IN/OUT (2009.12.20)

矢野顕子強化月間の一環として、金沢へ行ってきました。

地元の人も、12月中では珍しいという大雪で、行きの飛行機は
「現地の気象条件次第では、羽田に引き返すかもしれないことをご了承の上、搭乗願います」
というパターン。しかも、
「到着した機材は、小松空港離陸時、避雷したため、点検中」
という不吉なアナウンス。

結局、30分ほどの遅れで、小松空港に無事着陸できましたが、確かに寒いし、風は強いし、雷はなるし、雪は降るしの、散々な天気でした。


in最近のIN

金沢21世紀美術館09.12.19

金沢21世紀美術館に行ってきた。

2004年10月に開館した、現代美術を収蔵した美術館だ。地上一階、地下一階の平べったい円形の建物。まず、この建物自体が、とても個性的だ。出入り口は4カ所にあるが、円形ということで、どれが正面ということは無い。この大きな円の中に、正方形、長方形、円形など、様々な形・大きさの展示室が配置されている。中央部が有料の展示スペース、その周囲が、ミュージアム・ショップ、カフェ、市民ギャラリーなど、パブリック・スペースとなっている。外壁・内壁ともに真っ白に塗られ、また、透明のガラスも多用されていて、明るく、見通しの良い、独特の館内の雰囲気を作っている。この作りのため、それぞれの展示室の独立性が高く、また、特定の順路が決まっていない。それが美術館の意図なのだが、馴れるまでは、どこをどう歩けば良いのか分からず、結構、大変でもある。

この日行われていた展覧会、まず「オラファー・エリアソン - あなたが出会うとき」を見る。Olafur Eliassonは、1967年、コペンハーゲン生まれの芸術家。光、影、色、霧などをモチーフにした大がかりなインスタレーションが展示されている。これら大規模な作品を多数展示できるところが、この美術館のすごいところだ。鑑賞者の影自体が作品の一部となることで成立する作品が多く、純粋にその空間が楽しい。金沢の人の特質なのか、「現代美術」に物怖じせずに影絵の中に飛び込む人が多く、そういう観客のリアクションまで含めて、面白い。激しく明滅するストロボの下に噴水を配し、まるで刻々と形を変える氷の彫刻のように見える作品が、特に印象的だった。

もう一つ、「コレクション展 - Shift」も見る。村山留里子氏の巨大なパッチワークに圧倒される。さらに、こちらにも展示されているOlafur Eliassonの「赤-緑-青の空間(仮題)」が、見応え(体感し応え)があった。部屋中に立ちこめた濃い霧が、赤、緑、青の光に染められ、観客は、その中に放り込まれる。この霧の濃さが尋常でなく、そこに身を置くと、なんとも不思議な気分になる。さらに、この部屋の奥に、「レアンドロのプール」の地下入り口があるというところが洒落ている。

「レアンドロのプール」は、この美術館の常設展示の目玉となってる作品。どんな作品かは、→ 公式サイトの紹介を参照。悪天候のため、プールを上から見ることが出来なかったのが残念。

とても見応えがある美術館だった。館内のカフェも、白で統一された落ち着いた空間で、広いガラス窓の外にしんしんと降る雪と、真っ白な前庭で雪合戦に興じる子供たちを見ながらくつろぐのも、とても気持ち良かった。また、機会があれば、是非、再訪したい。



一通り美術館を巡った後は、地下のホールで「出前コンサート

コンサートが終わり、繁華街に出てみようかと思いましたが、非雪国育ちにとって、歩き回るには非常に厳しい路面状況で、断念。ホテルのある駅前に戻り、夕食場所を探してみましたが、選択肢が少なく、結局、金沢とは何の関係も無いインド料理屋へ…。

翌朝も相変わらずの雪で、小松空港ではかなりの遅れが出ていたものの、自分が乗る予定だった便より、一便前に変えてもらい、結果的には予定より早く帰京。美術館以外は、なにも「金沢」を感じることのないツアーでした。