公演日 | 会場 | ゲスト |
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2月13日(金) | サンケイホールブリーゼ | 岡林信康氏 |
2月14日(土) | 細美武士氏 | |
2月15日(日) | 清水ミチコ氏 |
* は、岡林信康氏と共演
* は、細美武士氏と共演
* は、清水ミチコ氏と共演
大阪に新しくオープンしたサンケイホール・ブリーゼ。初めて訪れたが、ビルの7階に位置するホールの下のフロアには、お値段高めの「名店」が揃っていて、開演前の時間潰しには良さそうだ。
ホールは、入り口付近が白で統一された空間。一方、劇場内部は、壁も椅子も床も黒で統一された空間になっていて、この鮮やかな対比がお洒落。キャパは912席と小振りだが、良い感じのホールだ。舞台上には、二台のグランドピアノが向かい合わせに置いてある。両脇のPAスピーカーは、小型の物をタワー上に積み上げた、あまり見かけない形式だ。
矢野さんが登場し、演奏開始。ホールの響きも上々。あまり音量で無理をしないPAセッティングになっているようで、ピアノとヴォーカルのバランスが良い、とても素直な音響だ。
4曲目の途中、喉の具合がおかしくなったようで、演奏後、のど飴を口に入れる矢野さん。ここで、劇場のコーヒーショップの軽食メニューに「のど飴(100円)」が並んでいるというMCがあり、場内の笑いを誘っていたが、特に冬場は、公演中に咳が気になることも多いわけで、よく考えられた品揃えかもしれない。
いつも以上に弾けた「椰子の実」の後、ハンドマイクを持って立ち上がり、本日のゲスト、清水ミチコさんを紹介。メインのピアノを清水さんに譲り、矢野さんは下手側のピアノに移動。私にとっては、この移動により矢野さんが正面になったので、ちょっと嬉しい。
まずは「丘を越えて」。ワンコーラス目を清水さんが歌い、続いて矢野さんなのだが、やはり似ている!この二人が同じ声でハモると、なんとも楽しい。清水さんは、緊張で一杯一杯だったのだろう。ピアノ演奏はかなり走り気味だったりもしたのだが、それを見事に支え、誘導するような矢野さんの伴奏が、さすがだ。二曲演奏後、舞台上にパイプ椅子が並べられ、トークコーナー。矢野さんのリクエストで、清水さんの持ちネタ「水戸黄門と銭形平次のテーマを同時に弾く」なども織り交ぜつつ、息のあったトークで一盛り上がり。
トークの後の共演三曲目「いもむしごろごろ」が素晴らしかった。こういう自由な構成の曲を物真似し、かつ、本人と息もぴったりの共演ができるというのは、単なる声真似ではなく、スピリッツそのものをコピーしているという気がする。
清水さん退場後も、矢野さん本人も会場も楽しい雰囲気に包まれたまま演奏が続き、バラ園に紛れ込んだいもむしで、本編終了。
アンコール、二人並んで登場し、「ひとつだけ」。恒例の、曲の終盤でのお別れの挨拶は清水さん。二人が退場し客電がついた後も鳴り止まぬ拍手に、再び、二人でカーテンコールに応えるも、演奏は無し。これで、全終了。
深み・凄みという面では物足りないところもあったりしたのだが、とにかく楽しいライヴだった。矢野さんの声がハモって聞こえるなんて、とても貴重なものが見られたような気がする。
横溝さん、ありがとうございました。