IN/OUT (2009.2.15)

品川で乗車し通路を挟んだ反対側の席に座った女性が、発車間もなく床にコーヒーをこぼすという惨事を引き起こし、それが片付いたと思った頃、次の新横浜で乗車した女性が、またもコーヒーを床にぶちまけた、まるで何かの呪いがかけられたかのような新幹線に乗って、久々、矢野顕子のコンサート追っかけ遠征に行ってきました。


in最近のIN

"Obsluhoval jsem anglického krále"09.2.7

チェコとスロバキア合作の映画を観てきた。英題は"I Served the King of England"、邦題は「英国王給仕人に乾杯!」。

タイトルからは内容の想像が付かず、馴染みのないチェコの映画ということで、期待値は低かったのだが、嬉しい驚き。私好みの大傑作だった。

舞台は、チェコ。第二次大戦=ナチス・ドイツによる占領を挟んだ激動の現代史を描くのだが、視点はあくまでも主人公の給仕人。百万長者のホテル王を夢見、駅のソーセージ売りから身を起こした彼が、様々な人との出会いを通じ、どんでん返しに満ちた数奇な人生を歩む。小柄な彼が辿る人生と、小国チェコの運命、どちらも、自身の意志では抗しきれない大きな力に翻弄され続ける。

重い時代背景を抱えながら、語り口は、あくまでも軽妙。艶笑コメディ的(主人公の女体盛りへの拘りには大笑い)なものから、すっとぼけた味わいのものまで、軽やかな笑いに満ちて、物語は進む。そして、給仕という立場から、大金持ちの世界やナチスの世界を垣間見、流されていった主人公が、最後にたどり着く境地。このラストシーンが、じんわりと泣かせる。

CGも使った意外に凝った映像。洒落た音楽。美しく撮られた女性たち。映画のマジックにも満ち、早くも今年のマイ・ベスト候補の一本と巡り会えたという感じだ。



コンサート自体は、清水ミチコとの共演が見られた楽しいものでしたが、この数日間の暖かさのせいか、移動中の花粉が辛かった。これから二ヶ月以上、これが続くのか…