2024年12月6日発売
UCCO-8047(初回限定盤 SHM-CD+DVD) / UCCO-1245(通常盤 SHM-CD)
Produced by Hiromi & Akiko Yano
T Bone Burnettをプロデューサーに迎えた、アメリカン・ルーツ・ミュージック色が強い、矢野さんとしては異色のアルバム「akiko」(2008年)収録の、アップテンポなブルーズ・ナンバーを、ピアノ2台でご機嫌に。アルバム1曲目ということで、意外にも(あくまでも、このお二人にしては)抑制が効いた演奏だと感じます。
二曲目は、わらべうたにジャズの名曲を合体させるという、このコンビ得意のパターン。
上原ひろみさんとの共演でも、宇宙愛を隠さないのが、矢野さん。オリジナルはピアノの弾き語りでしたが、2台のピアノで迫力は2乗!いや、それ以上!! ロケットの噴射と共にグングン上昇していくようなカッコ良さは、唯一無二。
宇宙つながりで、ひろみさんの曲。"上原ひろみ Hiromi’s Sonicwonder"の2023年のアルバム「Sonicwonderland」収録曲に、矢野さんが歌詞を付けました。元の曲も静謐でありながらエモーショナルな響きでしたが(ライヴでの北極星をイメージした照明効果も印象的)、歌声が乗ることで、さらに感情に訴えかけてきます。人の声はやはり凄い……、と思っていたら、2台のピアノがグイグイとテンションを上げていく終盤の展開に、ピアノのエモさこそ、半端なく凄いと実感させられます。
Bill Withersの作品を採り上げるのも、このコンビの鉄則。アルバム3枚目にして、満を持して、この超名曲(オリジナルは、サックス奏者 Grover Washington Jr.のアルバムに収録。Bill Withersがゲスト・ヴォーカリストとして歌唱。1982年当時の邦題は「クリスタルの恋人たち」)。ブルーノート東京でのAKIKO YANO TRIO公演では、Will Lee氏がリード・ヴォーカルを務めていましたが、ここでは矢野さんが情感たっぷりのヴォーカル。そして、後半の2台のピアノの絡みは、AORの枠を飛び出した熱演。
上原ひろみさんの”BALLADS”公演(2023年 @紀尾井ホール)で披露された曲に、彼女自身が詞を付けたもの。矢野さんは歌唱に専念し、ひろみさんが、そっと寄り添うようにピアノ伴奏しています。
こちらも、このコンビの定番、日本と西洋のスタンダード・ナンバーのマッシュアップ。日本代表は、朝ドラ「ブギウギ」(2023年)で脚光を浴びた笠置シヅ子さんのデビュー曲。そして、西洋代表は、”娘”つながりでStevie Wonderの名曲。ド迫力で押しまくる日本代表に、西洋代表がさらりとクールダウンしてくるような構成です。
前々作「Get Together」、前作「ラーメンな女たち」に続いて、今作でも新アレンジで録音。今回のサブタイトルは「替え玉」。本当にラーメンがお気に入り(My Favorite)なんだなぁと実感させるフレーズも仕込まれてます。