地区 | 公演日 | 開演 | 会場 |
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大阪 | 12月3日(火) | 18:30 | サンケイホールブリーゼ |
茨城 | 12月6日(金) | 18:30 | 水戸市民会館 グロービスホール |
山形 | 12月8日(日) | 17:00 | やまぎん県民ホール |
愛知 | 12月11日(水) | 19:00 | 長久手市文化の家 森のホール |
東京 | 12月15日(日) | 18:00 | NHKホール |
小原氏とは中学生時代から60年間のバンド仲間。コンサート最後の挨拶で、率先して手を繋ごうとする姿に性格の良さが出ているように感じます。
林氏とは中学生時代から60年間のバンド仲間。矢野さんがバンド・メンバーを紹介する度に、それを受けて最後に矢野さんの名前をコールしようとするも、いつもタイミングを外してしまう姿に性格の良さが出ているように感じます(ツアー終盤では、タイミングが合うようになってましたね)。
このバンドでは最若手でも、日本の音楽シーンではベテラン・ギタリスト。ロケットのSEをバックに見送るふりとか、ショップチャンネルのコーナーとか、矢野さんが繰り出す小芝居に全て付き合う姿に性格の良さが出ているように感じます。
この4人編成のバンド「The YANOAKIKO」の親方。
ツアー2本目の、水戸に参戦。会場の水戸市民会館は、水戸駅から徒歩20分、バスだと5分ほど。グロービスホールは、2,000席、3層バルコニー形式の大ホール。なお、4月にやのとあがつまのライヴを開催した水戸芸術館と隣接している。この至近距離に立派な文化施設が2つもあるとは、水戸市、恐るべし。
客入れの音楽は、Sérgio Mendes(& Brasil 66)。いつも通り、向かって左から、矢野さん(SteinwayとKORG KRONOS)、小原さん、林さん、佐橋さんの並び。私の席は、個人的にベストと言える前方中央、やや左寄り。
このメンバーで録音した「わたしのバス(Version 2)」、そして「春咲小紅」で開演。冒頭から、バンドのまとまり具合がバッチリで小気味よいサウンドだ。いつもなら、2曲終わったところで最初のMCなのだが、今回は、そのまま3曲目の前奏へ。矢野さんが1人ずつメンバーを紹介し、音が重なっていく。そして始まったのは「海と少年」。巧い演出だ。
ここで最初のMCが入り、”滅多にやらない”「TIME IS」。歌詞もメロディーも、ややトリッキーな印象の曲を見事にこなした後は、宇宙の部。野口聡一宇宙飛行士のご家族にお話を聞いて作られた2曲。まだ音源化されていないが、どちらも佳曲。「Three Rockets」の最後は、例によってロケットの発射音のSEと、それを見送る小芝居付き。
ここで、バンドの皆さんが退場し、矢野さんがソロで「希望のうた」。後半、矢野さんにしては珍しいほど感情が入ったシャウトの熱演。そして、矢野さんが退場し、バンドの3人で、矢野さん書き下ろしの「Love Is All You Get」。昨年も披露した曲だが、さらにカッコ良さが増したようだ。全員のテクニックを堪能できるロック・インストゥルメンタル。
着替えをした矢野さんが戻り、”和みのコーナー”。全員、舞台前方に出てきて、Stevie Wonderの名曲を4人で楽しそうに演奏。林さんは、カホン(箱みたいなパーカション)を叩き、矢野さんはスタンディングで、キーボードも弾きながらの歌唱(昨年は、小型キーボードを客席側に傾けてセッティングしていたが、今回は水平に置かれていた)。ヴォーカルは持ち回りで、全員が披露(もちろん、林さんも!)。
バンドの3人は定位置に戻り、矢野さんはスタンディングのままで「ラーメンたべたい」。私は、この日、発売されたばかりの「Step Into Paradise」を朝からリピートしていたので、上原ひろみさんとの”攻めたラーメン”が染みこんでいたのだが、The YANOAKIKOのラーメンは安定の老舗感があるな。
矢野さんもピアノの前の定位置に戻り、ショップチャンネル(グッズ紹介)。そして、糸井さん作詞の「Do you love me?(愛されたいおれら)」。4月のTOKYO春爛漫で初演された曲だ。個人的には、この曲は、まだまだ化ける余地があるような気がする。そして、同じく糸井さん作詞の「夢のヒヨコ」。最近のリサイタルで披露した幻の2番(恐らく、今回のさとがえるの仕込みをしている時に、発見されたのだろう)は無しのノーマル・ヴァージョン。
そして、今年もYMOのカヴァー。まずは「千のナイフ」。AKIKO YANO TRIOとは、特に、ドラムスの雰囲気が違うと思う(Chrisは、ユキヒロが憑依したかのような鬼気迫るドラミングだったが、林さんは、もっと余裕ある感じ)。そして、佐橋さんによるギターの彩りがThe YANOAKIKOの持ち味だ。続いて「Tong Poo」。これは、YMOというより、矢野さんの持ち歌とも言えるが、ここでも、佐橋さんのギターが大活躍。
本編ラストは、「GREENFIELDS」。これまた、名演!
アンコールは、この季節に聴きたくなる「クリームシチュー」と、鉄板「ひとつだけ」(昨年は、本編の締めの2曲だった)。このバンドによる「ひとつだけ」のアレンジは、私にとっての完璧パターン(特に、ラストに入る"ララララライライラー”のスキャットが大好物なのだ)! これで全編終了
ツアー前半だが(まぁ、このベテラン凄腕集団には、そういうのは関係無いか)バンドの阿吽の呼吸が本当に見事で、出てくる音は完璧。一方で、適度なリラックス感もあり、本当に楽しいライヴだった。
さとがえる、最終公演はNHKホール。
客入れの音楽は、Sérgio Mendes(& Brasil 66)。いつも通り、向かって左から、矢野さん(C. BECHSTEINとKORG KRONOS)、小原さん、林さん、佐橋さんの並び。
このメンバーで録音した「わたしのバス(Version 2)」でスタート。ツアーを重ね、調子を上げてきたのが実感できるサウンドだ。続く、「春咲小紅」の演奏も絶好調。そして、3曲目の前奏へ。矢野さんが、ドラムス、ギター、ベースの順にメンバーを紹介し、紹介された人が音を重ねていく趣向。そして始まる「海と少年」。演出としても巧みだし、(矢野さんのMCにありがちな)紹介がグダグダ気味になることも防げる、上手いやり方だと思う。
ここで最初のMCが入り、”滅多にやらない難曲”「TIME IS」。歌詞もメロディーも、ややトリッキーな印象の曲を見事にこなした後は、宇宙の部。野口聡一宇宙飛行士のご家族にお話を聞いて作られた2曲。まだ音源化されていないが、「You Are Special to Me」は、佐橋さんのアコースティック・ギターと林さんのブラシを駆使したドラムスが効果的な、しみじみとした佳曲だし、「Three Rockets」のキャッチーなサビも良い感じ(特に、「ソユーズ」の「ユー」のところが癖になる)。最後、ロケットの発射音のSEに重なる照明効果が見事。なお、いつもより、矢野さんの宇宙話は短め。しかも、話す段取りを少し間違えたりもして、緊張している感じもある矢野さん。これが、後のサプライズの伏線だったのだ。
水戸だと、ここで矢野さんのソロだったのが、それは無し(これも、ちょっと意外。流れを重視した見直しかと思ったのだが、やはりこれも、伏線だった)。バンドの3人だけで、矢野さん書き下ろしの「Love Is All You Get」。全員のテクニックを堪能できるロック・インストゥルメンタル。
着替えをした矢野さんが戻り、”和みのコーナー”。全員、舞台前方に出てきて、Stevie Wonderの名曲を4人で楽しそうに演奏。林さんは、カホン(箱みたいなパーカション)を叩き、矢野さんはスタンディングで、キーボードも弾きながらの歌唱(昨年は、小型キーボードを客席側に傾けてセッティングしていたが、今回は水平に置かれていた)。ヴォーカルは持ち回りで、全員が披露(もちろん、林さんも!)。
バンドの3人は定位置に戻り、矢野さんはスタンディングのままで「ラーメンたべたい」。矢野さんもピアノの前の定位置に戻り、ショップチャンネル(グッズ紹介)の後は、糸井さん作詞の「Do you love me?(愛されたいおれら)」。そして、同じく糸井さん作詞の「夢のヒヨコ」。最近のリサイタルで披露した幻の2番は無しの公式版。
ライヴも終盤。ここで、YMOのカヴァー。まずは「千のナイフ」。この曲に関しては、正直なところ、AKIKO YANO TRIOでの演奏が一番好きだと思っていたのだが、今日の矢野さんのピアノ、キーボード、そしてスキャットのキレ具合は別格の凄さだった。続く「Tong Poo」も凄まじい。千秋楽にして、全てのリミッターを解除したかのような熱演。もちろん、佐橋さん、林さん、小原さんの演奏も、これまでに無い熱量だったと思う(気のせいかもしれないが、林さんのドラムスは、いつもよりユキヒロに寄せている気がした。佐橋さんのギターは当然素晴らしいのだが、同時に、大村憲司氏の不在・渡辺香津美氏の闘病について思いが飛んでしまう…)。
当然、本編ラストの「GREENFIELDS」も大熱演。やはり、ツアー最終公演は一味も二味も違う! ラスト3曲については、神懸かっていると評しても、過言では無い!
アンコール。まずは、最終日という事で、ツアー・スタッフへ感謝の拍手。そして、「クリームシチュー」。
ここで、バンド・メンバーが退場。あぁ、このタイミングで「希望のうた」を演るのだなと思っていたら、”では、この曲を依頼した方をお呼びしましょう” 。で、MISIAさん、サプライズで登場。この曲の製作の経緯などトークした後、矢野さんと2人で「希望のうた」。NHKホールに響き渡る圧倒的な歌唱力。彼女の歌は、メロディーや歌詞を超えて、その声だけで、聴く人の涙腺をこじ開ける力を持っていると実感。2番で、矢野さんがリードを取るときは、裏で控え目なコーラスを被せるのだが、音量は控え目でも、存在感がエグい。しかし、MISIAさん本人は、あくまでも矢野さんを引き立てようという姿勢を貫いていて、それも観ていて気持ち良い。それに応える矢野さんの熱唱も見事。本当に、凄い物を見せていただいていると、演奏中も興奮しっぱなしである。
2021年のさとがえる 最終公演にMISIAさんがサプライズ登場したときは「音楽はおくりもの」1曲の共演だけだったので、これで終わりかと思っていたら、最後の「ひとつだけ」にも参加という、サプライズの重ね塗り!この曲でも、その存在感抜群の歌声を響かせるMISIAさん。2番の冒頭を矢野さんが歌っているときに、小さく、歌詞に合わせた身振りをしているのも可愛い(テニスコートを駆け回るのはともかく、中華料理をどうするのか?と見ていたが、それもバッチリ)。鉄壁のThe YANOAKIKOの演奏をバックにした素晴らしい2人の歌声の重なりを堪能して、これで全編終了。当然のスタンディング・オヴェイション!
これで、2024年の矢野さんライヴは最後。今年もまた、上質のライヴばかりで、本当に感謝であるが、やはり、最終公演の特大のお歳暮は嬉しく、楽しかった。