IN/OUT (2009.3.15)

「20%増量」というコーヒー豆の特売。もちろん、お得なのは嬉しいけれど、単純に値段を二割引にしていただいた方が、ありがたい。いつも、保存容器にちょうどの分量を頼んでいるので、20%増しの量だと溢れてしまうのですが…


in最近のIN

"The Life Before Her Eyes"09.3.15

Uma Thurman主演の映画を観てきた。邦題は「ダイアナの選択」。

高校で起きた銃乱射事件に巻き込まれた二人の少女。「どちらかを殺す。選べ。」と銃を突きつけられた二人は…。そして、それから15年後。という物語。30代になった主人公を演じるのがUma Thurman。そして、高校時代の彼女を演じるのがEvan Rachel Wood。二人の雰囲気がうまく合っていて、違和感のない二人一役になっている。

映画は、銃を向けられた主人公が下した選択を明示しないまま、乱射事件に至る高校時代の描写と、15年後の描写が交錯しながら進む。そして、反復されるモチーフ。二つの時代に共通して現れるキーワード。暗喩に満ちた映像。徐々に現実を侵食してくる非現実。詩的なイメージに溢れる映像が緊張と不安のみなぎるストーリーを紡いでいく。

予告などでは、「衝撃のラスト」、ということになっているが、実際は途中で予測できる結末だと思う。原題の"Her"が、誰のことを指しているのかが分ければ、物語の構造も理解できるようになっている。ただ、繰り返されながら微妙に変化しているシーンに、「選択」の鍵を潜ませるなど、徹底した作り込みが素晴らしい。同じ衝撃のラストでも、先週観た "Passengers"が、伏線が伏線でしかなかったのに対し、この作品の仕掛けの玄妙さは、何とも妖しく切ない。

監督のVadim Perelmanは、これが二作目ということだが、中々の映像センスだと思う。ただ、公式サイトで「監督の答え」を語っているのは、いかがなものか。この程度のひねりでも、ちゃんと回答を提示しないと理解できない観客がそれだけ多いのだろうか?

いかがなものかと言えば、もう一つ、シネスイッチ銀座で初日プレゼントとしてジバンシイの香水サンプルを配っていたのだが、そういうお洒落映画では無いと思うのだが…

そうした苦言はともかく、映像に込められたメッセージを読み解く、まさに映画鑑賞の悦びに満ちた傑作だった。



かと言って、20%増量後のグラム数で頼もうとしても意図が上手く伝わらず、店員とのやりとりに余分なストレスを抱え込む今日この頃です。