矢野顕子 弾き語りコンサート @ 八ヶ岳高原音楽堂


八ヶ岳高原音楽堂で、2011年(ソロ公演)、2017年(石川さゆりさんとの共演)、2019年(ソロ公演)、2022年(ソロ公演)、2023年(ソロ公演)に続き、弾き語り公演が開催されました。すっかり年中行事です。
誤りのご指摘や追加情報等あれば、送って頂けると助かります。


button スケジュール

公演日
2024年9月14日(土)
2024年9月15日(日)

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button セットリスト

9月14日(土)
  1. 愛を告げる小鳥
  2. 音楽はおくりもの
  3. DAVID
  4. 海のものでも、山のものでも
  5. 雷が鳴る前に
  6. わたしのにゃんこ
  7. ふりむけばカエル
  8. 透き通る世界
  9. 魚肉ソーセージと人
  10. 中央線
  11. ROSE GARDEN
  12. ひとつだけ
アンコール
  1. ごはんができたよラーメンたべたい

9月15日(日)
  1. わたしのバス(Version 2)
  2. 春咲小紅
  3. 横顔
  4. SUPER FOLK SONG
  5. 中央線
  6. Three Rockets(矢野顕子 Into The Space <Version 2>で披露された新曲
  7. PRAYER
  8. くまんばちがとんできた
  9. いいこ いいこ
  10. ニットキャップマン
  11. 津軽海峡・冬景色
  12. ひとつだけ
アンコール
  1. ごはんができたよラーメンたべたい

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button レポート

毎年恒例となった八ヶ岳高原音楽堂のライヴ。土日 2日間の公演が定番だが、私はいつも土曜日のみの日帰り参戦だった。しかし、今年は3連休中の土日開催なので翌日の出勤の心配が無い。ということで、初の宿泊プランである。中央線で小淵沢。そこから小海線に乗り換える。野辺山駅で下車し、送迎バスで八ヶ岳高原ロッジまで15分ほど。すっかり、通い慣れた行程になってきた。ロッジ到着後、山の中の遊歩道をてくてく歩いて音楽堂へ。標高1,500mの地に建つ、八ヶ岳高原音楽堂。木の温もりを活かした六角形の建物で、キャパは250名。

14時30分、開場。例によって、入場時に、座席番号が書かれた紙を選ぶという抽選制で座席が決まる。今回は、前後ほぼ中央の左寄り。

15時、「愛を告げる小鳥」で開演。Steinwayのピアノもヴォーカルも上質な響き。そして、「音楽はおくりもの」に続く。1曲目からシームレスにつなげたので、冒頭は、かなり崩した歌い方でのスタート。この1・2曲目をつなげて演奏というのは、最近の矢野さんのパターンになりつつあるのかもしれない。

今日のMCは、全体的に、かなりリラックスした感じ。舞台の後ろに広がる大きな窓から富士山が見えないか、気になるご様子だったが、青空に夏の入道雲が広がるような空で、見ることは叶わず、残念ながら、時間とともに雲が多くなってしまった。

5曲目は、リハーサル中に急に歌いたくなったということで、久しぶりの槇原敬之氏の曲。歌う前に解説された通り、「公衆電話」って、知っている世代には、キュンと来るシチュエーションだなと、改めて実感。

続いて、動物シリーズ 2曲。「わたしのにゃんこ」は、先日のファン・ミーティングで歌うと約束した曲。児童合唱団が「ニャンニャンニャン」と歌っていたコーラス部分を”Meow Meow”と歌う矢野さん。どうやら、このにゃんこは、ニューヨークの子猫のようだ。そして、「ふりむけばカエル」

宇宙の話に熱が入ってからの「透き通る世界」。そして、一気に地上に戻って「魚肉ソーセージと人」。「ここに来たら、この曲は演らなくちゃ」と言ってからの「中央線」と、良い演奏が続く。ここまでは、歌詞を大切にした弾き語りらしい曲が多いという印象の流れだったのだが、ここで「ROSE GARDEN」をぶっ込んでくるのが、流石!尻上がりに白熱していく演奏!ご本人も「演っていて気持ちが良い」とのご発言。

本編ラストの「ひとつだけ」から、アンコールの「炭水化物セット」は、最近の定番。今日の「ごはん」から「ラーメン」へのつなぎは、とてもスムースだったと思う。

ということで、やはり、美しい環境に囲まれた素晴らしい音響のホールでの矢野さんのパフォーマンスは一味違うと今年も実感して、Day 1終了である。因みに、音楽堂からロッジに戻ると、先ほどのセットリストがプリントアウトされてフロントに置いてあるという早業も例年通り。音楽堂でのライヴを大切にしているスタッフの心意気が感じられるのが素晴らしい。


翌15日。Day 2。朝から小雨模様だったが、午後からの天気は多少持ち直した感じ。ただし、今日も富士山は見えそうも無い。抽選による私の席はかなり後方だったが、一段高くなっているので、むしろ矢野さんの姿はよく視認できる。

昨日とは、セットリストは大きく変わり、「わたしのバス(Version 2)」から演奏開始。キッチリ終わらせてから2曲目に進むのも昨日とは違っている。声の調子も、昨日よりも向上している気がする。

「横顔」・「SUPER FOLK SONG」の演奏後には、アメリカでのシティ・ポップ・ブームについて言及された。曰く、「ニューヨークの若者が集まるようなバーでも、不意に大貫妙子の声が聞こえてくることがある」とのこと。「彼女もアメリカでコンサートをやれば良いのにねぇ」。また、ご自身のレコードを若い人が買い、熱心に聴いてくれていることにビックリされているそうだ。

「Three Rockets」の演奏前後には、例によって、この曲の背景説明から、国際宇宙ステーションのことなど、熱っぽく語る。が、それ以上に、今日のこの曲の演奏は、とても充実していたと思う。

久しぶりの「くまんばちがとんできた」は、今日のお客様にお子さんが多くいるのを見て採り上げたとのこと。また、昨夜は、スタッフと共にハエと戦っていたという背景もあったそうだ。楽しい弾き語り。

続いては、お母さんの曲「いいこ いいこ」、そして、お父さんの曲が「ニットキャップマン」。ラスト前には、2017年の石川さゆりさんとの「サロンコンサート」で生まれた「津軽海峡・冬景色」。たっぷりの間奏で展開するブルーズ調のピアノがカッコ良し。

最後は鉄板構成、本編ラストの「ひとつだけ」から、アンコールの「炭水化物セット」。今回は、「ごはん」から「ラーメン」につないだ後、最後に「ごはん」に戻るという、ミックスの度合いがさらに深まったアレンジ。楽しい。

今日は、全体的に歌詞が怪しくなる箇所が多かった気がしたが、それを力技で押さえ込んで、よりクオリティの高いパフォーマンスにしてしまうところが、ライヴの醍醐味であり、矢野さんの実力だと感心しきりである。

ということで、2日間の公演終了。リゾートに宿泊しての公演だからか、他ではあまり見ないリラックスした雰囲気と、素晴らしい環境と音響。やはり、矢野さんのライヴの中でもユニークな位置づけの公演だ。機会があれば、2 days参戦、また敢行したいものだ。

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