドラムを叩いているので、どうしても比較してしまうのが、サポートメンバーの臺さんには不利だったかもしれない。その辺の先入観無しに聴けば、なかなかパワフルなドラムだったのだが。あと、後半は、ロック・バンド的音を優先したPAのセッティングで、矢野さんのボーカルが埋もれてしまっていたのが残念だ。
アンコールは、ハラカミ氏のトラックをバックに矢野さん & 岸田氏が唄う「ばらの花」。カーテンコールに応え、全員で挨拶した後、矢野さんのソロ「LOVE LIFE」で終了。
今日の私の席は、二階のRブロック。
昨日同様、矢野さんのソロでスタートだが、出来の方は全く違う。今日はTVカメラが入っていないせいだろうか? どの曲も、本当に充実した印象深い演奏だ。特に、岸田氏がリクエストしたという懐かしの「こどもたち」が嬉しい。
そして、昨日同様、ハラカミ氏、そして、くるりとの共演。くるりの皆さんは、昨日のMCで予告した通り、夏休みの子供を意識した服装で登場。演奏も、昨日よりは余裕が出てきたように見える。
アンコール最後の「PRAYER」まで、今日は、本当に充実した演奏だったと思う。
二日を通しての感想だが、くるりの皆さんは、矢野さんに対して、まだ遠慮があるのだろうか? 矢野さんのバックで演奏させていただいている、という雰囲気が拭いきれない。一方、矢野さんの方はとても楽しそうだ。この関係は、なんだか夏の野外イベントの方が似合うような気がしてしまう。私がそう感じてしまうのは、「さとがえる」ブランドのコンサートに、以前のさとがえるトリオの求道者的な、あるいはミュージシャン同士の果たし合い的な、緊張感溢れるステージを求めてしまっているからなのだが。楽しいという意味では、特に日曜の公演は文句なしだし、演奏自体も、けっして下手ではない。ただ、私には、岸田氏の存在以外に「くるり」と共演することの必然性が、この段階では見えていなかった。結局、くるりよりも、ハラカミ氏との共演の方が印象深かったのが皮肉である。
東京以外の公演で心配していた客の入りだが、一階席に7〜8割といったところだろうか。まぁまぁだろう。私の席は2列目。ピアノに座る矢野さんの真横という、ほぼベストの席だ。場内には、TVカメラが設置されていて、ちょっと不安になる。
案の定と言うか、出だし、歌詞が怪しくなる箇所が目立つ。そこをうまく誤魔化しつつリカバリーするのが見事と言えば見事だが…。しかし、演奏自体の調子は良いようだ。「SOMEDAY」の演奏など、本当に素晴らしかったのだが、途中、携帯電話の着信音が…。後でもー度、携帯電話あるいは時計のアラーム音が鳴り響き、非常に残念。鳴らしちゃった人の猛省をお願いしたいところだ。
「Nobuko」の演奏前には、信子さんが実在の人物で、この2月に亡くなられたこと。親しかったその人への感謝を曲に表したことが語られた。そのせいだろうか、他の曲以上の熱演に感じられた。しかし、やはりTVカメラの魔力なのか、この後も相変わらず、歌詞が怪しくなる曲が多い。
ピアノ・ソロでは初めて聴く「おいてくよ」の後、ヴィブラフォンが運ばれ、ハラカミ氏のトラックをバックに「Too Good To Be True」と「Night Train Home」。贅沢な話だが、NHKホールでの「生ハラカミ」を体験してしまうと、彼の不在の大きさを痛感してしまう。矢野さんのヴォーカルも、ヴィブラフォンの演奏も良いのだが、どうしても「テープに合わせている」という印象になってしまうのだ。結果的に、NHKホールで感じた、ミュージシャン間の相互作用が生み出す魔力を再認識させられることになった。因みに、このヴィブラフォンは特別に低音域まで出せるようになっている物だそうだ。そのため、通常の物より、演奏中の移動距離が大きく、かつ、ペダル操作の必要もあるため、ヒールを履いては演奏できないとのこと。よって、裸足なのである。
最後になって、TVカメラの呪縛が解けたのか、素晴らしい「GREENFIELDS」の演奏の後「David」で本編終了。
アンコールで登場した矢野さん、歌詞カードを探す。目当ての曲が、最初に持ってきた中に入ってないようで、追加で歌詞カードの束をスタッフに持ってきてもらい、指を舐めながら、歌詞カードをめくるめくる、探す探す。急に気が変わって「ある曲」を演奏したくなったそうだ。スタッフから「巻き」のサインが出ているらしく、焦りながらも、ついに「ある曲」を発見。矢野&岸田組の新曲「カンナ」だった。これが良かった。NHKホールではPAのバランスのせいで歌詞が聴き取りにくかったこともあるが、バンド演奏で聴いた印象を遙かに上回るピアノ・ソロ・バージョンである。これほどの佳曲とは思わなかった。弾き語り公演も見に来て、大正解だ。嬉しい。
ラストは、「ひとつだけ」。選曲自体はTV放映を考えてのものだという気がするが、曲の締めの直前、ピアノを弾きながら最後の挨拶、そしてラストのワン・フレーズ、という進行が完璧に決まっていて、ああ、これで(私にとっての)さとがえる2004は終わりだなぁと、しみじみと落涙。新幹線の時間が迫っていたのか、矢野さんは割にあっさりと退場されてしまった。
2004年は、これまで以上に、矢野さんが色々な変化に挑戦した年だったと思う。その集大成にして、来年以降のさらなる変化への意志表明でもあったのが、このさとがえるコンサートだったのだろう。そういう意味では、聴く側の私の方が、保守的になってしまっていたのかなと、三公演を振り返ってみると感じる。若手ミュージシャンに自分のスタイルを押し付けるのではなく、共同作業を通じて自分自身の変化を目指す姿勢と、それを、あれだけの楽しさに包んで提示できるライヴ・パフォーマーとしての実力を評価すべきだし、今後、どのように発展していくのか注目していきたい。あるいは、元々くるりが好きな若い人は、あれこれ考えずに、もっと純粋に楽しんでいたのかもしれない。
一方、弾き語りにおいては、ピアノ・アレンジへの工夫と、言葉の意味を伝える力が印象的だった。歌詞については、聞く側の肉体的、精神的コンディションで、受ける物が大きく変わってしまうと思うので客観的なところは判断しにくいが、ここ最近の、矢野さんの「歌詞に込められた意味を伝える力」は、とても強まっているのではないだろうか。
MCでは、2006年のデビュー30周年 & さとがえる開始10周年のことを、しきりにおっしゃっていたが、その前に、来年が、第10回さとがえる。果たして、どのようなものになるのか、今から楽しみだ。
森村さん、中條さん、ちはる@広島さん、アキヒロさん、ありがとうございました。
追加情報、誤りの指摘等ありましたら、メールにてお知らせください。