矢野顕子さとがえるコンサート2012 −清水ミチコとともに−



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地区公演日開演会場
東京12月4日(火)19:00ティアラこうとう大ホール
大阪12月7日(金)19:00NHK大阪ホール
東京12月9日(日)18:00NHKホール
静岡12月12日(水)19:00アクトシティ浜松 中ホール
愛知12月15日(土)17:00日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール

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button メンバー

清水ミチコ (Piano

矢野さんとのライヴでの共演は2009年のサンケイホールブリーゼ以来。立場的には「カニかま」? しかも、恩着せがましい!

矢野顕子(Piano

清水さんに対抗して、モノマネを披露。こちらも、恩着せがましい!!

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button 12月4日 ティアラこうとう

buttonセットリスト

  1. クリームシチュー
  2. ばらの花
  3. 電話線
  4. * 丘を越えて
  5. * 変わるし
  6. こんなところにいてはいけない
  7. 胸が張り裂けそう(忌野清志郎
  8. ごはんができたよ
  9. * 風のブランコ
  10. * 卒業写真(荒井由実 / 松任谷由実
  11. * Wuthering Heights(Kate Bush
  12. * You've Got a Friend(Carole King
  13. * 恋のフーガ(ザ・ビーナッツ)& 老人と子供のポルカ(左卜全とひまわりキティーズ
  14. * 相合傘
  15. * いもむしごろごろ
アンコール
  1. ラーメンたべたい
  2. * ROSE GARDEN
  3. * ひとつだけ

* は、清水ミチコ氏と共演

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会場は、1,234席のキャパ。舞台には、向かい合わせに並んだ二台のピアノ。向かって左にスタインウェイ。右にベーゼンドルファー(!)。江東区の施設(正確には、公益財団法人 江東区文化コミュニティ財団が運営)だが、何とも立派なことだ。ただ、ホールの作りが、あまり人の動線を考慮していないように思えるところが欠点か?

まず登場した矢野さん。頭は爆発ヘア。いつも通り、向かって左側(スタインウェイ)に座って演奏開始。ここ数年の矢野さんは、上原さんと共演するようになった影響か、ピアノ演奏の力強さが今まで以上に増してきたと感じていたのだが、今日は、肩の力を抜いた雰囲気だ。3曲目「電話線」が嬉しい。

続いて、「丘を越えて」のイントロを弾いているところに清水さんが登場。挨拶の後、向かって右のピアノ(ベーゼンドルファー)へ。で、歌い出したのは清水さんの方。これが、分かってはいたけど、もう、矢野さんの完コピ。ハモって聞こえる矢野さんの歌声が楽しい。次の「変わるし」では、曲の途中に、たっぷりと二人のトークを挟む。

清水さんが一旦退場。矢野さんは右側のピアノに移ってソロ演奏。やはり、独特の響きを持つピアノである。スタインウェイが真っ白な蛍光灯の明かりだとすると、ベーゼンドルファーは電球の光のような印象だ。来年の二月に出る忌野清志郎さんのトリビュート・アルバムに収録される曲も披露。

再び、清水さん登場。ここからは、事前にネットで募った「モノマネして欲しいヒト募集」に応えるコーナー。アンケート結果を読み上げながら、由紀さおり&安田祥子姉妹のトルコ行進曲(モーツアルトの方)を軽くやってみたりしつつ。そして、清水さんが森山良子さんのパートを担当してやもりの曲。「やもり」に清水の「し」が加わることで、「もやし」?。続いて、矢野さんが荒井由実、清水さんが松任谷由実ということで「卒業写真」。矢野さんがノン・ビブラートのユーミン唱法を中々器用に真似る。清水さんは、いつもの悪意を感じるような真似っぷり。

そして、次が、我が人生最大のサプライズ! 私が世界一美しいミュージシャンだと信じているKate Bush様の"Wuthering Heights(嵐が丘)"を、世界一才能溢れるミュージシャン、矢野さんが歌う!!!。この二人、似ていると言う人が多いのだが、全く別のタイプのミュージシャンだと思う。だが、私はどちらも大好きなのだ。これまで何十年、ずっと平行して愛聴し続けているのだ。それがまさかのドッキング。ああ、生きていて良かった。ただ、残念なことに、後半、演奏と歌詞がずれてしまい、最後がグダグダに…

清水さんのCarole King(田中真紀子に声が似ている?)の後、矢野さんがザ・ピーナッツを歌うのと同時に、清水さんが「ズビズバー、パパパヤ」でお馴染み「老人と子供のポルカ」を歌うという清水さんらしいネタ。これは理屈抜きに面白い。

本編最後は、清水さんがガチで挑む二曲。特に「いもむしごろごろ」は、完全に矢野さんが憑依したかのよう。文字通り、LPが擦り切れるまで聞き込んだに違いないと分かる見事な演奏だ。

アンコールは、矢野さんがソロで一曲。そして、「ROSE GARDEN」の前奏を始めたところで清水さんが登場。矢野さんのピアノをバックに、物真似ネタをたっぷり披露し、最後にバッチリ「ROSE GARDEN」のエンディングに着地。ラストは、お約束の「ひとつだけ」。清水さんは清志郎バージョンで。

ということで、とても楽しい一時だった。矢野さんが物真似を披露するなんて、滅多に見られるものじゃない。ただ、これが「さとがえる」となると、物足りなさがある。やはり、年の最後、キリキリと緊張感の溢れた演奏に心地よい疲労感すら覚えるほど音楽に没頭する、という「さとがえる」も見たかったと、わがままな思いがあるのも正直なところだ。また、清水さんのライヴとしてみても、矢野さんへのリスペクトが強すぎて、笑いに徹しきれないところも、ちょっとね。いやぁ、いずれにしても、楽しい物を見せていただきました。

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button 12月9日 NHKホール

buttonセットリスト

  1. クリームシチュー
  2. こんなところにいてはいけない
  3. 電話線
  4. ばらの花
  5. 誇り高く生きよう(忌野清志郎
  6. ごはんができたよ
  7. * 丘を越えて
  8. * 変わるし
  9. * 風のブランコ
  10. * 卒業写真(荒井由実 / 松任谷由実
  11. * Wuthering Heights(Kate Bush
  12. * You've Got a Friend(Carole King
  13. * 恋のフーガ(ザ・ビーナッツ)& 老人と子供のポルカ(左卜全とひまわりキティーズ
  14. * 相合傘
  15. * いもむしごろごろ
アンコール
  1. ラーメンたべたい
  2. * ROSE GARDEN
  3. * ひとつだけ

* は、清水ミチコ氏と共演

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NHKホール、3階までぎっしりの客の入り。来年の2月か3月に放映されるWOWOWのビデオ収録が入っている。

爆発頭の矢野さん登場。舞台に向かって左、定位置のピアノの前に座って一曲目「クリームシチュー」の演奏が始まるところまでは、ティアラこうとうで見たのと同じだが、その音が全く違うのに度肝を抜かれた。ピアノの迫力、声の力強さ、全く別物だ。その思いは「電話線」の素晴らしい演奏でさらに高まった。今にして思えば、前回はツアー初日。矢野さんも、その後に控える物真似披露とかで、一杯一杯だったのかもしれない。それが、今回は三公演目ということで、余裕が出来たように見える。さらに、構成もすっきりさせ、矢野さんのソロの部と清水ミチコさんとの共演パートをはっきり分けたことで、より、ソロパートの演奏への集中が高まったのかもしれない。とにかく、今日の演奏のノリは、本当に良かった。

そして、矢野さんが向かって右側のピアノに移動し、「丘を越えて」の前奏で、清水ミチコさん登場。「変わるし」での、曲間のお喋りも、前回よりもさらに盛り上がっている。「風のブランコ」で、責任感溢れる森山良子さんの歌声を真似る清水さんの調子も、前回よりも大きくアップ。「卒業写真」の矢野さんによる荒井由実の物真似は、前回は、普通に上手なユーミンの物真似という感じだったのが、今回は、清水ミチコ的悪意を注入された物真似になっているのが面白い。

個人的に、今回のセットリストでの山場、矢野さんによるKate Bush様の物真似も、今回は歌詞がずれることはなく、良い感じ。ただ、"so cold"のくだり、"so"のタイミングが違うんだよなぁ、と思ってしまうのは、Kate様ラヴの私のわがままか…

曲の合間には、矢野さんによる「わざと音程を外して歌う春咲小紅」や、清水さんの「右手で『岸壁の母』、左手で『花街の母』を弾きながら、口では『浪花節だよ人生は』を歌う」というネタを挟みつつ、荒技「恋のフーガ&老人と子供のポルカ」。やはり楽しい。そしてラスト二曲の清水さん渾身の矢野さん完コピへ。それにしても、彼女の「いもむしゴロゴロ」は、表面じゃ無くて、本当にスピリットのレベルまで矢野さんをコピーしているという感じで、凄い。

アンコールの三曲も、ティアラこうとうと同じ構成だったが、完成度、特に「ROSE GARDEN」の物真似ネタから歌へ切り替わるタイミングの完璧さは鳥肌モノ。完全にミュージシャンのライヴである。

ということで、先日のティアラこうとうで覚えた不完全燃焼感は完全に払拭。矢野さんのソロパートの凄さ、物真似パートの楽しさ、そして二人のミュージシャンの共演としてのカッコ良さ、全て満足。素敵な公演だった。

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button 日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール

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  1. クリームシチュー
  2. こんなところにいてはいけない
  3. 電話線
  4. 家路
  5. 大橋トリオ
  6. 誇り高く生きよう(忌野清志郎
  7. ごはんができたよ
  8. * 丘を越えて
  9. * 変わるし
  10. * 風のブランコ
  11. * 卒業写真(荒井由実 / 松任谷由実
  12. * Wuthering Heights(Kate Bush
  13. * You've Got a Friend(Carole King
  14. * 恋のフーガ(ザ・ビーナッツ)& 老人と子供のポルカ(左卜全とひまわりキティーズ
  15. * 相合傘
  16. * いもむしごろごろ
アンコール
  1. ラーメンたべたい
  2. * ROSE GARDEN
  3. * ひとつだけ

* は、清水ミチコ氏と共演

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会場は、ネーミングライツの関係で長い名前になっているが、要は名古屋市民会館中ホール。キャパ 1,149人。昔ながらの市民会館という雰囲気だ。

矢野さんの演奏がとても良い感じ。NHKホールでの、大ホール仕様の迫力有る演奏とは違い、もっと親密さが溢れているという感じ。中でも、間奏のアドリブも冴えた「電話線」が出色。

一方、清水さんの方は、ちょっと堅かったような気がする。最終日ということで、気合いが入りすぎていたのだろうか。松任谷由実の物真似での悪意注入度も、Carole Kingの物真似での田中真紀子注入度も、ちょっとやり過ぎだったかも。それでも、二人の掛け合いはすっかり手慣れてきて、スムーズに進行。「いもむしごろごろ」は、ツアー当初はレコードを聞き込んだ成果という感じだったのが、すっかりライヴ・ナンバーとして消化した演奏になっていたのには感心した。

アンコールの「ラーメンたべたい」が、かなり崩した演奏で、これも素晴らしかった。そして、清水さんとのお約束二曲で、今年のさとがえる終了。

例年の、ストイックに音楽性を追求しながらも楽しいというスタイルとは一線を画した今年のさとがえる。企画が発表された時は、果たしてどうなることかと思ったし、まだ、こなれていなかった初日の演奏を聴いたときも、物足りなさを覚えた。が、公演を重ねていって、見事にエンターテインメントとして完成していったように感じた。矢野さんのKate Bushの物真似が、どんどん上手くなっていったのも、両者の大ファンとしては大変に喜ばしい(でも、"so cold"のところがなぁ…)。矢野さんは、あまりKate Bushの事はお好きでは無いみたいだが、是非、この機会に"The Man with the Child in His Eyes"("Wuthering Heights"よりも、こっちの方が矢野さんに合うような気がする)あたりのカバーにも挑戦してくれないかと、妄想したりもするのである。いずれにせよ、今年のさとがえる、決して、物真似する人&される人の余興ではなく、二人のミュージシャンの化学反応を愉しむことが出来たイベントだった。

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