IN/OUT

IN/OUT (2018.8.5)

一週間の夏休みでした。


in最近のIN

"Incredibles 2"18.8.1

2004年公開の"The Incredibles"(邦題「Mr.インクレディブル」)の続編を観てきた。邦題は「インクレディブル・ファミリー」

14年ぶりの続編は、前作のラストに出てきたヴィラン Underminerとの戦いから始まる。前作の直後、ということは、「スーパーヒーロー保護プログラム」は継続していて、スーパーヒーロー活動は違法なのだ。それに対し、スーパーヒーロー合法化に向けた活動を行う富豪実業家兄妹が、その一環で、Elastigirl()にミッションを依頼する。Mr. Incredible()は、主夫として留守を守るが、思春期の悩みに揺れる娘、時代が変わり解き方も変わった算数の宿題を持ち込む息子、新たなスーパーパワーを発現させる赤ちゃんと、三人の子育ては想定外の苦労の連続。そんな中、人々を催眠術で操る怪人Screenslaverが現れ、Elastigirlも窮地に陥る、という物語。

前作もそうだったが、スーパーヒーローに関する考察と、家族及び家庭の問題に対する考察が、共に深い。この辺りは、完全に大人向けの作品だと思う。一方で、子供も楽しめるアクションシーンも多く、最近は実写映画でも活躍するBrad Bird監督の才気溢れる映画に仕上がっていると思う。

監督の才気は隅々にまで及んでいて、エンディングクレジットまで素晴らしい。つまらない音楽と膨大な文字列を垂れ流す凡百のクレジットとは大違いで、見事にデザインされた画面と軽快な音楽。中でも、ラスト近くに出てくるElastigirl、Frozone、Mr. Incredible、それぞれの洒脱なテーマ曲を聞かずに席を立ってはいけないと思う。実に、隙が無い映画だ。

なお、同時上映される短編中華アニメ"Bao"は、内容よりも、練った小麦粉の質感=CGの描写力の進化に、驚愕した。


「フジオロックフェスティバル 2018」@恵比寿ガーデンプレイス18.8.2

恵比寿ガーデンプレイス 「フジロック」ではない。「フジオロック」。赤塚不二夫の没後10年分のバカを、音楽(LIVE)と笑い(落語)と祭(バカ盆踊り)に詰め込んだというイベントが、8月1日・2日に開催された。LIVEに矢野顕子が出演するということで、8月2日の「ボツ10年ライブ @ザ・ガーデンホール」 を観に行ってきた。

ガーデンプレイスの中庭に、ステージと盆踊りのやぐらが組まれているのを横目に、会場のガーデンホールへ。以前、訪れたときは、オールスタンディングのライヴでも後方に椅子席が用意されていた。私は、比較的早い整理番号だったが、長丁場のライヴを考え、場内に入るや後方を目指したのだが、本日は椅子席無し。ガチのオールスタンディングだった。慌てて方向転換。結果、かなり端っこにはなったが、舞台向かって左側の柵に寄りかかれる場所を押さえることができた。

この日の出演者は、LEO IMAI(LEO今井、岡村夏彦、シゲクニ、白根賢一)、矢野顕子、Sweet Robots Against The Machine(TOWA TEI+砂原良徳+バカリズム)、THE BEATNIKS(高橋幸宏+鈴木慶一)。

まずは、LEO IMAI。METAFIVEの一員としてのLEO今井は、一昨年昨年と、二年連続で観てきたが、今年は、彼自身が率いるバンドでのパフォーマンス。ゴリゴリの骨太ロックサウンド。あまり、好みのタイプでは無かったが、最後の曲にDavid Bowieの"Heroes"を組み入れていたのは、カッコ良かった。

バンドの機材が片付けられ、YAMAHAのグランドピアノが運び込まれて、お目当ての矢野顕子。演奏曲はやのコレ参照。

三番手は、Sweet Robots Against The Machine。元々、TOWA TEIの変名プロジェクトだったが、16年ぶりにバカリズムを加えて復活したとのこと。本番前、TV番組「バズリズム」繋がりで、お笑い芸人 武井俊祐が前説をするというバラエティ寄りのスタート。サウンド自体は、TOWA TEIと砂原良徳がトラックを作っているだけに間違いないクオリティだが、バカリズムのネタ的なリリックは、このようなライヴには向いていないと思う。途中のダラダラしたMCも盛りあがりに欠け、演奏曲も少なく、人を喰ったパフォーマンスだ。正直、彼らの登場時間は無駄な時間だったと思う。唯一、ダンサーの女性が頑張っていたが…。あるいは、METAFIVEのメンバーを同じイベントに集結させる(しかし、METAFIVEとしての演奏は無し)というのが、このライヴの裏テーマなのか?

いよいよ、トリを務めるTHE BEATNIKS。高橋幸宏&鈴木慶一に加え、バックに砂原良徳、白根賢一、高桑圭、堀江博久、永井聖一、矢口博康、山本哲也(METAFIVEからの参戦は砂原良徳のみ。この日のライヴに出演していたMETAFIVEメンバーのLEO今井とTOWA TEIは参加せず)。やはり、彼らのサウンドはカッコ良いな。昭和のいる・こいる張りのユキヒロ&慶一の絡みも楽しく、まさに大人のロック。ラストは昨年の「バカ田大学祭ライブ」で作られた「シェー・シェー・シェー・DA・DA・DA・Yeah・Yeah・Yeah・Ya・Ya・Ya」。スペシャルゲストに、のん登場。昨年のワールド・ハピネスと似た光景となったが、今回、のんはリードヴォーカルを取る訳でもなく、ニコニコしながら踊るだけ。まあ、おじさんばかりのステージに爽やかさを加えてくれただけで、ありがたい。

ということで、全編終了。矢野顕子とTHE BEATNIKSのパフォーマンスには文句なし。ただ、全体としては、消化不良感が残る。出演者達の中で、赤塚不二夫について語ったのは、矢野顕子だけ(THE BEATNIKSは、縁の曲を演奏したが)。主催者からも、商売っ気は見えても、赤塚不二夫へのリスペクトが感じられない気がする。結局、矢野さんは大人だ、というのが本日の結論か


"Mission: Impossible - Fallout"18.8.3

Tom Cruiseのヒットシリーズの最新作を観てきた。

監督は、前作"Rogue Nation"に続いて Christopher McQuarrie。彼は、Tom主演の"Jack Reacher"も監督しているし、"Edge of Tomorrow"や"The Mummy"の脚本も担当している。"Mission: Impossible"シリーズのプロデューサーでもあるTom Cruiseのお気に入りのようだ。

物語は、奪われたプルトニウムを巡る比較的シンプルなもの。このシリーズ、三作目までは、風呂敷を拡げ過ぎると同時に、Brian De Palma、John Woo、J.J. Abrams の各監督がその作家性を前面に出し過ぎという「過剰感」を覚えていたのだが、4作目の"Ghost Protocol"(監督は"Incredibles 2"のBrad Bird)以降は、「スパイ大作戦」本来の魅力であるべきチームプレーが前面に出てきて、安定感のある良いシリーズになってきたと思う。今作も、その路線に則った快作だ。

前作で登場したRebecca Ferguson演じるMI6エージェントが今回も重要な役割で続投。Michelle Monaghanが演じるEthan Huntの元妻を巧みな設定で登場させ、ヒロイン交代を印象づけるのもシリーズ構成として上手いなぁと思う。また、シリーズ皆勤賞の人情派エージェントLuther(演じるのは、Ving Rhames)の見せ場が多いのも嬉しい。

ということで、過去作に比べて特別に凄いという訳では無いのだが、シリーズ映画の楽しさをしっかり押さえた良い作品だった。この調子で続いて欲しいな。


「葉加瀬太郎 サマーフェス'18 ~50thanks evolution~」@葛西臨海公園 汐風の広場18.8.4-5

葛西臨海公園 葉加瀬太郎がプロデュースする音楽イベントに行ってきた。このイベントは、2002年から16年間続いた夏フェス「情熱大陸スペシャルライブ」からタイトルを替えて開催されたもので、葉加瀬太郎が今年50歳を迎えたのを記念する意味もある。大阪 万博記念公園もみじ川芝生広場と、東京 葛西臨海公園 汐風の広場での実施だが(大阪が7/28、東京が 8/4と8/5)、このうち、東京の方に矢野顕子が出演するということで、チケット発売直後=タイムテーブル発表前に速攻でチケットをゲット。実際に矢野顕子が出演するのは二日目だったが、せっかくなので、二日間とも出向くことにした。昨年、この場所ではWORLD HAPINESSを観たのだが、高橋幸宏&いとうせいこうがキュレーターを務めただけに、私好みのミュージシャンが多かった。しかし、今年は葉加瀬太郎がプロデュースということで、必見と思わせるミュージシャンは少なく、アウェイ感を覚えつつの参戦である。

猛烈な暑さの中、8月5日 15:30からの矢野顕子に照準を合わせ、8月4日は下見モードという作戦だが、下見とはいえ、混み具合も気になるので、開場よりもちょっと早めに到着し、列に並ぶ。入場口でレジャーシートを渡され、それを敷いた場所が自分の陣地になるというWORLD HAPINESSと同じ方式だ。翌日の矢野のピアノを想定し、舞台左手、フェンス際の好位置を確保。

13時45分、オープニングアクトのネイバーズコンプレインから演奏開始。まだ、会場が温まる前(雰囲気が、という意味。気温は暖かいどころか35度越えと思われる酷暑)で反応が薄いのが可愛そうな気がした。本編、冒頭は、和楽器バンド。8人編成のロックバンドで、バンド名通り、三味線・琴・尺八・太鼓という和楽器プレイヤーを含むのが特徴。名前は知っていたが、観るのは初めて。悪くはないんだけど、アニメソングみたい、という印象だ。ここでセットチェンジにしばらく時間がかかる(一つのステージで進行するので、やむを得ない。もっとも、この後は、葉加瀬太郎率いる固定バンドが入るので、セットチェンジは最低限になる)。そして、平井大、SING LIKE TALKINGと続く。普段、全く聴かないタイプのミュージシャンだが、イベントで聴くのは悪くない。そして、このフェスが「葉加瀬太郎」と個人名を冠している理由が分かった。彼は、ほとんどのミュージシャンと1~2曲は共演するのだ。しかも、それぞれ衣装も換えて。この灼熱の中、大したパワーだ。

ヒップホップもまた、普段、全く聴かないタイプの音楽だが、さすが、ベテラン KICK THE CAN CREW。彼らの演奏には、結構引き込まれ、それまで暑さの中、座ったままだった私も、ついに立ち上がる。そして、ヒップホップのステージでもヴァイオリンを弾き倒す葉加瀬太郎。凄い。

その後、個人的には本日のメインだと思っていた、沖仁。フラメンコ・ギタリストである。彼のギターと、葉加瀬太郎のヴァイオリン、さらに佐藤竹善(SING LIKE TALKING)がヴォーカルで参加して、Chick Coreaの"Spain"。この演奏が素晴らしかった。ヴォーカルが入ったSpainを聴くのは初めてだったが、中々、良い。さらに、押尾コータローが登場し、沖・葉加瀬・押尾の三人でAstor Piazzollaの"Libertango"。普通に考えれば、夜も深まった頃の室内で演奏されそうなこの曲を、炎天下のフェスで聴くのも楽しい体験だ。

ここで、時間は5時。沖仁の演奏ですっかり満足したので、明日への体力温存も考え、この日はここで撤退。この後、YAMA-KAN(KAN×山崎まさよし)、ゴスペラーズ、藤井フミヤ、小柳ゆきと続くのだが、興味を惹く人はいないので(そうは言っても、ライヴで聴くと、きっと良いだろうとは思うが)、後ろ髪引かれる事もなく帰宅。というか、これだけでヘトヘトである。

8月5日。少し家を出る時間を早くし、前日、目星を付けた舞台左手のフェンス際の、もう少し前方よりの、個人的ベスト・ポジションを確保。暑さと陽射しの強さは、昨日並みかそれ以上だが、多少、風が強めなのが有り難い。

一組目は、スターダスト☆レビュー。まずは、ピアノをバックに、根元要が、開演に先だっての諸注意と熱中症対策について、朗々と歌い上げ、本編スタート。その後のMCでの笑いの取り方も見事で、素晴らしいエンターテイナーぶりだ。葉加瀬太郎とは「木蓮の涙」で共演。

続いて、SING LIKE TALKINGの佐藤竹善と元オルケスタ・デ・ラ・ルスの塩谷哲が組んだユニット、SALT & SUGAR。いきなり7拍子のジャズで攻める。葉加瀬太郎は、弦楽六重奏を従えて共演。

三番手がお目当ての矢野顕子。演奏曲はやのコレ参照。

さだまさし。フェスなのに、いきなり、しんみりした「精霊流し」。もちろん、ヴァイオリンは葉加瀬太郎。さらに葉加瀬太郎は「案山子」の演奏でマリンバ・ソロも披露。ほんと、大活躍だ。そして、さだまさしの完成度の高い笑芸も、ライヴでは初めて観たが、流石だな。

続いて、KREVA。昨日はKICK THE CAN CREWとして出演していたが、今日はソロ。因みに彼は、昨日も今日も、一組目のバンドが終わって、固定バンド用にセットチェンジするのに時間がかかるところを、FMラジオ局のDJ風の喋りで繋ぐという役割も果たしていた。その軽妙な喋りも好印象だし、楽曲もパフォーマンスも、なかなかカッコ良い。今回のフェスで、結構、お気に入りのミュージシャンになった。

鈴木雅之。イメージを崩さず、酷暑の中、スリーピースにエナメル靴で決めて登場。と思ったら、葉加瀬太郎もスリーピースで登場。凄いなぁ。さらに、さだまさしを呼び込んで3人で1曲。その後は、ゴスペラッツ(ラッツ&スターの鈴木雅之・佐藤善雄と、ゴスペラーズの村上てつや・酒井雄二の合体)として「め組のひと」、「ランナウェイ」と懐かし曲。さらに、佐藤竹善も入れて「夢で逢えたら」。他のミュージシャンを呼び込んで、懐かし有名曲をコラボというのが、いかにもフェスらしい

槇原敬之。デビュー当時は、私にとって「こっち側」の音楽性のミュージシャンだと思っていたのだが、なんだかすっかり「あっち側」になっちゃったなぁというのが、個人的印象である。この日のパフォーマンスも鉄板曲ばかりで、会場は大いに盛り上がっていたが、私は、なんだかついて行けなかった…。それでも、超有名曲「世界に一つだけの花」をライヴで聴くというのは、まあ、良い経験だったか。

この後、KRYZLER&KOMPANYと葉加瀬太郎自身の出番があるのだが、私はここでリタイア。

とにかく暑い二日間。1時間毎に500mlのペットボトル1本のペースでスポーツ飲料を摂取しつつ乗り切ったのだが、結果としては、中々楽しめた。個人的には、葉加瀬太郎というミュージシャンに思い入れはなかったのだが、そのエネルギッシュさと、サービス精神には驚かされた。そして、彼が、様々なタイプの音楽に対応出来る、一流のミュージシャンというのは十分に伝わってきた。



万一、実現しても絶対に普及する訳は無いと思っているし、そもそも、お上がゴチャゴチャ言う事じゃないだろうという気はしますが、日曜にイベントがあった週は、自主的に「シャイニングマンデー」を運用してみたい(100%無理だけど…)、今日この頃です。