旭川公演には、スタッフとして参加することができました。
8月4日(日) | 熊本県 千丁町総合福祉文化センター( パトリア千丁) |
8月18日(日) | 北海道旭川市 島田音楽堂 |
2002年夏のツアーにはほとんど参加できなかったが、唯一、旭川公演にスタッフとして参加することができた。
会場の島田音楽堂は、旭川市街から離れた場所にある牛舎を改造した建物。島田音楽学院の島田氏がほぼ独力で作り上げたそうだ。周囲に人家はほとんどなく、とてもコンサート・ホールがあるとは思えないロケーションだし、外観も、そうは見えない。普段は、島田音楽学院の講師の方などが出演するクラシック系の公演が行われているそうだが、主催者の方が、たまたまTV番組でこの音楽堂が紹介されたのを見たことが、今回の出前コンサートにつながった。
使用したピアノは、KAWAI製。かつては、ワルシャワのショパン協会本部に置かれ、ショパン国際コンクールの歴代入賞者が演奏したという由緒あるものだそうだが、KAWAIのピアノが矢野さんのコンサートで使われるのを聴いたことがあまりない。また会場の天井が高く、床が石張りなので、かなり残響の多い独特の音だ。準備中は、これが少々心配だった。
19時過ぎ、ほぼ定刻に演奏開始。持ち場を離れ裏の控え室に入り、三曲目で会場一番後ろに、こっそり立つ。300人余りのお客様が入ると、人体が適度な吸音材となり、実に豊かな音色になっているのに驚くと共に安心する。もちろん、朝から入念なサウンド・チェックを続けていた音響スタッフの尽力の賜物でもあるのだが、このピアノの響き具合は、本当に素晴らしかった。矢野さんの声も絶好調。アドリブの多さや、MCの喋りが長めな事に、矢野さんの調子の良さが伺え、さらに安堵。
途中、ステージの暑さに何度か言及していた矢野さんだが、ついに、9曲目終了後、窓を開け、ステージの照明も落とす。窓を開けたことで、外の虫の音が聞こえてきて、雰囲気がさらに増したようだ。通常のコンサートホールとは違う作りの独特の会場。暗めのステージ。豊かなピアノの響き。素晴らしい演奏と歌唱。虫の音。スタッフとしてのひいき目ではなく、演奏の出来も、雰囲気も、過去のどんな出前にも負けない物になったと確信する。
13曲目で会場を出て、再び持ち場につく。場内では、「くまんがちがとんできた」の一節を初お披露目。やがて、本編終了。アンコールのラストでは「ひとつだけ」の場内合唱。それまでにいただいていたメールなどで、きっと今回もやるだろうな、とは予想していたが、会場外で聴いていても、やはり、じーんと来る。
かくして、無事、コンサート終了。素晴らしい演奏を披露して下さった矢野さんにはもちろん、我々素人スタッフをきっちりサポートして下さったマネージャー氏、音響スタッフ、島田音楽学院の関係者、そして、交通の不便な所にまで来て下さり、素晴らしい雰囲気を共につくって下さったお客様全員に、心から感謝します。
土肥さん、中條さん、久保さん、ありがとうございました。