矢野顕子強化月間、公演4本+イベント1本で、無事終了。とりあえず、前売りチケットを無駄にすることなく終わって良かったものの、仕事面では各所にしわ寄せがあったかも、の一ヶ月でもありました。
最近のIN
上原ひろみのソロ公演を観に、ブルーノート東京へ行ってきた。
これまで彼女のライヴは、バンド「Hiromi's Sonicbloom」の公演や、矢野顕子との共演は観てきたが、ピアノ・ソロはこれが初めてだ。それも、小さめのハコでの演奏ということで、期待が高まる。因みに、矢野顕子のコンサートでいつも見かける人達を、この日も多数見かけた。矢野ファンのハートもしっかり掴んでいる上原ひろみ嬢なのである。
それにしても、圧倒的な音数を繰り出す彼女のパフォーマンスはいつ見ても凄い。私の席からは、彼女の指が見えなかったので、一体、どんなことをすればあんな音が出るのか、全く見当が付かないほどだ。その代わり、彼女の顔が良く見える角度だったので、演奏に没頭し、時には顔をしかめ、時には笑顔で、唸り、歌い、立ち上がり、飛び跳ねる、その表情と動きを堪能することができた。
ただ、私の場合、その驚異的なテクニックが、必ずしも魂を深く揺さぶるとは限らない、ということを彼女の演奏から感じることもあったりする。バンドの場合は、ロック的な展開の中で忘れてしまうのだが、ピアノソロだと、そういうところが少し目立つかな、というのがステージの前半だった。しかし、後半になるにつれ、ひろみ嬢の演奏の白熱ぶりは壮絶な次元に突入し、私のひねくれた感想などねじ伏せるパワーで迫ってきた。やっぱり、凄いわ。会場も大いに盛り上がり、演奏後はスタンディング・オベーション。
これで、今年のライヴは見納めだが、最後に良いものを見せていただいた。
ということで、2009年のINを振り返ってみる。
映画は、豊作だったと思う。「Obsluhoval jsem anglického krále(英国王給仕人に乾杯!)」、「The Life Before Her Eyes(ダイアナの選択)」、「Slumdog Millionaire」、「The Wrestler」、「Inglourious Basterds」あたりが印象深いが、一本選ぶなら「The Life Before Her Eyes」だろうか。
コンサートでは、矢野顕子のさとがえると金沢出前が、やはり突出して凄かったが、Michel Camilo Trio、CANDY DULFER with SHEILA E.にも圧倒された。
あと、原美術館と森美術館にも、ずいぶん楽しませてもらった一年だった。
来年も、願わくば、沢山のINに出会える余裕があってもらいたいものだ。
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