公演日 | 会場 |
---|---|
2006年8月1日(火) | 千葉市民会館 |
2006年8月3日(木) | 第一生命ホール |
2006年8月4日(金) | |
2006年8月11日(金) | 太田市新田文化会館 |
2006年8月17日(木) | 春日市ふれあい文化センター |
2006年8月18日(金) | なかまハーモニーホール |
8月3日のゲストで登場。矢野さんとは30年来の友人で、お互いのレコーディングにも参加し合っています。矢野さんのMCでは、年を重ねてからの友人の大切さが力説されていましたが、本当にそういった雰囲気が伝わってくる共演でした。奥様の井上セリさんも矢野さんと交流がありますね。
* は、井上陽水氏と共演した曲。
* は、細野晴臣氏と共演した曲。
1001人のキャパの会場は8割程度の入りだろうか。平日の矢野さんの地方公演にしては、そこそこの入りという感じだ。
この時期のリサイタルらしく、オープニングから夏の歌が続く。先日の森山良子さんの公演で感じた「大ホール仕様」の演奏ではなく、より親密感が感じられる演奏だ。近作の中では My Favoriteの一つ「GO GIRL」の息を切らしての熱唱、さらに「そこのアイロンに告ぐ」の熱演(いくつか音を飛ばしてしまい、ベストのプレイでは無かったかもしれないが)など、好演奏が続く。ELLEGARDENの曲が二曲続いたのは、ご当地出身のバンドだからなのか、この夏のリサイタルを通じてのセットなのかは、今後、明らかになるだろう。
曲間のMCでは、11月に発売予定の書籍の話も出た。まだ、タイトルは未定(仮題「弱肉強食」?)だそうだが、「これを読めば、あなたも矢野顕子になれ…無い」、涙あり笑いありの一冊になるとのこと。タイトル案、募集中だそうです。
アンコールまで、一貫して、安定した良い演奏だったと思う。初公演となる千葉市は、東京近郊ではあるが結構遠いということを実感したとMCでは繰り返していたが、そういう、首都圏の一部ではあるが、ちょっとしたツアー感覚もあるというところが、このリラックスしつつも熱い演奏につながったのか、という感じがした。
晴海にあるオフィス・商業施設・住居の大規模複合施設「トリトン・スクエア」内の第一生命ホールを初めて訪れた。キャパは767席。クラシック公演主体のホールらしく、非常に響きが豊かだ(拍手の響きで、実感した)。場内では、CD等の販売の他、The Gatheringのデモも行われていた。ただ、大企業の冠ホールのせいなのか、入り口付近にスーツ姿の男性スタッフが多数たむろしている様子は、あまりいただけない。千葉と同じく、開演前のBGMはRei Harakami。終演後は坂本美雨。場内は満席である。
今日の演奏・歌唱は、NHKホールとも千葉とも違う、奔放さに溢れたものだったと思う。良く響く会場だったことと、私が前の方の席だったこともあると思うが、矢野さんのリズムを刻む左足の音が良く聞こえる。ご本人も気にされていたようで「手の指ならごまかしも効くが、左足を怪我するとピアノが弾けなくなるぐらいなので、いたしかたない」との発言が有った。
さて、中盤でゲストの井上陽水氏が登場。個人的には、かつてのジァンジァン公演のようなシークレットだと、さらに楽しかったような気もするが、分かっていても、いざご本人が登場すると、サプライズ感がある。まずは、共作の「架空の星座」。その制作話や、過去、矢野さんが参加した陽水氏の曲(「Good,Good-Bye」)の一節を懐かしそうに歌ったりして、二曲目「荒城の月」。陽水氏の声に、矢野さんのピアノとコーラスが絶妙に絡む名演に大きな拍手(「良い拍手をするファンをお持ちで」と陽水氏)。旧友らしく話が弾み、矢野さんが椅子から転げ落ちながら笑うことも度々あった(ナニワ・サリバン・ショーで吉本風のコケに馴染んだのか??)。さらにもう一曲、陽水氏の作品を共演。
この後に演った「ROSE GARDEN」が、本日の白眉、という感じの熱演。とてもアグレッシブな演奏だった。
アンコールで再び陽水氏登場。先日の森山良子さんとの共演でも歌った「ウナ・セラ・ディ東京」。最近は、矢野さんが他のミュージシャンとデュエットする時の定番と化しているような気もするが、この曲は陽水氏もレコーディングしたことがあるそうなので、当然の選曲とも言えるだろう。宮川メロディーと陽水氏の声質はとても合っているようで、拍手が鳴りやまないほどの盛り上がりとなった。そして、まさかのザ・ピーナッツ・ナンバーを、もう一曲。
陽水氏退場後、「ひとつだけ」で締め。奔放な演奏と、ゲストとの意外な曲での共演と、かつてのジァンジァン公演を思い出させるような楽しいステージだった。
第一生命ホールでの二日目。場内では、吉野金次さんへの寄付を募る募金箱や、矢野さんの書籍に関するアンケートを取っているところが、昨日との違いだ。
演奏の方は、前日までとセットリストのパターンが変わったせいか、奔放さの中にも、少し固さがあるような気もしたが、「PRAYER」の熱演でそういう心配は吹き飛んだ。
そして、ゲストの細野氏登場。緩いペースで、旧い友人らしい、しかし、お互いをリスペクトし合っていることが伝わってくるトーク。細野氏の曲を日本で一番沢山歌っていると日頃から言っている矢野さんだけに、今回の共演曲は全て、「HOSONO HOUSE」と「泰安洋行」の収録曲だった。
昨日も盛り上がった「ROSE GARDEN」だが、今日はさらにパワーアップしていたし、本編最後の「GREENFIELDS」も熱の入った演奏だった。
アンコールで、再び細野氏登場。清水ミチコ氏が、CD「歌のアルバム」で、この曲の完璧なコピーを披露していると二人で絶賛しつつ「相合傘」
細野氏退場後、今日も「ひとつだけ」で締め。昨日の陽水氏が卓越した歌唱力で場内を圧倒したのとは違い、細野氏の存在感と矢野さんとの間に醸し出す空気感が、観ている者に暖かい気持ちを起こさせるという感じの共演で、とても味わい深い公演だった。
上野さん、ベルガさん、ありがとうございました。