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メンバー |
2012年8月15日(水):名古屋ブルーノート |
2012年8月16日(木):名古屋ブルーノート |
2012年8月18日(土):ブルーノート東京 |
2012年8月19日(日):ブルーノート東京 |
2012年8月21日(火):ブルーノート東京 |
2012年8月22日(水):ブルーノート東京 |
2012年8月24日(金):ビルホードライブ大阪 |
2012年8月25日(土):ビルホードライブ大阪 |
今年も、そのエンターテイナーぶりでトリオを引っ張っています。
ペインターでもある彼は、今年は新製品、一枚一枚、自ら絵を描いた団扇を物販。いったいどこから、大量の団扇をどこから仕入れたのか?
今年も、日本の夏の風物詩「矢野顕子ブルーノート祭り」の開幕である。今年のオリジナル・カクテルは「宿題無し」。あっという間に売り切れたらしく「いつまでもあると思うな、ドリンクと金」という名言が飛び出した。
東京での初日だが、既に名古屋で二日間、四ステージをこなしてきているだけに、1st Showから、力強くタイトな演奏だ。「いいこ いいこ」の歌詞を解体してしまったような後半の展開が凄い。
ヒューストンにある美術館のJapan Galleryのオープニング・イベント用に依頼されて書いたという新曲「Full Moon Tomorrow」は、「月」に因んだ歌詞繋がりで「多摩蘭坂」が挿入されるという構成。これが泣かせる。
Willのジャンプで始まる「Reach Out」のど迫力の演奏の後は、冒頭、Willがベースでメロディーを奏でる「Prayer」。これは本当に胸に染みるアレンジだ。そして、あっという間に本編ラスト。矢野さんが奔放なスキャットで、しばしChrisのドラムと掛け合い。そして、いざ歌が始まってみてびっくり。アグネス・チャンの名曲「ポケットいっぱいの秘密」。松本隆のプロ作詞家としてのデビュー作で、オリジナルの編曲はキャラメル・ママ。それが、大胆にアレンジされ、愉快痛快なナンバーに。これは楽しい。
そして、アンコール。Willのヴォーカルをフィーチャーし、過去のBlue Note公演で大盛り上がりだった二曲を並べるという豪華版。合間に「One more Rock'n roll!」と叫ぶ矢野さんもカッコ良く。こういう、ひたすら盛り上がるアンコール、大好きだ。いやぁ、楽しかった。
そして、2nd Show。意外なことに、先ほどのアンコール曲を一曲目に持ってきた。ピアノとキーボード(YAMAHA MOTIF ES7)を同時に弾く矢野さん、跳ねるWill、タイトなリズムを決めるChris。冒頭から、こんなに盛り上がって良いのか?というスタート。
そして、その勢いは止まること無く、最後まで。曲目的には1stから2曲が替わっただけだが、受ける印象は結構違う物だった。全体の迫力で言えば、圧倒的に2ndの方が凄かったが、個人的には1stのアンコールでのRock'n roll大会の楽しさが印象的だ。
また、演奏の迫力と裏腹に、2ndのMCはリラックスした楽しい物だった。矢野さんはJAXAの事を「宇宙に、宇宙船を出したり引っ込めたりする団体」なんて言うし、Willもがっつり英語でトークするし。
ということで、「夏の矢野顕子ブルーノート祭り」は、三人の、音楽に対する情熱・テクニック・サービス精神が結晶したものだと、つくづく認識を新たにしたのである。
東京二日目の公演である。まず、1st。日曜日は17時30分。まだ明るい時間のスタートだが、演奏の方は冒頭から飛ばす飛ばす。特に、Willのプレイが凄まじい。
「Full Moont Tomorrow」は、聴く回数を重ねる毎に、こちらの涙腺もさらに緩むようになってしまった。「多摩蘭坂」のあの歌詞を入れてくるとは。それにしても、清志郎さんの曲を歌うときの矢野さんは、特に歌詞を大切にしているなぁ、と思う。そしてまた、こちらの涙腺が…
「Reach Out」でのWill。何度もジャンプし、ノリノリ。それに引っ張られ、Chrisのドラムスもキレキレ。圧倒的な演奏の後、お茶目なそぶりも見せるお二人。そのままの雰囲気で「ポケットいっぱいの秘密」も好演。これまで観た中でも、最もキレのある演奏が続いた、実に素晴らしいセットだ。
アンコールは、矢野さん曰く「鬼可愛い」曲と、「Gasoline and Matches」の組み合わせ。ラストのWillによるマッチ・パフォーマンスも完璧なタイミングで決まり、もう言うこと無し。本当に充実したセットだった。因みに、その充実ぶりは、矢野さんのMCがグダグダにならずに、ちゃんとまとまっていたところにも反映されていたような気がする。
その流れで、期待が高まった2nd。一曲目は「Dreaming Girl」。ということは、どんどん盛り上がっていって、アンコールであのRock'n'roll大会になだれ込むのかと、さらに期待が高まった。
しかし、このセットでのWillのプレイは、やや抑え気味だったように思う。ジャンプの回数も、1stに比べると1/3ぐらいでは無かったか。もちろん、それでも十二分に凄いし、楽しいのだが。
その分、このセットでは矢野さんのプレイが印象的だった。時には、上原ひろみさんが憑依したかのように上体を揺らしながら、時にはキーボードとピアノを同時に叩きながら、とても気迫のこもった演奏を繰り広げていた。
「Prayer」を演らなかったのが少し残念だが、アンコールの盛り上がりは期待以上。本当に楽しい。
問題は、家に帰って「荒野の呼び声」を聴いても、生と比べて物足りなさが募る、ということか。
一日、休演日を挟んだ東京公演三日目の2nd Show。休みで英気を養われたのか、一曲目から、非常にタイトな演奏だ。
平均的にレベルの高い演奏が続いている思うのだが、二日目 1st ShowでのWillの弾けぶりを観てしまうと、どうしても、もっともっとと期待してしまう。そして、今回、その期待に応えてくれたのは、Chrisのドラムだ。特に「いいこ いいこ」と「Reach Out」でのプレイは圧巻だった。そこからは、アンコールも含め、鉄板で盛り上がる曲が連発。特に、「ポケットいっぱいの秘密」と「ROSE GARDEN」は、実に素晴らしい演奏だった。
気がつけば、一部曲順を除いて、日曜の2nd Showと同じ曲目だったが、アレンジに拘った「PRAYER」と新機軸「Spring, Spring, Spring」が無いのは、ちょっと寂しい。
全く空気を読んでいないテンションで騒ぐ(酔っ払ってる?)カップルのお客さんがいて、いささか不愉快な思いもあったのだが、迷惑な客をやんわりとたしなめる矢野さん、という光景を久しぶりに見たのも、結果的には面白く。やっぱりライヴは楽しいな。
東京最終日の2nd Show。ラストの盛り上がりを期待して出かけてきたのだが、これまで私が観たこのトリオの演奏の中でも最高のパフォーマンス!とにかく素晴らしかった。楽しかった。
一曲目「Dreaming Girl」から、もう歌唱と演奏のクオリティがこれまでと一桁違う。二曲目になってもその勢いは止まらず、観ている私の方が「三人とも、本当にこのペースで最後まで持つのか?」と心配するほど。
しかし、そんな心配は無用。「Full Moon Tomorrow」と「PRAYER」の、しっとり聴かせる二曲で涙腺を緩ませた後は、終盤の怒濤の三曲。これこそ、今年の「夏の矢野顕子 ブルーノート祭り」の完成形だ、と納得させられる出来映えだ。
そして、東京最終日は出し惜しみ無し。アンコールは三曲の大々サービス。楽しいったらありゃしない。ラストのWillによるマッチ・パフォーマンスも完璧に決まった。
最終公演がもの凄いハイテンションになるのは毎年のことだが、今回は、テンションだけで無く完成度がずば抜けていたと思う。本当に、三人とも、一曲も外れ無し。あ、「いいこ いいこ」の前に「入れたはずの歌詞カードが無い!」と言っていたら、案の定、途中で歌詞が飛んでしまったが、矢野さんのライヴで歌詞が飛ぶのは、全くの無問題。そしてまた、三人の姿の楽しそうなこと! Willの茶目っ気溢れるサービス精神も全開。
アンコールが終わった後、矢野さんの充実した表情はもちろんだが、WillとChrisが本当に楽しそうに肩を組んでステージを後にしたのが、なんだか嬉しい。
もう一度書く。素晴らしかった! 楽しかった!!