IN/OUT (2026.7.5)

3月末に新調したオーディオ・セット。3ヶ月が経ち、エージングが進み、良い感じになってきたと思う今日この頃です。繊細さは今ひとつだけど、明朗快活に良く鳴ってくれます。まぁ、実際には ”耳が慣れた” だけ、という気もしますが、プラシーボだろうが効果があると思えば正義。


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「The Long Walk」26.7.1

プリンスシネマStephen Kingが、Richard Bachman名義で発表した小説の映画化作品を観てきた。原作は、Kingが大学1年の時に書いた初めての小説で、1979年の出版。

強権国家が、国民の不満のガス抜きのため、若者を集め、サヴァイバル・ゲームを仕掛けるというアイディアは、後の高見広春の「バトル・ロワイアル」など多くの小説や映画に影響を与えている。

ただ、参加者がお互いに殺し合う「バトル・ロワイアル」と違い、本家「The Long Walk」は、参加者達は田舎道を歩くだけである。ただし、歩行速度が落ち、3回以上警告を受けると問答無用で射殺され、最後の1人が残るまで続くというエグいルール。同じKing原作で、ちょっと近い雰囲気もある「The Running Man」では、鬼ごっこというゲーム性があったが、こちらは、とにかく歩くだけ。果たして、映画として成り立つのか?

鑑賞前に抱いていた不安は杞憂だった。Francis Lawrence監督の的確な演出手腕が冴え、そもそものゲームの非現実性さえ受け容れてしまえば、その後は、説得力のある青春群像劇が、(今の現実世界と地続きのようにも思える)ディストピアを舞台に、緊張感を維持したまま展開する。リアルな射殺シーンのためか、"R15+"指定になっているが、その手の描写に耐性がある人には、大いにお勧めしたい作品だ。

Stephen Kingの原作映画の場合、「The Life of Chuckサンキュー、チャック)」のような胸に染みる物語から、「The Mist」のような後味が悪すぎる作品まで、振り幅が広いのだが、今作は、かなりヘヴィーな物語になっている。原作とは人物造形やラストの展開に違いがあるが、これはこれで良く考えられた、”あり”の改変だと思う。

なお、良い人キャラのDavid Jonssonは、つい最近、NHK BS4Kで観た「Murder Is Easy(殺人は容易だ)」の主役の人だった。(急に具合が悪くなる」における「アストリッドとラファエル 文書係の事件録の警視正」もそうだったが)TVで見知った人を映画で見つけると、ちょっと嬉しくなるな。


「アンドリュー・ワイエス展」@ 東京都美術館26.7.4

東京都美術館20世紀米国の具象絵画を代表する画家Andrew Wyeth(1917-2009)の回顧展を観に、東京都美術館に行ってきた。彼の作品にたびたび登場する窓や扉など、”境界”を示すモティーフに着目した展示になっているという。

東京都美術館正直な所、”言われてみれば見たことがある”という程度の予備知識だったのだが、実際に眺めてみると、とても印象的な作品群だった。ニューイングランドの光を水彩やテンペラで描いた細密な絵は、ヨーロッパの光を油彩で描いた良く見るタイプの西洋絵画とは、全く趣が違う。また、20世紀に活動しながら、抽象画やポップアートとは対極の、写実的な作風を追求していることも印象的だ(それが突き抜けていて、シュルレアリスム的に見えたりもする)。この作風は日本人の感性とも相性が良いと思う。会場は、かなりの混雑ぶりである。

東京都美術館確かに窓や扉が描き込まれた作品が多いが、”境界”がモティーフという展示の主旨は、私にはあまりピンと来なかった。自分がよく知っている場所や人物にこだわって描き続けた”私小説的な絵”というのが私の印象だ。

そして、個人的に刺さったのは、何枚かの絵に描かれた鳩。ちょっと、John Wooの映画を思い出してしまった。

あと、グッズ売り場に、「Peanuts」とコラボした商品が置いてあったのも良かった。Snoopyは、自分の犬小屋の中にAndrew Wyethの原画を飾っているのだ!(その前には、Snoopyは Vincent van Goghの作品も所有していたのが、火事で焼けちゃったんだよなぁ。閑話:子供の頃、私が”van Gogh”の名前を知ったのは、谷川俊太郎訳「お家が火事だ!スヌーピー」を読んだ時だ


「Simon Phillips & Protocol 6」@ ブルーノート東京26.7.5

ブルーノート東京ドラマー、Simon Phillipsの公演を観に、ブルーノート東京に行ってきた。

新アルバム「Protocol 6」の参加メンバーでのパフォーマンス。
・Simon Phillips(ds
・Ernest Tibbs(b
・Otmaro Ruiz(key
・Alex Sill(g
・Phillip Whack(sax
SaxのPhillip Whackは、初見。他のメンバーは、2023年の"Protocol V"、2019年のProtocol" -30th Anniversary Tour-"と同じだ。

ブルーノート東京ステージ向かって左に、要塞のようなドラム・セット。私の席は、ほぼ、その正面だ。

メンバーがステージに上がる。Simonは、まずはステージ中央で、メモを片手に、日本語でメンバー紹介。そして、今日は「Protocol 6」を全曲演奏すると宣言して、ドラムス要塞へ。

アルバム1曲目「Andromeda」からスタート。イントロがピアノなので、上原ひろみ ザ・トリオ・プロジェクトを思わせる感じ。そこから、「Unstable Grounds」、「Intrepid Traveller」、「As the Rivers Flows」と、アルバム通りに演奏が進む。新加入のサックスとギターの絡みが美しい。安定のベースと、効果的な音色を差し込むキーボードも盤石。そして、その裏で、手数が多いのに、一打一打の輪郭が全てバシッと決まったSimonのドラムスが轟き続ける。

ここで、Simonが再び要塞を離れ、改めてのメンバー紹介。どうやら、1~4曲目がアルバムのA面、次の「Code 4 Kryptos」からがB面という感じなのかもしれない。大作「Event Horizon」で盛り上がりはピークに達し、アルバム最終曲「Sundown in Old Town」で本編終了。

アンコールでステージに戻ったSimon、
"まだ聴きたいなら、皆さんには3つの選択肢がある。1. 明日の1st Showに来る。2. 明日の2nd Showに来る。3. CDを買う"
とジョークを言いつつ、アルバム未収録の「Manganese」を演奏。これが凄かった。本編の演奏は、バンドのアンサンブル重視という感じだったが、ここでSimonのドラムスが、本領発揮と言わんばかりに炸裂。そこに正面から対峙するPhillip Whackのサックス。会場大興奮のスタンディング・オヴェイションで全編終了。

見事なサウンドと、Simon Phillipsから溢れる"良い人オーラ"。今回も、とても多幸感溢れるステージだった。



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「Scary Movie」26.7.4

TOHOシネマズ日比谷2000年代にシリーズ化されていた映画「Scary Movie」が、まさかの2026年に新作公開。私は、第1作「Scary Movie最終絶叫計画)」をリアルタイムで観て、その、あまりにも低俗なくだらなさに呆れたのだが、つい、気になってしまい、新作を観てみることに。邦題は「最終絶叫計画 令和!」。

アイディアが不足気味のハリウッド。昔のヒット作を、新たにリブートするのは良くある事だ。その際、懐かしのオリジナル・キャラクターを登場させながら、若手の新世代出演者と良い感じに絡ませるというのが常道である。この映画は、その手法をメタ・フィクション的に取り入れた怪作。Anna Faris、Regina Hall、Marlon Wayans、Shawn Wayans、Dave Sheridanなどオリジナル組と、その子供世代のSavannah Lee Nassif、Olivia Rose Keeganらの化学反応は秀逸だし(と言うか、オリジナル組のキャラ、強過ぎ)、Teyana TaylorやShaquille O'Nealなどのカメオ出演組も豪華。

パロディのネタにされているのは、オリジナルの「Scary Movie」シリーズや「Scream」シリーズは当然として、「The Substance」、「Sinners」、「Ballerina」、「Weapons」、「M3GAN 2.0」、「K-Pop Demon Hunters」などなど、新しいところをしっかり押さえている。最近の米国映画らしく、行き過ぎたポリコレや、人種を巡る分断など、旬の話題も笑いのめす(日本に暮らす者としては、全部を理解するのは難しいが…)。

ということで、実に「Scary Movie」らしいリブートで、お見事!とは思うものの、とにかく、下ネタが下品。編集のテンポも無茶苦茶。一周回って強引なオチには苦笑してしまったが…。まぁ、このシリーズについては、なまじ評価するより、こき下ろすのがお似合い(でも、憎めない)ということだ。



購入当初は、スピーカーのサイズが大きくなったことで、夜とか不用意にぶつかるのでは、という危機感も抱いていたのですが、今のところ、それも回避出来ています。足も慣れてきたかな。