八ヶ岳高原音楽堂で、2011年(ソロ公演)、2017年(石川さゆりさんとの共演)、2019年(ソロ公演)に続き、弾き語り公演が開催されました。
誤りのご指摘や追加情報等あれば、送って頂けると助かります。
2日間の公演だが、私は、土曜日のみ参戦。中央線で小淵沢。そこから小海線に乗り換える。小海線は、大雨により土砂が線路に流れ込んだため、木曜日丸一日、小淵沢・野辺山間が運休となり心配したが、金曜日には復旧。土曜日は全く問題なし。野辺山駅で下車し、送迎バスで八ヶ岳高原ロッジに15分ほど。到着後、周囲を散策し、ロッジ内で昼食の後、山の中の遊歩道をてくてく歩いて、音楽堂へ。標高1,500mの地に建つ、八ヶ岳高原音楽堂。木の温もりを活かした六角形の建物で、キャパは250名。
15時、開場。以前は、ロビーで、ワインやジュース、軽食のサービスがあったのだが、コロナ禍の悲しさ。ウェルカム・ドリンクは、ペットボトルの水だけになってしまっていた。一方、入場時に座席番号が書かれた紙を選ぶという抽選制で座席が決まるのは、いつもの通り。今回は、左右ほぼ中央の良席を引き当てて、ラッキーである。
16時、開演。一聴して、素晴らしく音が良いことに驚く(ここに来る度に、驚いている気がするが…)。この夏の一連の公演では、いまいち、ヴォーカルのPAに納得がいかないことが多かったのだが、今回は実に素晴らしい。印象としては、ヴォーカルの音像がぼやけること無くホールの中空に定位しているところに、透明感のあるSteinwayの音色が重なり、まさに、ヴォーカルとピアノとホールが一体となって響いている感じだ。本当に素晴らしいホールだし、私的・今期のPA大賞である。
この響きの良さに後押しされるように、一曲目「わたしのバス」から矢野さんも絶好調だ。「夏が終る」、「Nothing in Tow」と、この季節にぴったりの曲が続いた後は、昨晩、テレビでジブリの「耳をすませば」を見たという話から、ジブリつながりで「ひとりぼっちはやめた」(「カントリー・ロード」は好きじゃないとのこと…)。映画の話題から「LOVE LIFE」。
「魚肉ソーセージと人」の後、8月13日・14日にこのホールで予定していた公演がキャンセルになってしまった大貫妙子さんになりかわり「突然の贈りもの」。そして、歌詞に彼女が登場する「音楽はおくりもの」。「おくりもの」連打である。
「春咲小紅」の後は、このホールが発祥の地である「津軽海峡・冬景色」。2017年の石川さゆりさんとの公演で初演した時は、まだ試行錯誤で、英語詞までぶち込んでいたが(これも再聴してみたいが)、今ではすっかり「矢野版津軽海峡」も完成の域に育ってきたなぁと、嬉しくなる。
この辺りから、コンサートも終盤モード。鉄板曲「ごはんができたよ」と「ひとつだけ」で本編終了。そして、アンコールは「ラーメンたべたい」。今回は、とても即興性の強い演奏だ。これで全編終了。
やはり、音響の良いホールで聴く公演は素晴らしい。それに加えて、周囲は美しい大自然。このホールは、舞台の後ろが大きなガラス窓で、たっぷりと自然を感じることができる。条件が良いと富士山も望めるのだ。残念ながら、今回は曇り空だったが、前日の予報では雨だったので、十分にありがたい(矢野さんの演奏パワーで、降雨をホールドさせた?)。この素晴らしい環境でのコンサートを開催してくれたことに感謝だし、一日のみだったが来ることができて良かった。本当に遠出する価値が有るライヴだ。
なお、終演後、セットリストが会場に貼り出されただけでなく、送迎バスで高原ロッジに戻ってみると、ロビーに「本日の演奏曲」のプリント・アウトが、持ち帰ることが出来るように積んであったことにも感心した。何とも素早い作業だ。スタッフの皆さんもGood Jobである。
【追記】自分は行けませんでしたが、日曜日のセット・リストをメールでいただいたので、掲載できました。K.池田さん、ありがとうございます。