矢野顕子さとがえるコンサート2014
矢野顕子+TIN PAN(細野晴臣/林立夫/鈴木茂



button スケジュール

地区公演日開演会場
福岡12月9日(火)19:00イムズホール
愛知12月11日(木)19:00Zepp Nagoya
大阪12月12日(金)19:00NHK大阪ホール
東京12月14日(日)18:00NHKホール

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button メンバー

細野晴臣(bass

矢野さんとの共演の数々、カバーの数々の素晴らしさは言うに及ばず。実は、最も矢野さんと相性の良いミュージシャンかもしれません。

林立夫(drums

旧くは、「JAPANESE GIRL」収録の「大いなる椎の木」に、細野さんと共にクレジットされています。

鈴木茂(guitar

こちらもまた、旧くは「いろはにこんぺいとう」の二曲にクレジットされています。

矢野顕子(piano

今回は、曲間のMCは短め。演奏を楽しんでいる感じが伝わってきました。

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button 12月14日 NHKホール

buttonセットリスト

  1. 大いなる椎の木
  2. Wichita Lineman(Jimmy Webb
  3. 想い出の散歩道
  4. The End of the World(Skeeter Davis
  5. I'm Movin On(Hank Snow
  6. ソバカスのある少女(Tin Pan Alley
  7. 冬越え(細野晴臣
  8. A Song For Us(今回のツアーで出来た新曲
  9. - 休憩-
  10. へびの泣く夜
  11. 水彩画の町 ~ 乱れ髪(大瀧詠一
  12. 終りの季節
  13. 氷雨月のスケッチ(はっぴいえんど
  14. こんなところにいてはいけない
  15. ポケットいっぱいの秘密(アグネス・チャン
  16. 変わるし
アンコール
  1. 絹街道
  2. ひとつだけ

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buttonReport

40年近く前から交流があるTIN PANのメンバーとの共演となった今年のさとがえる。矢野さんのデビュー前のセッションから、矢野さん本人の作品での共演、他のミュージシャンのバックとしての共演、2000年に再結成されたTIN PANのアルバムへの参加、昨年末の鎌倉での鈴木氏の曲のカバー、そして、今年の東急のイベントでの共演と、その交流は継続してきても、本格的なツアーで組むのは初めて。パンフレットに載っていた矢野さんのインタビュー記事にある言葉「東北本線と奥羽本線」のように音楽活動を続けてきた彼らが久しぶりの合流。果たして、どんなものになるのか、期待が高まる。

今回は、開場前に、ツアーグッズ販売を始めるということを実施してくれた。開場後のごった返した中で並ばずに済むのは、非常にありがたい。ちょっと早めにNHKホールに立ち寄って、ツアー・パンフと和田ラジヲ画伯によるパフパフをゲット。近くの喫茶店で読んでみたが、今回のパンフ。大充実の内容である。

さて、本番。舞台、向かって左から、矢野さん、細野さん、林さん、鈴木さんが並ぶ布陣。一曲目、懐かしの「大いなる椎の木」からスタート。このところ、矢野さんのライヴは、ブルーノート・トリオにしても、飛ばしていくよツアーにしても、速くてパワフルなリズム隊に支えられたものが多かったが、今回のTIN PANは一味違う。太く、うねるようなサウンドだ。

このまま、「いろはにこんぺいとう」時代の矢野さんの曲を演るのかと思いきや、1960年代のアメリカの曲や、キャラメル・ママ名義でレコーディングに参加していたアグネス・チャンの曲など、完全にTIN PAN寄りの選曲が続く。矢野さんはバックに徹し鈴木茂さんがボーカルを取るTin Pan Alleyの「ソバカスのある少女」や、細野さんの「冬越え」など、懐メロばかりになっちゃうのかと思っていたら、休憩前に、このメンバーによる新曲を披露。これが、締まったリズムのカッコ良い曲。

ここで、お客様の便宜を図り(決して、演奏者達の体力的な問題では無いとのこと)15分間の休憩。休憩明けは、矢野さんのソロ。大瀧さんの曲は、二曲をつなげての演奏。

続いて、細野さんと二人で「終りの季節」。二人のデュエットは、いつ聴いても、沁みるな。

再び、四人揃って、はっぴいえんどの曲。さらに、スタンディング・マイクで矢野さんがスキャットでドラムスと絡みながら始まったのは、やはり、キャラメル・ママがアレンジを担当したアグネス・チャンの「ポケットいっぱいの秘密」。この展開は、2012年のブルーノートでも演奏されたものだが、リズム隊の雰囲気が全く違う。あくまでも陽気なブルーノート・トリオに対し、TIN PANは太いうねり。

アンコールは、細野さんの「絹街道」と、鉄板「ひとつだけ」。どちらも素敵な演奏だった。特に、「ひとつだけ」は、とても端正な演奏だったと思う。

TIN PANの三人は、いずれも、スピード感や、超絶テクで押してくるタイプでは無く、独自の確固たる音楽性で勝負する職人肌のミュージシャンだと実感するライヴだった。細野さん&林さんのリズムのうねりは、もちろん聴き所だったが、間奏での鈴木さんのギター・ソロが、矢野さんの歌につながるところが、なんとも言えぬスムースなつながりで、実に心地よかった。

選曲も演奏スタイルも、最近の矢野さんのライヴの中では異色感が強い。むしろ、矢野さんのソロ公演では無く、TIN PAN featuring 矢野顕子、と言っても良いような感じだ。ちょっと、懐かし感が強めかな、という気もする中で、新曲「A Song for Us」のカッコ良さは出色だったと感じた。

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