Blue Note Tokyoの土・日と、最終日の2nd Showに行ってきました。誤りのご指摘、追加情報等あれば、送って頂けると助かります。
矢野顕子グループ | |
2007年8月17日(金) | 19:00 - / 21:30 - |
2007年8月18日(土) | 19:00 - / 21:30 - |
2007年8月19日(日) | 18:30 - / 21:00 - |
2007年8月21日(火) | 19:00 - / 21:30 - |
2007年8月22日(水) | 19:00 - / 21:30 - |
2007年8月23日(木) | 19:00 - / 21:30 - |
今年は、これまで以上に音色のバリエーションを聴かせてくれているという印象。最終日にはケーブルを新調して、更に満足のいく音を出してくれていたようです。
今年は、比較的シンプルなプレイに徹しているという印象でした。
改装されたブルーノート東京、最初の公演。座席予約や入場の仕組みも変わり、少々とまどいながら出かけてきた。指定席が導入されたが、店内のレイアウト自体は、それほど変わっていないようだ。因みに、今年のカクテルは「貴志子」。1st Showは左サイド、2nd Showは左右ほぼ中央の席。
1st Show。一曲目は、まぁ定番だが、次が、久しぶりに聴く「湖のふもとでまだ猫と暮らしている」。さらに、まさかライヴで聴くことがあるなんて予想もしていなかった「DOGS AWAITING」。これをトリオ用にアレンジし、演奏してしまうのだから、さすが、結成11年のさとがえるトリオだ。
ピアノが弾む「相合傘」。Anthony氏の、やや長めのソロから始まる「わたしたち」と演奏が続く。ちょうど、ピアノの真後ろに当たる席だったので、矢野さんの方を向いているAnthony氏の顔がよく見える。単なるアイコンタクトじゃなく、トリオのプレイに全神経を集中させている凄みある表情だ。
先日のリサイタルで、「最近ハマっている」と語っていた、まさかのLed Zeppelinで本編ラスト。ソロで一曲、トリオで一曲のアンコールにて終了。Anthony氏の恒例のソロが短めだし、Cliff氏の長いソロパートが無い構成のため、やや物足りなさも感じてしまった。
続く2nd Show。冒頭から、演奏の勢いが違う。「相合傘」では、矢野さん自身が「止まらなくなるかと思った」というほどの弾けた演奏。さらに「ばらの花」「ほんとだね。」と、トリオの底力を感じさせる白熱したリズムの応酬が続く。Zeppelinの曲での熱さも、アンコールでの「Rose Garden」の盛り上がりも、1st Showとは桁が違うという印象だ。それにしても、「Rose Garden」。先日のリサイタルとサマーソニックでは、ソロ演奏で聴いたが、それぞれに格好良い演奏だ。ソロ、トリオ、yanokamiと、三形態のライヴが続くこの夏の来日公演だが、どれも手を抜かず準備をしてきていることがしのばれる。本当にありがたいことである。
今日は、1st Showが左右ほぼ中央。2nd Showは矢野さんの正面にあたる席。
二日続けて聴くと、日に日に演奏が良くなっていくのが分かる。1st Showでも、「BAKABON」の遊び心を感じる歌い回し、昨日より圧倒的に迫力が増している「DOGS AWAITING」、Cliff氏の切れ具合が抜群の「ほんとだね。」と、良い演奏が続く。
2nd Showが始まっても、昨日のように1st Showとの明らかな違いというのは感じなかったのだが、それも前半まで。今年のブルーノート東京における「矢野顕子祭り」の山場だと感じている「ほんとだね。」の決まり具合と「Whole Lotta Love」の白熱ぶりは、日毎・Show毎に止まることなく進化し続けているさとがえるトリオの力を見せつけられた思いだ。
そして、この日の白眉は、2nd Showのアンコールだろう。何を演るか迷った末に選ばれた「PRAYER」の名演と、天井知らずでかっこよくなり続ける「ROSE GARDEN」。本当に素晴らしかった。
最終日・最終公演、真ん中の席。
ラストということで、気合いが違うようだ。一曲目の冒頭こそ、気合いに声がついて行っていないような気がしたのと、Anthony氏のベースの音量バランスが悪いような気がしたが、すぐに軌道修正。
地味だけど癖になる曲「DOGS AWAITING」の良さを再認識し、「相合傘」でのスキャットに恍惚とする。そして、「わたしたち」冒頭のAnthony氏のソロ。これまで聴いた4ステージとは違う次元の演奏だと感じる。11年目に入ったトリオの、インタープレイの緊密さが、さすがだ。
最後まで、プレイヤー同士の信頼感と緊張感を感じさせる、テンションの高い応酬が続き、アンコール。ソロは「ひとつだけ」。やっぱり、特別な曲だなぁと思う。そして、「ROSE GARDEN」。ピアノ・ソロでの演奏と違い、リズムを二人に任せた分、奔放に鍵盤を叩く矢野さん。最終公演は無理してでも聴きに来る価値があったと納得の演奏だった。
ベルガさん、ありがとうございました。