地区 | 公演日 | 開演 | 会場 | ゲスト |
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埼玉 | 12月2日(日) | 18:00 | 三郷市文化会館 | 松崎ナオ |
大阪 | 12月4日(火) | 19:00 | サンケイホールブリーゼ | 大貫妙子 |
愛知 | 12月5日(水) | 19:00 | 名古屋市芸術創造センター | YUKI |
東京 | 12月9日(日) | 18:00 | NHKホール | 奥田民生、細美武士 |
宮城 | 12月11日(火) | 18:30 | 仙台電力ホール | 松崎ナオ |
矢野さんの高校の先輩。なのに、初日のMCでは矢野さんから「部下」扱いされる一幕も…。ここ数年の年末は、かなりの頻度で矢野さんと共演されていますね。
先輩を部下呼ばわりしてしまった「工場長」。ATMで振り込みが出来たことが(今まで、振り込みが出来ること自体、ご存じなかった…)、今回の来日での一大達成だったそうです。
12月2日 三郷市文化会館と、12月11日 仙台電力ホールのゲスト。純粋というか天然というか、とにかく自然体の人、という印象です。
12月4日 サンケイホールブリーゼのゲスト
12月5日 名古屋市芸術創造センターのゲスト
12月9日 NHKホールのゲスト。何度か共演を重ねてきただけに、矢野さんとの会話も弾んでいました。
12月9日 NHKホールのゲスト。笑いを取るという使命感を感じさせるステージで、細見さんとは好対照。
* は、松崎ナオ氏が参加
いかにも地方都市の市民会館といった風情の三郷市文化会館。客入れの音楽は、Reed and Carolineのようだ。舞台上、向かって左に置かれたピアノはBECHSTEIN。さらにKORGのKRONOSもセットされている。その隣がベース、続いてドラムス、右端がギターという配置。
まず、矢野さんが一人で登場し、ピアノをつま弾き始める。そして「ギター、佐橋佳幸」。佐橋さんが登場し、ギターを1フレーズ。続いて「ドラムス、林立夫」。演奏にドラムスが加わる。「ベース、(歌うように)小原礼!」。全員が揃って演奏が始まったのは、「海と少年」。久々に聞く端正な矢野ポップス(大貫さんの作品だけど…)、という感じ。嬉しくなる。
さらに、2曲目は「自転車でおいで」。佐野元春氏のパートは、口笛も歌唱も、佐橋さん。オリジナルを重視したようなアレンジでのライヴ演奏。昔からのファンには、しみじみ落ち着く。
3曲目「When We're in Space」は、新アルバムから。Reed and Carolineのシンセ・サウンドとは全く違うバンド・バージョン。佐橋さんと小原さんのコーラスが良い感じ。このアレンジ、このツアーが進むにつれて、もっと化けそうな気がする。続く「バナナが好き」は、やはり一人の歌唱だと寂しいかな。「わたしと宇宙とあなた」は、好きな曲なのに「Welcome to Jupiter」収録曲の中ではライヴで採り上げられる頻度が少なかっただけに、嬉しい。と、ここまでの3曲、すべてロケットに関わる曲。
ロケット3基打ち上げた後は、またまた懐かしの「夏の終り」。しみじみ良い曲だ。矢野さんが何気にピアノとエレピの同時弾きを決めている姿に痺れる。
「Smile」の演奏では、小原さんがパーカッション。佐橋さんはマンドリンを演奏。「Paper Doll」をカッコ良いバンド・サウンドで締めて、第一部終了。
休憩後、まずは弾き語りで「パール」。そして、ゲストの松崎ナオさん登場。エレキギターを持って、センターへ。矢野さんと二人で「美しい」(2015年 ギター弾き語りアルバム「39」収録)。さらに新アルバム収録の「大人はE」。私は、彼女を生で観るのは初めてだったが、矢野さんとの会話の自然体ぶりに驚かされた。
松崎さんと入れ替わり、バンドが再登場。「湖のふもとでねこと暮らしている」もまた、嬉しい選曲だ。「あなたとわたし」では、佐橋さんはスチールギターを演奏。そして、「ただいま」。テクノの印象が強いこの曲を、バンド・サウンドで見事に演奏。やはり、このメンバーの演奏力は半端ないと実感。それは「津軽海峡・冬景色」でも思い知ることになる。
まさかの鉄板曲2連発で本編終了。アンコール1曲目は、松崎さんと矢野さんの二人で、(矢野さんも大好きだという)NHK「ドキュメント72時間」のテーマ曲、松崎ナオさんの「川べりの家」。1番を松崎さん、2番を矢野さんが歌い、最後、スタイルの違う二人のヴォーカルがハモるところが、実にカッコ良い。
松崎さんと入れ替わり、バンド登場。佐橋さんはツアー・グッズの「数学が得意になるTシャツ(効果には、超個人差があります。)」に着替えている。そして演奏したのは「ラーメンたべたい」。アルバムに近いオーソドックスなアレンジながら、ノリノリの演奏。これで全編終了。ほぼ3時間。
新しい試みに度肝を抜かれ、緊張しつつ興奮するというパターンも多い矢野さんのライヴだが、今回のさとがえるは、お馴染みのミュージシャンをバックバンドに、懐かしい曲も多めのセットリストということで、とてもリラックスして楽しむことが出来る。今日は初日ということで、何カ所かバタついた感じもあったのだが、この後、ライヴを重ねると、良い感じに熟成して、さらに楽しめるものになるような気がする。
* は、細美武士氏が参加
* は、奥田民生氏が参加
客入れの音楽は、Reed and Carolineの"Hello Science"。舞台上、今回も、向かって左に置かれたピアノはBECHSTEIN。さらにKORGのKRONOSもセットされている。その隣がベース、続いてドラムス、右端がギターという配置。
まず、矢野さんが一人で登場し、ピアノをつま弾き始める。そして「ギター、佐橋佳幸」。佐橋さんが登場し、ギターを1フレーズ。続いて「ドラムス、林立夫」。演奏にドラムスが加わる。「ベース、小原礼」。全員が揃って演奏が始まったのは、「海と少年」。やはり、久々の端正な矢野ポップスは良いなぁ。
2曲目は「自転車でおいで」。佐野元春氏のパートは、口笛も歌唱も、佐橋さん。オリジナルを重視したようなアレンジでのライヴ演奏。三郷の時よりも佐橋さんも余裕があるようだ。
「ここから、三基、ロケットを打ち上げますよ」という矢野さんの宣言の後、3曲目、新アルバムから「When We're in Space」。Reed and Carolineのシンセ・サウンドとは全く違うバンド・バージョン。佐橋さんと小原さんのコーラスが良い感じ。そして、「バナナが好き」、「わたしと宇宙とあなた」と続く。やっぱり、「わたしと宇宙とあなた」は、もっともっとライブで取り上げてもらいたい良い曲だと実感するが、矢野さんの歌詞が飛びがち。今日は、全体的に、歌詞に関しては怪しくなる局面が多かったようだ。
残念ながら、三郷で演奏されてしみじみした「夏の終り」は、カット。「Smile」の演奏では、小原さんがパーカッションを奏でながら、平井堅氏のパートを歌唱。平井氏のように歌唱力を前面に出すのでは無く、味わい重視のヴォーカルだが矢野さんとの相性は悪くない。そして、山下達郎氏が矢野さんのために書いた(と、本人は思っている)「Paper Doll」。佐橋さんに言わせると「新曲」ということだが…。BECHSTEINの響きを活かしたピアノ弾き語りでワンコーラス。そこからバンドが入ってくる。矢野さんのエモーショナルなキーボード、そしてピアノが響き渡るのをしっかり支えるリズム隊。名演だ。ここで第一部終了。
休憩後、まずは、たっぷりと商品紹介をしての物販告知。さらに、BECHSTEINについて、一音一音をそのまま響かせ、ピアニストを甘やかさないピアノだと(それに対して、Steinwayは、華やかな倍音が拡がるということだ)語った後、弾き語りで「横顔」。そして、ゲストの一人目、細見武士さん登場。エレキギターを持って、矢野さんと二人で「When I Die」。細美さんが大好きな曲と言うだけに、単に、交互にヴォーカルを取るのでは無く、しっかりと絡み合うハーモニーとギター。心に響く演奏だ。演奏後は、細美さんと矢野さんの会話が弾む(真剣に宇宙飛行士を目指す矢野さんの話。細美さんは「ZOZOの社長を全力で口説きますよ」)。そして、何度かの共演ですっかり熟成された感のある「やさぐれLOVE♥」。これもまた、お二人の声域の限界まで攻めるような熱演。
細美さんと入れ替わり、二人目のゲスト、奥田民生さん登場。Bob Dylanを目指してレキシにしかならなかったという髪型が、矢野さんのウィッグとシンクロしている。サービス精神たっぷりに笑いを取る奥田さんと矢野さんの軽妙な絡みの内に、2016年の「ふたりでジャンボリー」でも披露した「フェスティバル」と「父」。
バンドが再登場し。「湖のふもとでねこと暮らしている」。このバンドにピッタリ合った曲だと思う。「あなたとわたし」では、佐橋さんはスチールギターを演奏。そして、「ただいま」。テクノの印象が強いこの曲を、バンド・サウンドで見事に演奏。「津軽海峡・冬景色」は、三郷の時以上にリズムのキレが研ぎ澄まされた感じがする迫力の演奏。
鉄板曲2連発で本編終了。そして、アンコール一曲目には奥田さん・細美さん・バンドの全員が登場。トキオドライブを小原さんのヴォーカルで、アオモリドライブを矢野さん、ヒロシマドライブを奥田さんで、楽しく演奏。カウベルを持ってコーラスに撤する細美さんが、やや手持ち無沙汰な感じだったのが残念(彼は、茨城寄りの千葉県出身だそうだ)。その楽しさを引きずったのか、締めのラーメンは矢野さんのピアノ&キーボード演奏がキレキレ。これで全編終了。
やはり、三郷の時と比べると、それぞれの曲の完成度が高まっていると感じる演奏だった。一方で、久々に1980年代の王道矢野ポップスを再現する安定感のある演奏ということで、聴く側に無用な緊張を強いることの無いサウンドなのが実に心地よい。そこに、奥田さんと細美さんという二大ゲスト。何とも、贅沢かつ嬉しい公演だった。
* は、松崎ナオ氏が参加
会場は、オフィスなども入っているビルの7階。普通のオフィスビルっぽいエレベーターで行くことになるので、あまりホールらしさは無い。キャパは1,000席。
これまでと同様、客入れの音楽は、Reed and Carolineの"Hello Science"。舞台上、向かって左に置かれたピアノは、今回はSteinway。さらにKORGのKRONOSもセットされていて、その隣がベース、続いてドラムス、右端がギターという配置は今まで通り。
例によって、まず、矢野さんが一人で登場し、ピアノをつま弾き始め、「ギター、佐橋佳幸」。佐橋さんが登場し、ギターを1フレーズ。続いて「ドラムス、林立夫」。演奏にドラムスが加わり、「ベース、小原礼」。全員が揃って「海と少年」の演奏になだれ込むのだが、この流れが実にスムース。これこそ、ツアー最終日の熟成感だろう。さらに、2曲目の「自転車でおいで」にシームレスにつなぐ構成になっていて、非常に心地よい。佐橋さんによる口笛と歌唱もすっかり板についた感じだ。
見事な導入部から、ロケットの部へ。初日の感想で「このツアーが進むにつれて、もっと化けそうな気がする」と記した「When We're in Space」。Reed and Carolineのシンセ・サウンドとは全く違うバンドアレンジが、予想通り、いや、予想以上に仕上がった感じだ。そして、「わたしと宇宙とあなた」、やっぱり良い曲だなぁ。特に「今までで一番速いロケット」のくだりが大好きなのだ。最後のロケットが打ち上がるSEに合わせて、しっかりと宙を見上げるポーズを決める小原さんと、やや照れながらも、それに合わせる林さん・佐橋さんの姿も楽しい。
「Smile」の演奏では、今回も、小原さんがパーカッションを奏でながら、平井堅氏のパートを歌唱。小原さんは、NHKホールの時より、よく声が出ていたと思う。そして、山下達郎氏が矢野さんのために書いた(と、本人は思っている)「Paper Doll」。ピアノ弾き語りでワンコーラス。この部分が、今まで以上に崩した感じ。ピアノと対峙し、鳴らしている印象のBECHSTEINと比べ、Steinwayだと、より、ピアノと矢野さんの身体が一体化しているような演奏になるという印象だ。その後、小原さんのベースを皮切りにバンドが入ってきて、中盤の矢野さんのエモーショナルなキーボードとピアノ、それを支え、さらには盛り上げるバンド、という演奏になるのだが、皆、物凄い昂揚感のあるプレイだ。今回のセットリストは、敢えてオリジナルに忠実な、慣れ親しんだ感じのある演奏が多いが、この曲と、後半の「津軽海峡・冬景色」は、突出して尖っていると思う。ここで第一部終了。「今日で最後なのが、とっても名残惜しいです。私たち、とっても練習したのにねぇ」と矢野さん。退場するバンド3名の表情にも達成感が見えるようだ。
休憩後、まずは、たっぷりと商品紹介をしての物販告知。弾き語りで「横顔」。そして、ゲストの松崎ナオさん登場。三郷ではシンプルな黒のTシャツ姿だったが、今回は鹿の一族のPV撮影で使った衣装をまとっての登場。エレキギターを持って、矢野さんと二人で「美しい」(2015年 ギター弾き語りアルバム「39」収録)。「この曲を作ったのは、大分前なの?」という矢野さんの問いかけに「昔っす。5年ぐらい前」。「あらー、私たちの年代だと5年前なんて最近のことよ」などと、前回よりも打ち解けた感じの会話が弾むが、やはり、この人、自然体だなぁ。もう1曲、新アルバム収録の「大人はE」。
松崎さんと入れ替わり、バンドが再登場。「湖のふもとでねこと暮らしている」。もう、このバンドのための曲と言って良いほどのハマり具合。「あなたとわたし」では、前川清氏の不在を埋める佐橋さんのスチールギターが良い味だ。そして、「ただいま」。このバンドの演奏力の高さが際立つ。畳みかけるように「津軽海峡・冬景色」。矢野さんのピアノも凄いことになっていたが、林さんのドラムもキレキレ。演奏後、「今日は波が荒かった」「どんな船も座礁しそう」。
鉄板曲2連発で本編終了。アンコールでは、矢野さんと松崎さんが手を繋いで登場。松崎さんはギターは持たず、ハンドマイクのみ。矢野さんのピアノ伴奏でNHK「ドキュメント72時間」のテーマ曲、「川べりの家」。1番を松崎さん、2番を矢野さんが歌い、最後、スタイルの違う二人のヴォーカルがハモるところが、やはり、ゾクゾクするほどカッコ良い。
松崎さんと入れ替わり、バンド登場。まずは、最終日ということで、ツアースタッフへの感謝の拍手。そして、「ラーメンたべたい」。アルバムに近いオーソドックスなアレンジながら、ノリノリの演奏。NHKホールよりも、さらに凄いことになっていたと思う。これで全編終了。
今日は、非常に充実した演奏だったと思う。大会場のNHKホールが、ゲストを二人招いて、盛大に盛り上がるという雰囲気だったのに対し、規模の小さいホールで、ハイ・クオリティで親密感の深い演奏を聴かせてくれたという印象だ。そんな中、「Paper Doll」や「津軽海峡・冬景色」での自由奔放なプレイの炸裂もあり、極めて満足度が高い。来て良かった。贅沢を言えば、今日の、この会場で、初日のみでセットリストから消えてしまった「夏の終り」を、もう一度聴きたかった。
それにしても、今回のさとがえるは、お馴染みの日本人プレイヤーをバックにした懐かしい曲の再現という温故知新感と、凄腕ベテラン・ミュージシャンによる新曲の新解釈という両面が楽しめ、さらに、彩りを加えるゲストの出演もあり、本当に楽しめるものだった。大感謝である。