地区 | 公演日 | 開演 | 会場 |
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大阪 | 11月30日(金) | 19:00 | フェスティバルホール |
広島 | 12月2日(日) | 18:00 | 広島クラブクアトロ |
福岡 | 12月3日(月) | 19:00 | メルパルクホール福岡 |
名古屋 | 12月5日(水) | 19:00 | 名古屋市民会館 |
東京 | 12月6日(木) | 19:00 | 文京シビックホール |
12月8日(土) | 19:00 | NHKホール | |
12月9日(日) | 15:00 | ||
大阪 | 12月10日(月) | 19:00 | 厚生年金会館芸術ホール |
札幌 | 12月12日(水) | 19:00 | 札幌市民会館 |
仙台 | 12月14日(金) | 19:00 | イズミティ21 |
東京 | 12月16日(日) | 18:00 | 渋谷CLUB QUATTRO |
12月17日(月) | 20:00 |
さとがえる1年目に戻ったかのような体型になられていました。これは健康に戻ったということなのかがちょと心配。ツアー前、左ひじあたりを負傷したという話もありました。しかし、そのような不安をよそに、演奏の方は絶好調。ベース・ソロではうなり声をあげながらの熱演。
ドラムス以外にも、「Good Guy」後半のソロパートではDJ Boxを駆使し、「みちでバッタリ」ではギター、「おぼろづきよ」ではシンセサイザーも演奏。年々、見せ場が増えているという感じです。
グランド・ピアノの他、エレピとシンセサイザー。後ろに置かれていたオルガンは、直接弾いてはいませんでしたが、MIDIでコントロールし、音源として使用されていたようです。鍛錬の成果か、腕も足も、とても引き締まっていたのが印象的。ヴィブラフォンの演奏も堂に入ったものでした。
今年は、文京、NHKホール×2、芸術ホール、クアトロ、と都合5回見ることができた。それだけの価値が十分にある、聴き応えのある演奏だった。
まずは、一曲目の「BAKABON」でやられた。ロックと言いきって良いような、ノリのよい引き締まった音だ。矢野さんの歌唱法も、これまでになく、力強い。そして、この印象は最後まで続くことになる。
「きょうのわたくし」ではヴィブラフォンの弾き語り(という言葉遣いでいいのかな)も披露。この手の、古く地味なタイプの曲に新しい試みを加えて演奏してもらえるというのは、嬉しい。何よりも、矢野さんの工夫や努力が感じられる。
「Good Guy」での、ほとんどプログレのようなCliffのソロの後、ソロ・コーナーを挟んで、オフコースのカバー。途中に挿入された「秋の気配」はとても好きな曲で、その美しい旋律に涙。やはり懐かしい「みちでバッタリ」は、実は西洋音楽理論が身についたミュージシャンには難しい曲なのだそうだ。
ヴィブラフォンを演奏しながらの「おぼろづきよ」。Anthony氏のベース・ソロから再び矢野さんのヴィブラフォンが絡んでいく辺りが、清逸で深みある美しさに満ちていて、とても気持ち良くなる。
一転、スタンディングで歌う「You Are What You Eat」のダンサブルなアレンジは、これまた個人的つぼにはまるシンセ・サウンドだ。ニューロマンティックの頃のUKロックを思い出したりして、嬉しくなる。
新曲三連発からバンド版「SUPER FOLK SONG」に至る終盤は、例によってさとがえるバンドの怒涛のプレイが炸裂。今年は荒々しいと言えるほどの激しさだったと思う。
アンコールの「どんなときも どんなときも どんなときも」の終盤、来年の再会を誓う語りをはさんで終了。バラエティに富んだ選曲と新しいチャレンジ。マンネリになるどころか、毎年、進化を見せつけて驚かせてくれるさとがえるバンド。つくづく、たいしたものである。
初めて行った文京シビックホールは、きれいで、クロークや飲食コーナーも充実。区の公共施設とは思えない立派さである。しかしながら、会場の入りは6〜7割といったところだろうか。一階後方から二階にかけては空席が目立つのが、かなり寂しい。また、私が座った場所では、残響が気になり、あまり音響も良くない印象だ。
また、私の席からはヴィブラフォンの陰になって、せっかくのソロでAnthony氏の姿が見えなかったのが残念。
嬉しかったのは、「モスラの歌」が聴けたこと。昔から好きな曲だったが、まさか矢野さんが取り上げてくれるとは。因みに、これを歌う前に、散々何を演奏するか迷った矢野さんは「釣りに行こう」と「GREENFIELDS」も会場に問いかけたのだが、結局「モスラ」を演奏。個人的には大喝采。選に漏れた二曲を聴きたい人はNHKホールに来てくださいとのことだったが…
さすがに、NHKホールは、ほぼ満員になるようだ。特筆すべきは、土曜日のテンションの高さ。今回、私が見た中では、ベストの演奏だったと思う。ソロの「GREENFIELDS」など、凄い迫力だった。因みに、これは、文京シビックホールでの約束を果たした選曲。
一方、日曜は、開演時刻が早いせいか、前半はもう一つ、という印象だったが、後半になるにしたがい、どんどん調子が上向いた、という感じだ。また、ソロでは、文京シビックホールでの約束「釣りに行こう」の歌詞カードを忘れるというハプニング発生。仕方なしに「相合傘」を歌った後に歌詞カードが届き、結局、ソロが4曲になるという嬉しい誤算となった。
このホールには初めて行ったのだが、トリオ編成だと、これくらいの大きさがちょうどではないだろうか。プレイヤー同士の距離感、プレイヤーと観客の距離感が、ともに良い頃合だと感じた。幸い、前から7列目だったこともあり、演奏者のアイ・コンタクトの様子が良く見える。東京公演に比べ、Cliff氏がとても上機嫌な様子だったのが印象的。
演奏のテンションも、土曜日のNHKホール並に高かったように思う。特に、ソロ・パートの三曲。間奏中にMCを挟んで盛り上げた「Brooklyn Bridge」。久々「HOME SWEET HOME」。舞台監督の携帯電話の着信メロディに使われていた縁で「ひとつだけ」。いずれも名演。
私にとっては、久しぶりのクアトロだったが、やはり、ここでの演奏は特別だ。かなり曲数が少なく、矢野さんのソロも無いのだが、リラックスして楽しそうなプレイヤー達の表情を見ていると、こちらまで嬉しくなってくる。
矢野さんの衣装も、ジーンズになって、リラックス度アップ(ただし、アンコールではきっちりティアラを着けておられたが)。また、ホールと違い、Cliff氏のソロ・プレイの間、矢野さんも舞台上に残ったままなので、彼の変拍子に合わせて踊るお姿も拝見することができた。
演奏自体はもちろんクオリティの高いものだったが、さすがクアトロ、というほどの盛り上がりではなかったかもしれない。しかし、ラスト「さとがえる恒例! ちいさい秋!!」の演奏が凄かった。ホールでは披露しなかった曲なので、あるいは、他の演奏曲目ほど、きっちりしたリハーサルを重ねていないのかもしれない。しかし、それが、かえって各自のプレイの自由度を高めていたように感じられる。まさにクアトロの醍醐味。堪能させていただいた。
melmelさん、ちはる@広島さん、こけつさん、此木田さん、かのさん、沢田さん、森村さん、ありがとうございました。