IN/OUT (2015.8.9)

先週は、一週間の夏期休暇でした。前半は帰省するも、あまりの猛暑に、ほとんどどこへも出かけず。一番暑い時期に休めて良かったような、勿体無いような…


in最近のIN

"Jurassic World"15.8.6

"Jurassic Park"シリーズのリブート作を観てきた。Steven Spielbergは製作で、監督は新鋭Colin Trevorrow。過去、長編映画は、低予算の一本しか撮っていない監督だが、今回、製作費150ミリオン・ドルの映画に大抜擢。それに応え、米国のオープニング・ウィークだけで204ミリオン・ドルを稼ぎ出したのはお見事。舞台は、Jurassic Parkと同じ島。事件から22年後、ついに商業施設としてオープンしたJurassic Worldに詰めかけた観客を、恐怖が襲うという趣向(このパーク、インドの会社が経営権を持っているという設定が現代的)。

この前観た"Terminator Genisys"もそうだったが、最近のハリウッドの「リブート作」。実に巧い。前作の設定を生かしつつ、新しい観客にも喜んでもらえるようなサービス。この映画も、"Jurassic Park"、特に第一作へのオマージュを散りばめながら、新しい娯楽作に仕上がっている。特撮も素晴らしく、1993年では技術の限界からか登場しなかった翼竜も、大暴れ。ポップコーン片手に観る映画としては最高だ。

ただし、真面目に観ると、あまり褒められた物じゃ無い。前シリーズは、原作のMichael Crichtonらしい、はったりの効いた「科学考証」の下、その時点での最新の知見に基づいた「リアルな恐竜」が、本当に怖かった。さらに、Spielberg監督の、残酷描写を交えながらの天才的な演出と、巨匠John Williamsの耳に残るテーマ曲が重なり、超一級のスリルが楽しめる映画だった。しかし、今回は、何もかも浅い。

まず、大暴れする恐竜が、遺伝子操作によって創り出された最強の殺戮モンスター、Indominus Rex! なんだか、馬鹿っぽい。しかも、このIndominus Rex。T-Rexをベースに、あの恐竜やイカやアマガエルの遺伝子まで取り込んで、トンデモナイ能力を持っている。しかも、孤立して育てられたため社会性が無く、ひたすら殺戮を楽しむという、中学生男子的発想。対する人間側は、素直で優しい弟と、ちょっと背伸びしたい盛りの男子高校生の兄弟。彼らの叔母にあたるJurassic Worldの管理者の女性(当然、若くて、美人で、気が強い)。そして、恐竜調教者のワイルドな男性(演じるのは、Chris Pratt)。実にステロタイプな登場人物ばかり。

演出面でも、Spielbergに影響されたような暴力的なシーンもあるのだが、何故か怖くない。むしろ、笑えてしまう。群衆が襲われるシーンも、どこか緊迫感に欠けるのは、スリラーではなく、ファミリー映画にしたいという製作者の意図だろうか?

そして、ラストの展開に至っては、完全に「怪獣映画」。ハリウッド版"Godzilla"が、怪獣映画の現代的解釈だとしたら、この作品は、古き良き、1960年代のゴジラ映画だ。っていうか「三大怪獣 地球最大の決戦」だ(モスラに説得された(!)ゴジラとラドンが、力を合わせてキングギドラと戦う映画)。そう考えると、物語の前半、Indominus Rexがアンキロサウルスを襲うのは、ゴジラ映画の第二作「ゴジラの逆襲」でゴジラがアンキロサウルス(通称 アンギラス)と戦ったことへのオマージュかと勘ぐってしまう。

恐らく、Chris Prattと、ヴェロキラプトルと、T-Rex、さらに海棲爬虫類 モササウルスは、次回作でも活躍するんだろうなぁ、という続編に向けての伏線もしっかりと張った終わり方。なんだかなぁ… と思っても、John Williams御大のテーマ曲が流れれば、とりあえず昂揚してしまうところが音楽のマジック。とにもかくにも、深く考えずに観れば、十二分に楽しめる映画である。


"Mission: Impossible - Rogue Nation"15.8.7

"Mission: Impossible"シリーズの最新作を観てきた。

このシリーズもこれで5作目。初期の、Ethan Hunt 一人が超人的に活躍するだけの大作から、作を重ねる毎に、オリジナルTVシリーズ「スパイ大作戦」の魅力であるチーム・プレイの要素が高まってきたと思う。特に、今回の作品では、Simon Peggが三作連続(徐々に存在感が増してきているのが嬉しい)、Jeremy Rennerが二作連続、そして、Ving Rhamesが五作全て皆勤賞、ということで、IMFメンバーが固定化してきたのが、シリーズ映画の醍醐味という感じで、楽しい。もちろん、そんな中でも、Tom Cruise演じるEthan Huntは相変わらずの超人ぶり。これだけ個人の能力に依存したIMFは、組織としてはいかがなものか?とは思うが…。(個人的には、三作目に登場したMaggie Qに、IMFメンバー紅一点として定着して欲しかった

ストーリーも、無理に複雑にすること無く、スパイ物にしては分かりやすく練られている。Tom Cruiseの、スタントマンを用いない身体を張ったアクションも見事だが、むしろ、派手なアクションはもう少し控え目にして、チームプレイをさらに前面に出しても良かったんじゃないかな。Rebecca Ferguson扮する、敵か味方かハラハラさせる謎の美女も、ボンド・ガールとは一味違う雰囲気で印象的(真面目なEthan Huntは、James Bondと違って、やたらとコトに及んだりしないのだ)。

いずれにせよ、シリーズ中、最も楽しめる作品に仕上がっていると思う。冒頭、製作会社のクレジットに中国系のプロダクション名が大きく出たのは、時代だなぁ、という感じだが、彼らが出資しているからといって、特に中国市場の受けを狙った感じは無かった。むしろ良いスポンサーがついたのだから、この路線でさらにシリーズを続けていただきたいものだ。


「ウルトラ植物博覧会 西畠清順と愉快な植物たち15.8.7

POLA MUSEUM ANNEX映画館の帰り、「プラントハンター」西畠清順の展覧会を観に、銀座のPOLA MUSEUM ANNEXに立ち寄ってきた。

ビルの一室に、西畠清順が世界中から集めてきた珍しい植物が所狭しと並んでいる会場は、展覧会というより、植物園か盆栽屋さん。炎天下の銀座に涼やかな異空間が出現したという感じで、平日の昼間でも多くの来場者で賑わっていた。

パンフレットには、一点ずつ、写真・学名・和名・科名・分布国というデータの他に、丁寧な解説が載っている。それも、大人用とこども用の二種。これが、読み物としても楽しい。植木問屋を営む西畠氏だけに、「"2億は稼げる"と期待している植物(ピスタチアに付けられた、大人用の解説文)」など、ウイットに富んだ文章が続く。

POLA MUSEUM ANNEX「世界いち卑猥な種子(本当にそんな形でした)」とか、「ライオン殺し」という和名の植物(その実を踏んだライオンを死に至らしめ、その死肉を肥料として育つ!)など、異形の植物が並ぶ中、最も印象的だったのは、盆栽仕立てにしたバオバブ。あの巨木を、その雰囲気を生かしたままで、このサイズにしてしまうとは。日本の園芸文化、恐るべしである。植物好きは、暑い中でも足を運ぶ価値のある展覧会だ。


「J-WAVE LIVE SUMMER JAM 2015」15.8.8

代々木競技場第一体育館代々木競技場第一体育館で行われた音楽フェスに行ってきた。目当ては、矢野顕子。冒頭で登場した彼女のパフォーマンスについては、やのコレ参照。

矢野顕子に続いて、レキシ。歌詞とパフォーマンスで爆笑を取りながら、演奏はバリバリにカッコ良し。さらには、「狩りから稲作へ」の後半で矢野さんが登場。即興で熱いセッション。場内爆笑&大興奮。1万2千人の観客の中には矢野さんのことを知らなかった人も多いと思うが、これで矢野ファン、増えたんじゃないかな。

その後、星野源(ライヴで見るのは初めてだったが、ギターの弾き語り、カッコ良し)、一時間弱の休憩を挟んで、ハナレグミ(本当に良い声だ)、ナオト・インティライミ(ごめんなさい。場内は盛り上がっていたが、今回の出演者で唯一、私には全く興味が沸かないタイプだ)、秦基博(初めてちゃんと聴いたが、実力者ですね)。正直、矢野さんとレキシ以外は、あまり関心を持ったことの無いラインナップだったが、星野源やハナレグミは、ちゃんと聴いてみようかな、という気になった。

16時に開演して21時まで。夏フェスではあるが、屋内なので快適。場外には、オフィシャル・グッズ売り場や飲食店の出店のテントが並び、チケット半券提示で出入り自由。演奏時間こそ、一時間押しになったが、主催者のJ-WAVEと冠スポンサーのサンスターの仕切りも良く、上手くコントロールされたイベントだと思う。代々木競技場第一体育館に来たのは久しぶりだったが、吊り屋根構造の外観は、今でもカッコ良いな(キールアーチよりもね)。ただ、収容人員に比して手洗いが少ないかな。

洋楽系の出演者も欲しい所ではあったが、大いに堪能。特に、レキシにすっかりやられたという感じ。「縄文土器 弥生土器 どっちが好き?」のフレーズが耳から離れないのである。



Windows 10の無償アップグレード、かなり前に予約が成立したのに、相変わらず待たされています。つい先ほども、MSから
「前代未聞の大規模なソフトウェア アップグレードになるため、すべての環境で快適にアップグレードが行われるように、アップグレードの配信を管理させていただいております。」
とのメールが届きました。いつになることやら…

が、実家のHP製PCは、あっという間に「準備完了」の通知が届いていました。帰省ついでにアップグレードしてみましたが、8.1からかなりの改善が施されているようです。どうやら、アップグレードのタイミングは一流メーカー製PCを優遇し、自作マシンは後回しにされているっぽい。悔しい…。ただし、HP製PCでも、アップグレード後、MS謹製のソフト/アプリで動画再生に問題が発生したり、その他にも色々と不具合が生じているようで、大丈夫か、マイクロソフト?