黒のジャケットに白いシャツとネクタイ。ビシッと決めての登場。普通のスティックを二本持っている時の方が少ないほど、曲毎に工夫を凝らしたプレイで魅せてくれました。
黒の革ジャケットに、下はTシャツ。エッジの効いた攻撃的な音色を炸裂させてくれました。
黒のジャケットにパンツルック。長身の彼女が着ると、とてもカッコ良い。矢野さん曰く「大人になったら(!)ああいう女性になりたい」。超個性派が揃ったバンドを、堅実なプレイでしっかりサポートしてくれました。
開演前、1F奥のコーヒー飲食コーナーの一部が仕切られ、ファンクラブ専用スペースとなっていた。中には、「JAPANESE GIRL」のジャケットの原画や、過去の公演のポスター、TV出演の映像などが流されていたが、あのスペースは開演前に落ち着いてコーヒーを飲める貴重な場所なので、ファンクラブ専用にするのは、どうだろう?
さて、開演。黒のジャケットで統一したバックバンドに続いて、例年以上に派手な爆発頭で矢野さん登場。一曲目、「akiko」の中でも私が一番気に入っている曲からのスタートだ。うねるようなJayのリズムに、鋭く切り込むMarcのギター。そのバックをしっかり支えるJenniferのベース。本当に、世界に唯一無二のバンドだと思う。ただ、あまりにもJayのプレイが個性的なので、矢野さんよりも、ついついJayの方に目がいってしまう。
ソロのあと、Marcとのデュエット、Marc & Jayとのトリオと続く。「股旅(ジョンと)」での啖呵の切り方が、どんどんカッコ良くなっているようだ。そして四人揃って、ザ・ピーナッツ。このバンドが意外なほど昭和歌謡と相性が良いことに驚いた。三曲目に演ったいしだあゆみの曲も、そういうことで選ばれたのだろうか。
そして、ここからの展開が、大変なことになってきた。これからさらに進化し続けるであろう新曲「まなべよ」からの四曲。異常なまでのテンションで迫ってくる。Jayの超個性的なドラム(ドラム・ソロは、速ければ良いってものじゃないんだと、本当に実感させられる)と、Marcの攻撃的なギターに、見事に絡む矢野さんのピアノ。なんというコンビネーションだろう。
大充実の本編の後、アンコール。爆発頭からストレートヘアにチェンジした矢野さん。なんと、デビュー・アルバム「JAPANESE GIRL」の一曲目「気球にのって」を、アルバムやこれまでのライヴでの演奏、あるいはyanokamiでのトラックとも全く違う、Marcが弾くバンジョーをフィーチャーしたアレンジで演奏。これは素晴らしいアイディアだと思う。そして、ラストは「ふなまち唄」。奇しくも、アンコールは二曲とも「JAPANESE GIRL」からの選曲となった。そこには、原点を確かめながらも、最新のアレンジとパワーを与え、より高みを目指していく矢野さんの決意のようなものが感じられるというと、考えすぎだろうか。とにかく、「ふなまち唄」の演奏、そして、バンド・メンバーと矢野さんが一体となって叫ぶ「ラッセーラー」の掛け声に、聴いているこちらもヒートアップ。スタンディング・オベーションで終了。
正直なところ、昨年と全く同じメンバーでのさとがえるということで、期待値は決して高くはなかったのだが、それは、この四人のパワーと独創性を見くびっていたのだと、大反省。昨年以上に熱い演奏に、完全にやられてしまった。本当に凄かった。
木村さん、原田さん、ありがとうございました。