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IN/OUT (2018.7.29)

大雨、酷暑の後は、台風。気象の猛威にさらされ続ける日本という感じです。


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MARC RIBOT'S CERAMIC DOG @ブルーノート東京18.7.24

N. Y.を拠点に活躍するギタリスト、Marc Ribotが率いるバンド、Marc Ribot's Ceramic Dogのライヴを観に、ブルーノート東京に行ってきた。

Marc Ribotは、The Lounge Lizardsのメンバーだったことでも高名だが、私が彼を知ったのは、矢野顕子の2008年のアルバム"akiko"への参加と、その発売直前に開催されたブルーノート東京でのライヴからだ。2014年には、吉祥寺のバウスシアターで開催された「第7回爆音映画祭」で、無声映画にギターで伴奏をつけるというイベントも観ている。その攻撃的で個性的なギターサウンドは、非常に印象的だ。その彼がリーダーを務めるバンド、Marc Ribot's Ceramic Dogは、矢野顕子の2014年のアルバム「飛ばしていくよ」収録の「愛の耐久テスト」のトラック・メイクを行っているが、それ以上の予備知識は無いまま、興味津々で出かけてきた。

バンド・メンバーは3人。ドラムスのChes Smith、ベース(と、Moogシンセ & パーカッション)のShahzad Ismaily、そして、ギターとヴォーカルのMarc Ribot。3人とも椅子に腰掛けての演奏である。

Marc Ribotの攻撃的ギターサウンドは相変わらず凄いが、そこに被さるシャープなドラムスがさらにカッコ良い。編成からすれば、シンプルなスリーピース・バンドだが、そこから繰り出される音は、当然、ストレートなロックンロールとはほど遠いし、パンクともジャズとも違う、まさにアヴァンギャルド。とにかく、3人の疾走感が半端ない。そして、怒りを込めたメッセージを叩きつけるようなMarcのポエトリー・リーディングも迫力があり、とにかく、唯一無二の、尖ったバンドだ。

途中、MCはなし。曲と曲との間も短めで、矢継ぎ早に演奏を畳みかけてくる。終始、凄い物を観ているという感覚で、こちらも昂揚する。正直、あまりに強力なサウンドで、彼らのCDは、自宅でゆっくり聞くには不向きだなと感じてしまったが、今後も、彼らのライヴを観る機会があれば、是非参戦したいと強く思う。いやぁ、凄い物を見せていただいた。


「カメラを止めるな!」18.7.28

久々に日本映画を観てきた。大手映画会社の製作では無く、監督&俳優養成スクール・ENBUゼミナールの「シネマプロジェクト」で作られた作品。ということで、監督の上田慎一郎を筆頭に、出演者達も、ほぼ無名。製作予算は300万円(「ハンソロ」が2秒しか撮れないと言われているようだ)。6月23日の公開時は、上映館は都内の2館だけだった。しかし、連日満員の大盛況。さらに、海外映画祭での高い評価や評論家達の絶賛もあり、全国40館以上に拡大上映されることが決まったという話題作だ。

映画は、ゾンビ映画の撮影中、本物のゾンビが襲ってくるところから始まる。ただ、なんとも素人臭いゾンビ映画なのである。あまりにも不器用なカットやぎこちない演技が続出するのだ。そのカメラワークから、ある仕掛けが透けて見えるところもあるのだが…

映画の後半、仕掛けが明かされ、そこには、様々な伏線が張り巡らせてあったことに気づく。そこからは、その徹底した伏線の回収ぶりに驚くという趣向。アイディア一発のようで、細かいところまで実に良く考えられている。その徹底ぶりが快感になるのだが、ひたすら伏線の回収が続くため、終盤にはちょっと飽きてしまう気もする。

そして、映画愛が暴走するラストに、胸が熱くなる。このシーンへの共感が、この作品の高評価になっているのではないだろうか。映画製作に限らず、協同作業でプロジェクトや作品作りを行ったことがある人には、皆、響くエンディングだと思う。



東京オリンピックでは、暑さ対策だけでなく、台風の可能性も考えなければならないわけで、ますます、7月後半から8月前半という開催期間は正気の沙汰とは思えないと感じる今日この頃です。