和光市民文化センターと鎌倉芸術館、両方行くことができました。。
誤りのご指摘や追加情報等あれば、送っていただけると助かります。
公演日 | 会場 |
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12月9日(火) | 和光市民文化センター(サンアゼリア) 大ホール |
12月22日(月) | 鎌倉芸術館小ホール |
19時半という比較的遅い開演なので、平日の仕事後でも訪れることができた和光市だが、あいにくの雨。駅から会場まで、15分ほど歩くのが大変だった。1,286席の大ホールは、半分強の入りだろうか。
新アルバム「akiko」の曲から始まるかと思っていたので、冒頭、意外な選曲だったが、1曲目、2曲目ともに、これまで聴いてきたのとは違うアレンジだ。そして、懐かしの3曲目。「東京」を「和光」に変えて歌いながら、曲の途中でいきなり語り出す矢野さん。歌詞の中、ニューヨークの時差が間違っていたという告白の後、ごくごく自然に曲に復帰し歌い始める。名人芸だ。
4曲目の後、楽屋に置いてあったパンフレットから、和光市の偉人、童謡詩人 清水かつらの話。「靴が鳴る」や「叱られて」の作詞者で、和光市では、彼に因んで「全国『叱られて』歌唱コンクール」を開催しているとのこと。そして、楽譜を探してもらった彼の作品「おやすみの歌」を弾き語るのだが、どうも曲調に納得がいかないご様子。その場で新しいメロディーを付け、矢野さんオリジナル・バージョン「おやすみの歌」、ここに全国初演。
ここから「akiko」からの曲も披露。「When I Die」の後半の怒濤のピアノが素晴らしい。続いて演奏した「椰子の実」は、久しぶりに、私の大好きなThe Smashing Pumpkinsの曲を織り込んだバージョン。この2曲が今日の公演での白眉だったと思う。
なかなかキーを思い出せず、一度は後回しにした「遠い町で」も無事演奏。本編ラストは、ますますアレンジがカッコ良くなっている「Rose Garden」。
アンコールで再登場した矢野さん。アンコールの手拍子がバラバラでなかなか揃わなかったことを、「和光市民は自主性がある」。舞台関係者としてはタイミングが取れずに困ったが、自主性ある和光スピリットは好きとのこと。そして、「『変わるし』」と『中央線』のどっちが良い?」と会場に問いかけ、結局、「中央線」が演奏されたのだが、これは、個人的には残念。リサイタルの定番、予定調和の「ひとつだけ」で終わるのだから、その前は目新しい曲の方が嬉しかったのだが。
矢野さんは終始リラックスした雰囲気で演奏されていた。会場のピアノがお気に召したそうで、MCの間もずっと鍵盤をさわり続けていた。そんな雰囲気の中で、「矢野版おやすみの歌」誕生の瞬間を見るというサプライズもあり、帰り道は、雨も気にならない心持ち。
矢野さんにとっては7回目の鎌倉芸術館での公演。ここのピアノとの相性が良く、いつも素晴らしい演奏になるという評判は聞いていたのだが、これまでスケジュールが合わず、今回、初めて行くことが出来た。会場は9割ぐらいの入りだろうか。
一曲目のピアノの音を聴いた瞬間に、その音の良さに驚いた。なるほど、評判通り、ピアノの音色も会場の音響も素晴らしい。
3曲目、久しぶりに聴く、私の大好きな「GO GIRL」の力強い演奏が印象的。「きよしちゃん」の演奏後には、NHKホールのさとがえるを観に来られた忌野清志郎氏が、「いつでも歌えるよ」と話していたとのエピソードを披露。
「いい子だね」の後には、「連結の渡り板」を鉄道専門用語でどう呼ぶのかを会場に問いかけるが、会場は、誰も答えられず。是非、専門用語で粋がって歌いたいそうだ。
「LOVE LIFE」の演奏後、「そろそろ弾き語りアルバムを作る時期かも」との発言。「My Love」は収録曲候補なのだろう。
フェスティバルホールのファラウェルコンサートで、最後に全員で歌ったという「いい日旅立ち」を、見事な矢野アレンジのピアノで披露。これは、貴重な演奏だったと思う。
さとがえるでは、これまでと全く違うアレンジで驚かせてくれた「ラーメンたべたい」。今回は、ピアノ・ソロバージョンで、また違うアレンジでの大熱演だった。
アンコールで登場するや
「今年最後のコンサートということで、皆さんにお年玉を…」
「… もらいたい」
と、一笑い取ったところで「春咲小紅」。そして「ひとつだけ」の演奏では、「皆さんも歌ってください」と言って演奏開始。と思ったら、いきなりご本人が歌詞を間違えてしまったりもしたが、サビの部分は会場とともに。矢野さんがバックコーラスを付けたりして、和やかに演奏終了。
聞きしに勝る素晴らしい音響(あの「股旅」が上品に聞こえるほど)の会場で、矢野さんも、とても丁寧に演奏しているという感じの公演だった。